メディアグランプリ

スイスと日本を隔てたものは、ゴミ箱だった


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記事:みやび♪(ライティング・ゼミ5月コース)
 
 
「何が、違うのだろう? 何が違うから、こんなにステキなのだろう? いったいどこが違うのだろう?」
 
 
今、私は、スイスはジュネーブの駅前に立っていた。
お話を始める前に、決して、私は海外旅行が好きな方ではないことを、お伝えしておきたい。
では、なぜ、ここに? それは、ジュネーブにいる息子に会うため。
 
私は、個人的に、とても建物やその空間に興味がある。
 
日本でも、行ったことのない駅を降り、建物やその空間を感じることが大好きである。
 
そんな私が、今、日本から飛行機を乗り換え、21時間かけてジュネーブにやってきた。
ココはスイスでも、フランスとイタリアの国境に近い場所である。
 
みなさんは、スイスと聞くとどんなイメージをもっておられるでしょう?
きっと、「中立国」、「幸福度ランキング上位の国」、「アルプスのハイジ」、「アルプス連峰」、「国連のあるところ」……。
そんな感じではないでしょうか?
 
実際に降り立ち、感じたのは、とにかく、街並み、建物がカッコイイのだ。
『THEヨーロッパ』という感じである。
古い建物もたくさんある。
しかし、古い建物ばかりではなく、もちろん新しい建物もある。
けれど、それがどれも、廻りになじんでいる。
また、リノベーション中の建物も頻繁に見かけたが、建物を覆うシートも、足場も、おしゃれな感じさえしてしまうくらいだった。
 
さらに、気づいたことは、建物の上に看板や広告がない。
お店の看板も、目立つものはない。
なので、お店を探すのに一苦労するくらいだ。
あまりお天気が良くないというのも、街全体の色相に統一感をもたらしているのかもしれない。
 
路面電車が行きかい、その往来の量に驚かされる。
交通ルール上では、最優先は、路面電車だそうだ。
その次は人間。
その次が、これまた縦横無尽に走っているバスだ。
バスは、1台が、2~3両も連なっている。
これは、道路が広いからカーブが曲がれるのである。
日本では、こんなに長いバスは走れない。
 
街のいろんなことに目と心が奪われながら、感じるこの心地よい感覚の元を、私は探していた。
 
そして、目と耳と感じる心をもって、見つけた!
 
スイスは、シンプル・イズ・ベストの国だったのだ。
 
建物には、日本でよくみられるものがない。
その代表は、先ほども書いたが、看板の類である。
そのほか、クーラーの室外機がない。クーラーは、ないのだそうだ。
そして、雨を受け流す樋も、ものすごく控えめにしかない。
これだけで、建物の良さを充分、観ることができる。
 
そして、自動販売機がない。なので、空き缶のゴミ箱はもちろんない。
路上でタバコを吸っている人は何人か見たが、路上にゴミ箱がない。
 
ゴミ箱というものは、もちろん、ゴミを捨てる場所である。
しかし、ゴミ箱はいつの間にか、いっぱいになってしまう。
だからといって、ゴミ箱が大きいと、それはそれで美しさを失う。
 
あなたも、日本で見たことがあるだろうと思う。
自動販売機のゴミ箱が満杯になって、横に無造作に捨てられている缶やペットボトルを。
なぜかゴミの周辺は連鎖がおき、汚れていってしまう。
 
確かにちょっとしたことなのだ。
自動販売機の色、ゴミ箱の色、そしてゴミ。
建物の看板の色、エアコンの室外機の色……。
 
それらが積み重なって、現在の日本なのだ。
日本にいると、当たり前の風景だが、スイスにいる私は、気づいてしまったのだ。
日本のあたり前は、スイスの非常識だということを。
 
日本にも素敵な建物や風景がたくさんある。
スイスのようにすれば、日本もさらにさらに価値がでるのではないだろうか?
 
外国からの観光客から見ると、もしかすると、日本は、美しくない国と思われているかもしれない、と思った。
彼らは、いいところしかインタビューには答えないだろうが。
 
日本の良さ、日本らしさ、が各所にたくさんある。
それらの良さを保ちながら、改善すべきは改善し、守り続けていければと思う。
シンプルに。
それが一番のような気がする。
 
街ぐるみで。
1店舗の利益ではなく、全体の利益を考えて。
しいてはそれが、未来へと受け継がれていくのだから。
 
あなたの街でもできることがあるだろう。
あなたは何からやってみますか?
 
自動販売機のラッピングを街になじませるのもいい。
そして、横にあるゴミ箱の回収頻度を少し多くお願いすることもいい。
 
他にも、身近にできることがあるだろう。
ゴミ箱の色を風景になじませるのもいいかもしれない。
私なら、そんなゴミ箱を作ってくれる企業、それを受け入れてくれる街を応援したいものだ。
 
 
 
 
***

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2025-06-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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