30年以上英語を勉強してきて悟ったこと 自宅でなりきりTEDスピーカーでいいじゃないか
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:ドラ子(ライティング・ゼミ5月コース)
私はこれまで30年以上英語を勉強してきました。また、今では仕事でも英語を使用しています。……と書くと、さぞペラペラなんだろうなとか、ビジネス英語も完璧なんだろうなと思われそうですが、全くそんなことはありません。
日本人が得意な謙遜かと思われるかもしれませんが、謙遜でも何でもありません。
突然会話の機会が訪れると、しどろもどろ。ぶんぶん頷いたり身振り手振りはうるさいものの、口から出てくるのは2、3語程度といった有様です。
読み書きについてはもう少しマシです。
社内の文書などを読んだりメールを書くときは、(少しですが)調べたり考えたりする時間があります。チャットの会話なら要件が伝わればいいので、あまり神経質にならず、スピード重視で対応しています。
2025年6月1日現在、Chat GPT先生いわく、「英語を話せるようになりたいと考えている日本人の割合は約7割」、「実際に英語を話せるレベルにある日本人の割合は約6%」とのことです。
ザ・日本人の私です。
多くの日本人が似たり寄ったりな状況のようですが、話せるようになりたい理由は様々だと思います(ちなみにChat GPT先生が言うには1位は「仕事・キャリアのため」らしいです)。
一体なぜ私が英語を勉強し始めたのかと言うと、中学生の頃に洋楽と出会ったのがきっかけです。多感な時期ですよね。英語の発音が格好いい! 美しい! というポジティブな感動ももちろんありましたが、人間関係や自分の様々な感情への対応に苦労し孤独感を抱えていた私にとって、新たな世界が開かれたような衝撃がありました。
英語という、今まで知らなかった言語で語られる世界、全く別の価値観があることを知り、自分がものすごく狭い世界にいることを知ったのです。中学生なのでそれまで外国の存在を知らなかったということはないはずですが、本当の意味で英語とその先に広がる世界に「出会った」のだと思います。
それは、「狭い世界にいるから生じている苦しさから抜け出せるかもしれない、新しい世界を知りたい!」という強烈な動機となり、他人の翻訳ではなく自分で理解したいと思ったのです。
私の子ども時代には、スマホどころかインターネットがありませんでした。
経験の量や所属するコミュニティの範囲を考えると、今でも子どもの世界は大人のそれよりも狭いとは思いますが、インターネットがない時代の狭さと言ったら今とは比べものにならないのではないでしょうか。
まず私は独学で英語の勉強を始めました。
インターネットがないので、洋楽の歌詞カードを見て意味を調べ(当時は紙の辞書)、CDを何度も聴いてリスニングと発音練習をしていました。後にも先にも、この時ほどの熱量で何かを学んだことはなかったように思います。
その後はというと、大人になってから3ヶ月間の語学留学に行ったり、英会話教室、カフェやパーティでのランゲージエクスチェンジ、英語コーチング、翻訳の勉強、オンライン英会話、AI英会話アプリ、YouTube動画、英語を使える仕事に就く、などなど、一時中断する期間もありましたが、あの手この手で学び続けてきました。
さて、そんなに学んでいるのに喋れないとはどうしたことかとお思いでしょう。
どうしたことかと言いたいのは私の方なんですが……。ぜひその言い訳をさせて頂きたい。
何かを学んだり、スキルを習得しようとする時には、「目的を決めましょう」とか、「目標を持ちましょう」ということが言われると思います。
英語を学ぶ目的って何ですか?
冒頭に紹介したChat GPT先生によると、日本人が英語を話せるようになりたいと考える主な理由は、1位「仕事・キャリアのため」、2位「旅行や海外生活への憧れ・準備」、3位「外国人とのコミュニケーション」、4位「教養・自己実現・趣味」だそうです。
4位を除いて(除かなくてもいいのですが)、全て他者とコミュニケーションを取ることが含まれていますよね。これ、よく聞くと思います。「英語はツールなのだから、それを使って何をしたいのかが重要だ」と。そしてその理想的な答えは「コミュニケーションを取るため」だと思うのです。
1位はTOEICの点数だけ取れればいい場合もあるかとは思いますが、海外に駐在したいとか、旅行先で不自由なく現地の人とコミュニケーションが取れるようになりたいとか、海外移住したいとか、そういう目的があればそれに沿った勉強をすれば身につきそうですよね。
私もそれらしいことを思ったことはあります。最初はただ「自分で英語を理解できるようになりたい、この美しい発音を自分もできるようになりたい」というところから、海外生活への憧れも持つようになりました。格好いい英語を話して仕事もして、キラキラした人生を生きたいみたいな。
ただ、そこで発生するであろう「他者とのコミュニケーション」が現実に発生してくると、どうも様子がおかしいのです。
がんばってランゲージエクスチェンジのパーティにも行きました。楽しいと思いたいのに、へとへとになるのです。英会話教室のプライベートレッスンもオンライン英会話も、講師の人に迷惑をかけてないかな、などと余計なことが気になります。
最近は、子ども時代よりは進化して、YouTubeで英語関連の動画を見てシャドーイングなどをする方法に落ち着いています。TED Talksなど、好きなテーマで時間や相手を気にせず学べるのはやはり楽しいです。
そこで気づいたのです。
あれ? よく考えたら、普段からそんなに四六時中人と喋りたくないかも……それが英語になったからって、変わらないってことか……。
理想的な英語学習の目的(と勝手に思っている)である「コミュニケーションを取るため」が、私の場合成立しないというか、そこまで強い動機にならなかったのです。人と交流している時間よりも、一人で過ごす時間の方が多く必要なタイプです。無理して会話しようとしたり盛り上げようとしているから、相手も無理をしていないかと考えてしまうのだと思います。
また、英語を使った仕事をしたいとずっと考えてきた理由もちょっと問題有りだったようです。「好きな英語を使って貢献して収入を得たいから」もある一方で、「趣味=遊びにお金をかけてはいけない」、つまり「お金をかけたからには仕事にしなければいけない」という強迫観念めいたものも持っていました。
まぁ、勝手にしてくれ、と言われればそれまでなのですが、純粋な動機だったものに色んなあれこれを付け足していくと、結局はうっすら自分が苦しくなり、スムーズに身につけられもしないのかもしれない……そうであれば、純粋なまま、自然とやってしまうことをひたすら追求してみてもいいのではないか! と、30年の経験から提案したいのであります。
無理せず自分の世界を広げた上で他者と関わっていくことで、結果的にほど良いコミュニケーションの輪が広がることを期待して……。
そんなわけで私はこれからも自宅でなりきりTEDスピーカーとして楽しく英語を学びたいと思います。
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