4キロの安心感”が心の奥に届くとき〜筋肉に閉じ込めた感情と出会うストレスケア〜
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:森昭子(ライティング特講)
「どうして涙が出るんだろう……」
なぜ涙が出るのかわからない、悲しくないのに涙が止まらない、なぜか中指が痛いような気がする。
これは筋肉から脳の奥深くへ、心と体が緩む信号を送った後、お客様から聞いた言葉だ。
しばらくしてお客様は言った。
「そういえば子供のころ、中指を犬に噛まれたことがあるんです。痛かったし怖かった……」
涙の原因は、その時の痛みと感情だったのだなと思った。
自分では忘れていても体は記憶している。お客様はそんなことがあるのかと驚いていた。
実は筋肉には過去の感情が閉じ込められている。
たとえば幼い頃に、犬に追いかけられてとても怖い思いをした人が、大人になっても犬を見るだけで、心臓がドキドキして手に汗をにじませる……。いくら頭で「もう大丈夫」と思っていても、筋肉がその記憶を覚えていて体が反応する場合がある。もはや自分では制御不能で、勝手にドキドキして手には汗がじっとり出てくる。しかもこの反応のスピードはすこぶる速いのが特徴で、考えている暇なしなのだ。
大事なお客様にお茶を出す時に手が震えてしまうのも同じだ。「落ち着こう」と意識しても制御不能、勝手に手が震えてまたお茶をこぼしてしまったとしたら、それは昔、恥ずかしい思いをしたあの時の感情がまだ筋肉に閉じ込められているサインなのだ。
こんなふうに注意深く日常生活を観察してみると、筋肉がその感情を覚えていて、意識せずとも勝手に動いたり、反応していることに気づくだろう。※苦手な人にも同じような反応が起きる
けれど、安心してもらいたい。
実は、私たちストレスケアカウンセラーは、その筋肉を使って閉じ込めた感情を解放していくことができる。
これはとても簡単で、決まった筋肉に決まった法則で手のひらを使ってアプローチする。
すると、わずか10分足らずで体に閉じ込められた感情が解放され始める。
私たちは、筋肉の中でも重力に対してずっと頑張ってきた筋肉、抗重力筋(体を支える筋肉)に働きかける。代表的なものは、太ももやふくらはぎ、そして背中とお腹の筋肉などだ。この抗重力筋に 「2秒5秒5秒2秒」のリズムで、およそ4キロの重さを、手のひらでゆっくり深く静かに、筋肉に垂直に圧力をかけていく。
まず2秒で手のひらを天使の羽のように優しくふわっと筋肉に置いたら、次の5秒でおよそ4キロの圧力をゆっくりかける。そして5秒間ピタッと止まる。止まった後は2秒でふわっと手のひらの力を抜く。
このふわっと力を抜くときに、閉じ込められてしまった感情を解放する信号が脳の深いところに送られる。
なぜ4キロの圧力なのか? 1キロでも5キロでもない4キロ。これは赤ちゃんが初めて経験する大きな刺激に関係がある。
赤ちゃんはお母さんの産道を通って、または帝王切開で、この新しい世界に頑張って生まれてくる。ふわふわと温かい羊水に包まれて安心して過ごしていたのに、産まれる時がやってくると、その安心の場所からまだ未知の世界へと踏み出す。
産道は狭くて苦しいし、帝王切開にしてもいきなり違う世界に引っ張り出される。
もう刺激はマックス!
……でも、生まれた時、必ず誰かに抱っこしてもらえる。その抱っこしてもらったときに、自分の背中とお尻に誰かの手が優しく触れる。その時、自分の背中とお尻に感じた手の圧力は大体自分の体重と同じくらいだと言われている。だからおよそ4キロなのだ。個体差はあるものの、だいたい4キロくらい。
人は、生まれた時に自分の背中とお尻に感じた、このおよそ4キロの圧を絶対的保護感と安心感の原点として一生追い求めると言われている。
私たちは、それを思い出せるように優しく体に触れる。
あなたはかけがえのないとっても大切な存在、というメッセージを、言葉を介さずに触れることで伝えているのだ。
ちょっと想像してみてほしい。とても悲しいことがあって落ち込んだ時、部屋の真ん中で大の字になって寝ている自分を想像できるだろうか。
多分とても落ち込んだ時は、どちらかというと部屋の隅のほうで、自分の膝を抱えて、いわゆる体育座りのような格好でじっとしていたり、布団をかぶって泣いているところを想像するのではないだろうか。
自分の手で膝を抱えたり、柔らかい布団を自分にかけることで、無意識に自分に圧をかけている。重さが欲しいのだ。
あともう一つ例を上げると、美容院でシャンプーをしてもらう時、大抵、体にバスタオルをかけてくれる。目を閉じているので周りは見えず、丸腰でシャンプー台に乗るのは、ある意味とても無防備で体は何となく不安だ。そこにタオルの重みが1枚、体にかかっているだけで、安心感が増すのだ。子どもの頃、お母さんにお腹や背中をトントンしてもらいながら眠りについた人も多いのではないだろうか。
圧=安心感=愛情=重さ。実は深い関係がある。
私たちストレスケアカウンセラーは、お客様の筋肉からいろいろな情報を読み取る。言葉は嘘もつける、けれど体は嘘をつけないので、言葉以外の情報がカウンセリングで重要な役割を果たしてくれるのだ。そして同時に筋肉を観察すれば、どのくらいストレスが軽減しているかも把握できる。
また、どんな人も筋肉をみると、とても頑張って生きているのが伝わってくる。その頑張りは筋肉に強張りとなって表れていて、その筋肉に働きかけると感情の解放だけでなく、同時にその体の強張りも解放されて、勝手に筋肉がピクピク動いたり、パーンと足が跳ねて私たちが蹴られそうになったりする。ご本人は全く無意識のうちにそうなるのだ。
そうやって筋肉に閉じ込められた感情や筋肉の強張りが解放されていくと、世の中を観る景色も少しずつ変わってくる。何を経験しても明るく受け止められるようになり、すごく悲しい出来事があって心が折れそうになっても、回復が早くなる。人の復元力はすごい。
今日ご紹介した触れる技術は、簡単に言うと、体を“瞑想と同じ状態”にするものだ。血圧は下がり、呼吸数も減るが手足は温かくなる。この時、脳はとてもゆっくり休んでいて、体は深く満足している。自分で行う瞑想は訓練が必要だが、私たちの技術はただ寝ているだけで良い。むしろ自分の力が及ばないから深くリラックスできるのだ。このように脳が深く休まり、体が満足すると、可能性の扉が大きく開く。自分の中に眠っている財産にも気づくことができる。
私も日常的にこの状態をつくることで、家族の問題や離婚・再婚という最も刺激が大きいライフイベントも乗り越え、たとえ問題が解決していなくても常に上機嫌でいられるようになった。
さぁ、ご一緒に閉じ込めた感情を少しずつ解放し、体を緩めていこう。
あなたはただ、ベッドに横になっているだけでいいのだ。何もする必要はない。
温かいやさしい手のひらが、そっと脳に「安心していいよ」と伝えてくれる。
あなたの脳は勝手に再活性され、あなたの中に眠っている財産が輝き、あなたに教えてくれる。
本日7月1日、ただ今より、この触れる技術の体験会のご予約が始まります。
感じてみたいなと思った方は、どうぞお気軽にご連絡ください。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「名古屋天狼院」
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「湘南天狼院」
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00