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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:宮藤紳(ライティング・ゼミ3月コース)
 
 
昨今ではよほど人目に付かない僻地にでも行かない限り、訪日外国人を全く見ないと言う日は少なくなりました。
都市部や観光地では、外国人の数が日本人を上回っている光景を見る事もしばしばです。
例えば東京メトロ銀座線は、外国人に人気のある渋谷と浅草間を結び名前通り同じく人気スポットの銀座も通るので、通勤時間を除けば外国人乗客が非常に多いです。
車両に日本人は自分一人で、外国に旅しているのかと思えてしまう時もあります。
そして降車後はお決まりの改札口の大渋滞です。
特に終着浅草駅ではうまく改札を通れない外国人が何人もいて、後ろにそれを待つ人の列が出来るのは当たり前になっています。
同じ光景はJR京都駅北口改札でも見られます。
また街中では食べ歩きゴミのポイ捨てや場所を問わないスマホ撮影等のマナー違反、交通ルール無視。
それが生活圏内で起こっている地元住民が腹立たしく思う気持ちも理解できます。
地元住民以外でも眉をひそめるたくなる光景はメディア等でさんざん紹介されています。
一方でインバウンドによる経済効果は、閉塞感がある日本国内で必要不可欠だという見方もあります。
迷惑行為の数々、経済効果金額が取り上げられる事が多いですが、もっと違う視点が必要だと思っています。
 
私は学生時代にバックパッカーとして海外旅行に行った事があります。
貧乏旅行なのでヒッチハイク移動をしました。
今思えば外国で知らない人の車に乗り込むのはリスクのある事でしたが、運よく怖い目に遭うことも無く無事に帰国出来ました。
ヒッチハイクは時間をかけて同乗させてくれる車を探し乗り継ぎながら目的地へ辿り着くケースがほとんどです。しかし、一度分岐点で下車して次の車を探し出そうとした時に、後続の車が停まりその場で乗せてくれた事もありました。
同乗のお礼にその場で折った鶴を手渡すと大変喜んでくれたのもいい思い出です。
40年近く経った今でも、私の中でその国は好印象のままです。
国際スポーツイベントではその国の選手を応援します。
国際政治の問題でその国が係わっていれば、その国の人達を信じたいと思います。
学校を卒業後は社会人になり海外赴任はありませんでしたが、取引先として海外の方と接する機会が多くありました。
メール主体のやり取りで言葉の壁、ビジネス習慣の違いからヤキモキした事も多々ありました。
まれに先方が訪日する機会があれば直接お会いし、その後は同じメールのやり取りも以前よりストレスが少なくなりました。
同じ経験は社内の日本人同士でもありました。
利害が一致しない面倒な依頼でも顔を会せた事のある相手なら比較的気軽にお願いできるという体験は、ビジネスに限らずよくあります。
リアルな顔合わせが人に与える影響は、思っている以上に大きいです。
 
昨今話題のSNS界隈で見られる誹謗中傷のほとんどはリアルに顔合わせしたことが無い人同士で起こっていると思います。
国際交流の中でも同じ事が起こっている様に感じます。
もちろんある国に対しヘイトスピーチや排斥運動をする人の中には、実際に顔合わせしたが故にそんな考えになる場合もあるでしょう。
しかし、相手国を信じられる気持ちを持てるのもリアルな出会い経験が役立ちます。
世界情勢が緊迫しつつある今だからこそ、リアルな人間同士の接触が大切だと思うのです。
 
いつかある国と日本との間で諍いが起こっても、その国の人がリアルに出会った日本人との体験が紛争抑止力になる可能性を信じています。
一人一人の影響力は小さくてもそんな人達が少しでも増えればと思い、機会があれば訪日外国人に声をかけるようにしています。
電車乗り換えに困っている人や、道に迷っている人が一番多いですが先日はこんな外国人がいました。
その人は飲料自動販売機とにらめっこをしていました。
パッケージ文字とイメージだけではどんな飲み物かが分からない様子でした。
声かけすると、お茶と水以外に日本にどんな飲み物があるのか知らなかったそうです。
開幕してからも賛否両論ある『大阪関西万博』ですが、海外からの来場者、出展者の多くがリアルに日本人と出会う環境を提供している意味は大きいと思います。
期間中の採算や入場者数による成功判断など目の前で見えることばかりではなく、遠い未来にその答えを求めてもいいと思います。
翻訳ソフトなんか利用せず「お兄ちゃん何か困ってんの?」と声をかける大阪のおばちゃんのお節介が、税金で購入する高い武器より役立つことがあるかもしれません。
 
日本にいる外国人は旅行者だけで無く、技能実習生やコンビニや外食店の労働現場でも多く見かけます。
旅行者や労働市場にいる多くの外国人は、いつか日本の安全保障の助けになってくれるかもしれません。
その事を信じてこれからも翻訳ソフトを片手に多くの外国人と接していきたいと思います。
 
 
 
 
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2025-06-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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