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終わらない同窓会

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記事:宮藤紳(ライティング・ゼミ3月コース)
 
 
今年の4月に高校の同窓会がありました。
『〇〇高校〇回生還暦同窓会』と銘打ち還暦を迎えた同級生が集まりました。
卒業後他の学年も含めた同窓会は何度かあった様ですが、自分たちの代だけの同窓会は今回が初めてでした。
幹事の方々は本当に苦労されたと思います。
まずバラバラになっている同級生の名簿作成です。
大いに役立ったのはSNSでした。
幹事が直接連絡先を知らなくてもFacebook、インスタ、LINE等々で繋がっている同士が自主的にどんどん連絡を取り合い、最終的は卒業生三分の一程度の参加だったのでSNSの力は侮れないです。
 
僕は高校卒業後も連絡を取り合っている数人を除き、ほぼ全員が42年振りの再会です。
卒業時のクラス番号と名前(女性は旧姓)が書かれた名札と、頭の片隅にある記憶を頼りに楽しく過ごせました。
男性陣は自分を含めて当時から老け顔だった連中はすぐに分かりましたが、童顔だった同級生とは話しているうちに「えっ! おまえがあの〇〇か」と思わず口にしそうになりました。
女性陣に関してはコメントを控えます。
会場内は沢山のおしゃべりと、あちこちでスマホ片手の撮影会でした。
後日、今回同窓会用に作ったグループLINEに各自が撮った当日の写真を投稿しました。
きっと参加が叶わなかった同級生にも懐かしい思い出が届いていると思います。
同級生の中にはIT技術に明るい者もいて、アップされた写真を生成AIでイラスト加工して再投稿してくれました。
出来上がったイラストに「もう少し毛量を増やせ」だの「スリムにしろ」と言った注文にも直ぐに応えて新しいイラストが投稿されます。グループLINEは大いに盛り上がりました。
人はいくつになっても新しいおもちゃには興奮するようです。
高校生の時、発売されたばかりの初代ファミコンを買った同級生の家に皆で押し掛けた事を思い出しました。
 
グループLINEは今でも賑わっていて、話題は次回開催についてです。
還暦の次となると区切りがいいのは70歳を迎える古希あたりでしょう。
それまでは多分今回新しく繋がった同級生同士で小さな会合が、いくつも行われていると思います。
70歳となると同窓会名も「生存確認会」がふさわしいかもしれません。
その時はどんなおもちゃを手にしている事でしょう。
リアル参加とオンライン参加のデュアル同窓会は現在でも実現しています。
10年後にデジタル技術や生成AIがもっと進化していたら、あの世からの参加も可能かもしれません。
直接死者と話す必要はありません。生成AI同級生がいればいいだけです。
同窓会の話題の多くは簡単な近況報告と昔の思い出話です。
生成AIが得意な蓄積したデータを駆使して即興で回答するには、うってつけの話題です。
生前の同級生の写真、思い出話、日記等々を事前に蓄積しておけば同窓会の会話に十分ついていけそうな気がします。
記憶が怪しくなってきたリアル参加者が、AI同級生の正確な昔話に凹まされるなんて会話もありそうです。
近況報告は「私はもうこの世にいません」で済みます。
 
同窓会の話だけではなく、生成AIと現実社会とはどんな融合になっていくのでしょうか。
利便性、機能性が求められて生成AIが進化していくのは仕方ない事だと思います。
大切なのは何のためにその利便性や機能性を求めるのかをきちんと議論することだと思います。
その議論が不十分なまま生産性向上と言った経済的な側面だけで、どんどんその進化が進んでいくことに不安を覚えます。
クスッと笑える同窓会写真のイラストを簡単に作れるのは驚きですが、そもそも生成AIが学習した元々のイラストを描く人がいなくなってしまったらどうなるのでしょう。
今の生成AIの進化には、タコが自分の足を食べている状況が思い浮かぶのです。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言うドイツの鉄血宰相ビスマルクの格言があります。
生成AIの過剰な進化については、各国の植民地政策の歴史から学べる事が多くあるように思います。
植民地政策は経済的成長を優先した結果、未だに遺恨を残す政策だったと思います。
生成AIが同じ轍を踏まない事を祈るばかりです。
 
その日の同窓会はお昼12時にスタートし、旧交を温め合った数人とは日付が変わるまで顔を突き合わせていました。
次の日深く反省する位の酒を酌み交わせる旧友達との再会が何より嬉しかったです。
次回の同窓会も一人でも多く生身の同級生と再会できることを祈っています。
何より自分がリアル参加出来るかを一番に心配しなくてはいけません。
 
 
 
 
***

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2025-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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