メディアグランプリ

午前中を捧げよ! 外国人が並ぶおススメ衝撃ラーメン


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:和田 千尋(ライティング・ゼミ3月コース)
 
 
過去と比べ格段に情報が手に入りやすくなっている現在、美味しい店の情報はあっという間に広がる。そんな店には即座に人が群がり、気がついたら入店までに長蛇の列となってしまうことも珍しくはない。
 
日々大量の魅力的な情報を入ってくると、目移りばかりしてどうも落ち着かない。地理的、時間的に制約があれば諦められるのだろうが、なんとか行けるとなると気ばかりが焦る。
 
そこで数人で定期的に人気店にできる順番待ちの行列に並び、行きたいという気持ちを少しずつでも消化している。
 
始発の電車に乗って間に合うかどうかというチーズケーキ店もあり、行列文化も極まれりという感じもする。そんな中でもこの店の行列は特別だ。
 
なぜなら並んでいるほとんどが外国人なのだ。どこがすごいかというと噂を聞きつけた外国のテレビクルーが取材にきていたほどだ。
 
大通りから離れた、静かな路地。喧騒から離れたその場所に、ひっそりと佇む一軒の店がある。そこまで主張は激しくないが、木で作られた看板に品よく店名が刻まれている。
 
ひときわ目をひくのが開店数時間前からできている行列だ。提供数が限られるため2時間前に並んでもすでに間に合わない。しかし並べるだけありがたいと思ってしまう。なぜなら予約の時間の1時間前だけが先着順だが、その後の時間は、すさまじい事前予約戦争の勝者のみが席を確保できるからだ。
 
日本への旅行中にぜひ訪れたいと決死の覚悟で予約に臨む外国人や日本人猛者に勝てる気がせず、ならばまだ可能性がある先着順へと臨んでしまう。
 
自分の中で「木で作られた看板の店は美味しい」という経験則がある。この店はそれを裏切らないどころか最高の裏付けとなる店だ。木を感じる扉、引き締まった空気感、そして店からわずかに漏れ出す芳醇な香り——ただの店ではない、そう直感させる何かがそこにはある。
 
店があるのは都会の華やかさと下町の温かさがほどよく混ざり合った、ちょっと通な大人が集うエリア。観光でにぎわう中央通りから少し路地に入ると、「え、こんなところに!?」という知る人ぞ知る名店がゴロゴロある。ちょっと歩くだけでそれぞれの店の前に連なったいくつもの行列を見かける。夜は値段があがり敷居がぐんと高くなる店が、ランチ時にリーズナブルに料理を提供しているというグルメ心を最高にくすぐる店が多いのも魅力だ。
 
外国からの訪問客も多く見かける。外国人人気の浅草などとは違い。このエリアを散策している外国人を見ると「YOU、わかってるね~」と思わず声をかけたくなる。
 
今回紹介するのは、歌舞伎座にほど近いラーメン店「銀座 八五」だ。
 
扉を開けると、目に入ってくるのは6席だけのカウンター。まるで割烹かフレンチのような内装に、思わず背筋が伸びる。木のカウンターは磨き上げられ、明るすぎず暗すぎない照明が、スープの色合いさえ美しく見せてくれる。客の会話は控えめで、代わりに聞こえてくるのは、鍋が立てるわずかな音や、麺をすする小さな音。まるで食の美術館のような空間。職人のように丁寧に仕上げられていくその1杯は、料理というより、もはや芸術作品。麺はスープに合わせ特別に作られた細麺。製麺時から丸めず管理することでクセのない美しい面に仕上がるように工夫されている。
 
とはいえ、まずはスープ。ひと口すすると、その奥深さに驚く。
塩味なのに「ただの塩ラーメン」ではない。
澄んでいるのに、複雑。日本料理の出汁のようであり、フレンチのブイヨンのようでもある。
 
鴨、乾物、魚介。旨味が幾層にも重なり、静かに味覚を満たしていく。
仕上げに生ハムを加えることで、タレを使わずともコクのある塩味を楽しめる上品な口当たりとなっている。業界を騒がせたという「タレなしスープ」の面目躍如だ。派手じゃないのに、記憶に深く残る味だ。「中華そば」として一杯1200円で提供される。
 
しかしその中で限定として登場する1杯は、さらに別格だ。その名も
「ラビオリグルマンディーズ中華そば」。
 
中華そばに、トリュフやフォアグラを使用したフレンチ風のラビオリをトッピング。1個でボリューム満点だ。スープ同様生ハムで味を調整しているため、スープに浸すと一層薫り高くなるという、1日30食限定の逸品。まるでコース料理のメインディッシュがラーメンになったような衝撃がある。こんな体験、いままでにあっただろうか?
 
店主はフレンチレストラン出身の実力者であり、そのキャリアがこの店の味をつくっている。ミシュランガイド2年連続1つ星、2025年版ではビブグルマンに掲載されている。すなわち、ここ数年常にミシュランの評価対象に入っているという確かな店だ。
まさしくワールドワイドに受け入れられる味であると納得。
 
帰り際に「Amazing!」と英語で感想を伝える外国人客。こちらも日本人客として、日本語でしっかりと感動を吐き出そう。
 
「うんまっ♪」
 
東京を訪れる予定のある方、もちろん東京近郊在住の方も
午前中いっぱい完結する、ラーメン一杯の至極の体験はいかがだろうか。
 
価値は飛び切り、一生の思い出となるだろう。
土産話としても話題性十分だ。
 
そう、諸君、午前中を捧げよ!進撃……おっとっと衝撃の客人になろうではないか。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「名古屋天狼院」

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「湘南天狼院」

〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00



2025-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事