メディアグランプリ

本が読めない、勉強ができない、集中力が続かない……の三重苦が消えてなくなった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田中優希菜(ライティング・ゼミ5月コース)
 
 
8月に試験を受ける。合格率が4%とかなり難関資格らしい。
勉強しないと、勉強しないと……と思って4月を迎え、「申し込んだらさすがに勉強するよね!」と思って受験料を支払った。
そして7月現在。全く勉強ができないでいる。
 
やらなきゃいけないという気持ちだけはあるので、テキストを開くのは開くのだが、すぐに集中力が切れてしまう。というか集中に入れない感じ。
テキストを開く、文字が読めない、うずうず、スマホを触る……の繰り返し。音楽を使ったり動画を流したりしてみても、すぐ他に意識が向いてしまって勉強が始められない。運よく始められてもすぐスマホ行き。
学生時代はあんなに本をよんでいたのに、なんでテキストの1ページもまともに読めないんだろう……。
 
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本が大ヒットするくらい、本を読めない大人が増えているらしい。御多分に漏れず、私も大好きだった本が読めなくなった口だ。
小学校の頃は図書館に行くたびに両手に本を抱えて、返却期限ぎりぎりまで読みふけるような子どもだったし、本に夢中でチャイムが鳴ったことにも気づかないくらい集中力があった。そんな人間が、本を読めなくなっているのは非常に悲しいし由々しき事態である。
 
大学生くらいのときに『すべてがFになる』を読んでから、数年かけて森博嗣のS&Mシリーズを読んでいる。7冊目の『夏のレプリカ』を読み始めて早半年。森博嗣の小説は、どんどん展開するストーリーがおもしろくてあっという間に読み終えてしまう本だ。集中できれば駆け抜けるように読み終われるはずなのだ。遅々とした進みでも読み続けているが、これじゃあ胸を張って本が好きだとは言えない。
本が好きな人あるあるだと思うが、本が読めなくなっても「自分は本が好きだ」というアイデンティティがずっと心の奥底に残っている。読みたい本にはたくさん出逢う。でも、ふと自分が本が読めていないことに気づくたび、自分の根幹の何かが泣いているような感覚に陥る。
 
勉強ができないのも、根本はここなのだ。本が読めない。問題文もテキストも頭に入らない。
さすがに試験1か月前に何もしないのはヤバい。でも集中できない……テキストを開いて、うずうずして、スマホを開いたら、欠かさずみているYouTubeチャンネルが更新されていた。ノータイムで動画をクリック。また勉強できない悪循環に入ってしまった。
……と思ったら、今回は集中力に関する本を紹介しているようだった。
本を紹介するチャンネルなので具体的なテクニックが紹介されているわけではないが、この動画を見て数日、1日2時間以上勉強ができている。人生、どこにヒントがあるかわからないもんだと思いながら今日も勉強に取り掛かっている。
 
その動画では、スマホ、特にSNSなどは画面をみる時間が長くなるよう設計されているという話をしていた。画面をみる時間が長いほど、広告費が入るからだ。この魔物に私の時間が喰われている。でも、時間がない=集中力がない、ではない。実際、今から勉強するぞと机に向かう時間はあるのだ。本を読もうと開く日が減っているのは確かだが、開いたけど読めないことが問題なのだ。集中力はどこに消えてしまったんだろう。
 
YouTuberが実体験を話していく。作業途中でスマホの通知をみて、作業に戻るときに「どこまでやったっけ……」と忘れてしまう。本を読んでいてわからないことを調べているうちに本を読むのをやめてしまう。作業の切り替えが起こるとき、何をどこまでやったっけと思いだすのに負荷がかかる。この切り替えの度に私たちの集中力は奪われていく。
 
その話をきいて、はっと気がついた。
少しテキストを読んで、わからない単語を調べて、またテキストに戻ろうとしたときに、私はうずうずそわそわと、集中できずに目が滑るモードに入る。1つの作業にぐっと集中してしまうタイプなので、途中で調べたり別のことをすると作業に戻れなかったのだ。
動画の中では、気になった単語は付箋に書いたり、本に直接書き込んで後で調べればいいと言っていた。実際、本に書きこんで読書をしたら、集中して本を読んでいた頃の感覚で読書ができたという。
確かに、すぐ調べる必要はないんだな。全部わからないけど、とりあえず進めてみて、ある程度まとめて調べればいいのか。良いことを聞いたぞ、という気持ちになって、テキストを開いてみた。調べたくなる気持ちをぐっと抑えて、集中できなくてうずうずしてきたら、音読したりとりあえず書き写したりして、きりの良いところまで進めるようにした。
そうしたら、5分くらいするとなんとなく集中してきて、すんなり勉強ができるようになった。本を読むのも、スマホの通知を切って、頭に入ってなかったら読み返そうととりあえず読み進めてみた。そうするといつの間にか章の最後まで読めていた。
 
本が読めない、勉強ができない、集中力が続かない……どこか繋がっているこの三重苦は、気が散ってしまうというより、自分で他のことをしにいっていた気がする。
わからない単語を調べるとか、ちょっと集中できないことに耐えられずにスマホをみちゃうとか。そしたら使ったスマホの方に意識が向いちゃうので、とりあえず、集中できるまで1つのことをやることが自分に合っている気がする。
それでも集中できないときもあるから、勉強するときは15分くらいのアラームをかけて、15分やって集中できないときは勉強法を変えるようにしてみている。
 
いろいろやってみてうまくいかないときは、YouTubeで紹介していた本を読んでみよう。
5分からでも、集中できない15分でも、本が読めている。勉強ができている。
たったそれだけでも、何か大事なものを取り戻したような気がしている。
 
 
 
 
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2025-07-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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