「8月15日」という交差点
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:みやび♪(ライティング・ゼミ5月コース)
「“お盆”と“終戦記念日”って、どんな関係があるのだろう?」
そんな疑問を持ったのは、小学生の頃だったかしら。
お盆は、8月15日前後にあり、
終戦記念日は、8月15日。
この2つが、毎年交差する日。
多くの人が行きかう。
そして、多くの人が立ち止まる。
2つが交差する疑問を、なかなか大人たちに聞けずに過ごしてきた。
そして、勝手な想像と解釈をして大人になった。
先の戦争で多くの人が亡くなり、日本は負け、終戦となった。
その死者の悲しみや怒り、そして、その人たちのおかげさまで今の自分の命がある。ご先祖さまに感謝の気持ちで祈る、それがお盆のはじまりなの?
それとも、お盆の風習は昔からあったけれども、戦後、終戦に合わせるようになったの? などと考えたりしたときもあった。
今時なので、少し調べればわかることではあるが、なんとなく、先延ばしにしてきた。
そして、今年のお盆に、ようやくそのタイミングはやってきた。
調べてみた結果……。
この2つは、全く関係ないものだった。
なんだか、肩すかしをくらったようにも感じる。
何か深い物語がそこにあると、期待していたからだと思う。
が一方、情報サーフィンをしたことで、お盆について興味深い部分に触れることができた。
それは、きっと、とても大切なことなのに、だれも教えてくれないようなこと。
単なる雑学ではない。
知ることで、8月15日の受けとめ方がかわり、魂で感じられる日となるのだ。
お盆の行事が定着したのは、ナント、平安時代だそう。
定着したということは、それ以前からもあったということ。
起源は、お釈迦(しゃか)様の十大弟子のひとりである木蓮尊者(もくれんそんじゃ)が、母を餓鬼道(がきどう)から救うために、旧暦7月15日にお釈迦様の助言に従い、木蓮尊者が、多くの僧侶たちに食事を施すことで救うことができた、という物語。
それが中国を経由して、日本に伝わったと言われている。
母を救いたいと思う親子愛と、時代も国も関係ない、その想いが強く伝わってくる。
ここでいう、7月15日は旧暦。
明治5年から6年にかけて、旧暦から今の暦に代わっている。
(具体的な年月まで知ったのは、初めてだった)
あなたも不思議におもったことはないだろうか?
地域によって、お盆の日にちが違うことを。
なぜ、ちがうのだろう? と。
新暦になったときに、旧暦のままの7月15日でお盆を行い続けた地域と新暦で読み替えて8月15日になった地域があったとのこと。
全国一律に変更されたのではないため、地域によって差が今でもあるとのことだ。
なるほど、地獄の窯のフタが開く日が、地域によってことなるということのようだ。
ところで、わたしたちは「お盆」と呼んでいるけれど、実はそれは略称というか、愛称というか、であることをご存じだろうか。
正式名称は、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という。
少し、話はそれるが、お盆以降、海に入るな、ということをどのくらいの若者が知っているだろう?
少なくとも、我が家の次男19歳は知らなかった。
これは決して迷信などではなく、現実的な数字として、証明されている。
昔の人の生活の智慧というのは、本当にすごいと改めて思う。
今の時代は、根拠や理屈を求められることが多いが、昔の人は、本能的にいろんなことを感じ、行動していたよう。
そんなことをつらつら考える中で、“8月15日の交差点”が浮かんできた。
そこには、平安時代からつながってきている道と、世界大戦からつながっている道がある。
やってきた方向は違えども、交わった感じ、伝えたいことは同じなのだ。
お盆も終戦記念日も、はじめは無縁だったのかもしれないけれど、
こうしてつながるべくしてつながっているように感じる。
年に1度ではあるけれど、日常の忙殺されている中では忘れがちになる、ご先祖さまに想いを寄せる日となるといいな、と想う。
いくつになろうとも、どこに居ようとも、どの時代になろうとも、今、自分たちがいるのは、ご先祖さまがおられたからである。
そこに、宗教も人種も関係はない。
特に日本人は、原爆を受けた唯一の国なのだから、その悲劇を再び起こさない、起こさせない気持ちを新たにするためにも、大切な8月15日なのである。
毎年めぐってくる、お盆と終戦記念日である8月15日という交差点に立つ。
いつまでも大切にしていきたい日である。
この日は、通り過ぎるのではなく、立ち止まってみたい。
あなたも、頭の片隅に覚えていてもらえるとうれしい。
そして、あなたの命は、未来へ伸びている。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「名古屋天狼院」
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00■天狼院書店「湘南天狼院」
〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00