4か月のライティング・ゼミを終えて今残るもの。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:安井 智世(ライティング・ゼミ5月コース)
言葉にすること。文章にすること。記事にすること。
それは私にとって、今を全うする最も必要な手段だった。
2025年4月。渋谷。
私は、渋谷の真ん中に圧巻の存在感でそびえる宮下パークの中の書店にいた。
最初の感想は「渋谷に本屋があるのか」だった。
「天狼院書店」と看板を掲げたそこでぼんやりと本を眺めていたら一人の店員さんが話しかけてきた。
「こんにちは! 今少しお話いいですか??」
あまりに快活なその挨拶とは裏腹に「本屋で話しかけられることある?」という不信感もあった。渋谷という特別な地では当たり前のことなのか? と疑問を持ちながら承諾したら次の言葉でその心配は吹き飛ばされる。
「当書店、ライティング・ゼミというもの開催しておりまして……」
ライティング・ゼミ??
私はその言葉を心の中で数回繰り返した。
私はこの時点でライティング・ゼミを受けるであろう未来が見えていた。
なぜなら、遡ること1週間前。
私は新しく始めたバイトを2日で辞め、夢に向かって頑張ることを家族に宣言していた。
「ライターになりたい!!!」
自分の経験してきたこと、これから見ていくもの、私が見ている世界……。
とにかく私という存在の証をこの世に残したかった。
小学生の時から憧れていた物書きになることを決心して、苦手なパソコンの勉強から始めていたころだった。
人より時間がかかることも、始めるのが遅い気がするのも分かっていた。
でもライターになりたかった。
そんな時に私でも参加できる人気のライティング・ゼミがあることを知った。
そんなのやらない手はないじゃないか。
帰って慌てて申し込んだ。
夢が何か進んだ気がして近づけている気がして嬉しかった。
ワクワクした。心が弾んだ。
***
それから4か月が経った。
全8回のライティング・ゼミが終わった。
そして私は今、最後の課題提出の記事を書いている。
今、私の手の中にあるもの。
「文章力」と言ったらそれまでなのだろうが、私はこの4か月で私という存在を言葉で紡ぐことを覚えた。
私の世界は言葉で溢れていた。
希望、優しさ、温かさ、煌めき、柔らかい、冷たい、嫌悪、不遇、不格好、風、夏、空、コーヒー、人、繋がり、絆、朝、窓、扇風機、氷……
すべての言葉が私にとっては宝物で、輝きだった。
自分が感じたこと、考えたこと。些細なことまで言葉にすることで私は確かにこの世界を生きていた。
夏。
22歳の夏。
特別な夏。
輝いていた。煌めいていた。
***
私はずっと自分は人と違うのだと思って生きてきた。
不器用だし、よく転ぶし、すぐ泣くし。何かが欠けているのだと思っていた。
でも繊細なだけだった。人より感受性が豊かなだけだった。
世界がカラフルに見えていた。まるで雨上がりの空にかかる虹のように誰よりも色鮮やかだった。
それを知ってから、私は私の見ている世界が好きになった。
同時に、世界から色を見出すことを諦めた人も多くいることを知った。
カラフルな世界はまぶしい。眩しいからみな、サングラスをかけてしまう。
見ないように。感じないように。
眩しさゆえに心が折れてしまった人も多く見た。
私もそうだった。カラフルだった世界は一瞬にして暗黒の世界となり、色を見出すことをやめようと何度も思った。
でも諦めたくなかった。
雨上がりの空の下くるくる回る楽しさ、太陽に向かって伸びをする道端の花の笑顔、カフェの店員さんに「ありがとうございます」といえる人の温かさ……。
そういう自分の世界を彩ってくれる繊細さを私はどうしても捨てたくなかった。
そして、ライティング・ゼミが終わった今。
私は、より私が生きている世界観の素晴らしさが分かった。
この5年間ぐらい、私は整理が出来ていなかったんだろう。
カラフルでいたい期待とカラフルに追いつけない焦りが入り混じって、でもどうしようもなく世界はカラフルなまま進んでいく。
「カラフルでもいいんだよ」って伝えたいのに自分だけこんがらがっていく。
それを毎週2000字の文章にすることで私の中の絡まりが少しずつほどけていった。
毎週記事を書く中でネタ切れすることはほとんどなかった。
毎日毎日とんでもなく気づきが溢れるから書きたいと思うことで迷うほどだった。
その中で文章にするのが怖くなってキーボードを打つ手が震えたこともあった。合格のコメントを見て泣いたこともあった。うまく文章にできなかったこともあった。悔しくて挫折しそうになったこともあった。
それでも私は書き続けた。
その先にはカラフルを心から愛せるようになった私がいた。
夢中になって追いかけている夢。
カラフルな世界を生きていくということ。
誰よりも何よりも頑張った夏。
紡がれていった私の世界。
今私の目の前に広がっているこの景色が、ライティング・ゼミを受けて得た結果なのだろう。
私はこの夏が人生の中で一番楽しい夏だった。
私は書き続けた。
その先に見えたのは、「書くこと」が私の人生そのものだという実感だった。
カラフルでいい。
そのままでいい。
書くことで私は、これからも自分を愛していく。
私のように、「自分は人と違う」と感じながらも、何かを表現したいと思っている人がきっといるはず。
あなたの中にも、世界を彩る感受性が眠っているかもしれない。
言葉にしてみて。
それはきっと、誰かの心にも届く色になるから。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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