メディアグランプリ

インフィニティリーディングで内臓までえぐられる──『人間には12の感覚がある』体験記


*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2025年6月開講】目標達成するための文章講座「ハイパフォーマンス・ライティング」〜たとえどんなに上手くとも、効果がなければ意味がない。〜

記事:前田 さやか(ハイパフォーマンスライティング 記事)

やめてくれ。

これ以上丸裸にしないでくれ。

自分の内臓をえぐられるような気分だった。

心の中で繰り返し叫びながら、私は今週も天狼院書店のインフィニティ∞リーディングを受けていた。

天狼院の読書会はただの本の紹介イベントではない。本を「AI」というレンズを通じて読み解きながら、自分の生き方や過去の経験にまで迫ってくる。気がつけば、文字通り自分の奥の奥を覗かれているような感覚になる。

課題本『人間には12の感覚がある』

今回の課題本は、ジャッキー・ヒギンス著『人間には12の感覚がある──動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー』(夏目大訳/河出書房新社)だった。

全国・通信【9/3(水)19:00~】人生を変える、究極の読書体験「インフィニティ∞リーディング/INFINITY ∞ READING」TYPE W 9月課題本『人間には12の感覚がある』

タイトルを聞いて最初に思い浮かぶのは「五感」だ。

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つ。それに平衡感覚を足して「第六感」と言われることもある。

しかし、著者ヒギンスはそれでは足りないという。

彼女が提示するのは12の感覚
それは私たちが当たり前に持ちながらも気づいていない能力であり、動物たちの驚くべき世界と結びついている。

  • エコーロケーション(コウモリやイルカの世界を人間も潜在的に持つ)
  • 磁気感覚(渡り鳥が地球の磁場を感じ取る)
  • 温度感覚(サーモセンサーのように働く体の仕組み)
  • 体内時計や平衡感覚(時間や位置を測る能力)

本書は、こうした感覚を人間がどのように持ち合わせ、どうすればもっと研ぎ澄ませることができるかを解き明かす。

著者ジャッキー・ヒギンスとは

著者のジャッキー・ヒギンス(Jackie Higgins)は、オックスフォード大学で動物学を学び、BBCなどで科学ドキュメンタリーを制作してきた人物だ。
リチャード・ドーキンスの愛弟子でもあり、科学を一般の読者にわかりやすく伝える力に長けている。

『人間には12の感覚がある』は、英国で出版されるや否や大きな話題となり、科学者や批評家から「人間の感覚に対する見方を根本から覆す本」として絶賛された。
リチャード・ドーキンス自身も「驚きと喜びに満ちた本」と太鼓判を押した。

日本語訳は2024年に刊行されている。

私と読書会の出会い

実は私が初めてインフィニティ∞リーディングに参加した時の課題本は、ドーキンスの古典『利己的な遺伝子』だった。
出版から長い年月が経っているにもかかわらず、内容は新鮮で刺激的だった。
「遺伝子が人間を操っている」という視点は衝撃だった。

まるでNHKスペシャル『人体』を見ているような知的興奮を覚えた。

学術書は普段なかなか手に取らない。

手にしても途中で挫折するのが関の山だ。だからこそ、この読書会を通じて難しい本に向き合えるのは貴重な体験だと思っている。

店主の爆弾トークと“田舎”の話

毎回楽しみなのが、店主の三浦さんの「爆弾トーク」だ。

今回もアシスタントとのやりとりから始まった。
「この本、読めた?」
「正直難しかったです」
「そうだよねえ。でも僕は最高に面白かった。暗闇の話とか、コウモリの話とかすごかった」

そこから話題は「田舎と都会」に飛ぶ。

「子育てしてて、池袋離れた方がいいと思ったんだよね。田舎にいると“センス・オブ・ワンダー”があるんだ。このまま都会にいたら良くないかもって」

一冊の本から引越しを考える!?
私は耳を疑った。

しかしさらに続く。
「俺さ、宮城の田舎で育ったんだよ。田んぼの中を自転車で通って、塾も行ってない。それがよかったんだよ」

店主は言う。都会にいると、色の刺激がモニターのRGBに限られてしまう。脳は刺激を求めるのに、都会では偏ってしまう。そのことを危惧していたのだ。

私の記憶が呼び起こされる

その言葉を聞き、私は自分の子供時代を思い出した。都会で育ち、小学4年から塾通い。父に公園へ連れて行ってもらった記憶はある。しかし塾通いが始まると、学校以外は家と塾の往復ばかりになった。

成人する頃には心を病み、長い治療生活を今も送っている。

休憩といえば、ゲームだった。ゲームボーイ、ファミコンの画面ばかりを見て育った。自然や動物と触れ合う“センス・オブ・ワンダー”は置き去りにしてきた。

その弱さの根っこが、今の私だ。

ようやく腑に落ちた気がした。

HSPとしての自覚

さらに読書会は「感覚」の具体例へと進んだ。
「音楽をやっていると聴覚は敏感になる。辻井伸行さんのように、目が見えない人は音の世界で感覚が極限まで発達する」

その瞬間、またしても心を射抜かれた。

私は小さい頃からピアノを習い、耳で音を拾って譜面に起こす訓練もしていた。おかげで聴覚が鍛えられたのか、今は困っている。
カフェに行くと隣の会話やB G Mの音がやたらと気になる。目の前の人との会話に集中できないのだ。

最近良く言われれるHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)かもしれない。その原因が自分の“感覚”の歴史にあると気づかされ、丸裸どころか内臓までえぐられた思いがした。

刺激されることで人は変わる?

「カメラマンをやっていると、遠くからでも女性がグラマーかどうかわかるようになる」

店主は子供には聞かせられない発言をした。

秘めフォトで多くの女性をカメラ越しで見続けた結果、視覚がインフィニティに覚醒したらしいのだ。

秘めフォトとは何なのか? 簡単に紹介しよう。

https://tenro-in.com/event/197247/

天狼院書店には「秘めフォト」という人気講座がある。
プロのカメラマンである店主・三浦さんが、参加者を撮影しながら「魅力を引き出す視点」を教えてくれる体験型のフォトワークショップである。

実は単なる記念撮影ではない。

「どんな感覚で相手を見れば魅力を見つけられるか」という感覚そのものを三浦店主は日々追求している。
参加者からは驚きの言葉が多数聞かれる。

「普段気づかない自分の表情を発見できた」

「写真を通じて自己認識が変わった」

自分探しの入り口として人気を集めている。

インフィニティ∞リーディングでの「視覚の覚醒」の話も、店主がカメラのレンズを覗き続け、女性を撮り続けた結果起きたようだ。

どんな感覚も、刺激し続ければ必ず磨かれる。
しかも年齢に関係ない。

私も今からでも12の感覚を刺激し、センス・オブ・ワンダーに満ちた日々を過ごせるのではないか。

本の持つ力と読書会の恐怖

本来なら「難しいから読めない」で終わってしまう学術書。
それをAIの力を借り、読書会という場で咀嚼することで、自分の人生や感覚の歴史にまでつながっていく。

正直、怖い。
だが、この怖さの奥に「気づき」と「解放」がある。

まとめ:怖いけど、ありがたい

天狼院のインフィニティ∞リーディングは、本を通して世界を知るだけでなく、自分の深層をあぶり出す体験だった。

「怖いけれど、だからこそ自分の感覚や弱さに気づけた。次はどんな“えぐられ体験”が待っているのか、少し楽しみでもある」

あなたも一度、天狼院のインフィニティ∞リーディングや秘めフォトで新しい自分に出会ってみてはどうだろうか。

新しい自分に出会えると、人生が変わるはずだ。

***

この記事は、天狼院書店の目標達成するための文章講座「ハイパフォーマンス・ライティング」を受講した方が書いたものです。「ハイパフォーマンス・ライティング」では、執筆いただいた記事をフィードバックしてもらえます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店/天狼院書店の公式noteのマガジン「READING LIFE/天狼院読書クラブマガジン」にアップされます。

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2025-09-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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