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毒蛇のような美人にはご注意を!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:毒蛇に噛まれた男(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「元カレに似ているんだよね!」
私は友人と二人で行った、ある相席屋で出会った北川景子似の美人からそう伝えられた。話を聞いてみると、その美人の元カレと私の出身地が同じで、顔も似ているとのことであった。
さらに聞いてみると、その美人は、「その元カレとは4年も付き合ったんだけどお金の問題で別れてしまったんだ」と少し悲しそうな表情を見せた。
少し引きずっているようにも見えて、私は「これは運命なのか?」そう思わざるを得なかった。
その後、お酒のお陰もあり、話も弾んで盛り上がり、2次会にはカラオケに行って、大盛況のうちにその日は終わった。
この時、私は、その美人が毒蛇の牙を持っているとは知る由もなかった。
 
次に会う約束を取り付けるべく、前回と同じメンバーの男女2人ずつで飲みに行く予定を立てた。
その美人は、「恵比寿に行ってみたいイタリアンレストランがあるんだよね」と行きたいところを提案してくれた。調べてみると、予算は一人1万円ほどと、やや値段が張るレストランであった。
もちろん、男として、そこでケチって別の安いお店を提案するわけにもいかず、奮発することを覚悟に予約した。
そして、待ちに待った当日、4人で集まり、お洒落なイタリアンレストランで美味しい食事を堪能しながら大いに盛り上がった。
 
楽しい時間はあっという間に過ぎ、お会計。
想定通り4万円弱であった。その美人はすかさず、「2次会行こうよ! 次は私たちが払うね」と、すごく自然な流れで、私たち男性2人が支払うこととなった。奢られ慣れているのか、奢らせ上手なのか、「さすが」としか言えない空気の作り方である。
私は、「2次会に行けるならそれでいいか」と、少し酔っぱらっていたため、気持ちよくお会計を済ませた。そして、2次会は恵比寿駅近くの居酒屋に行くことにした。
その美人は、席に着くと早々に、私に「もっと飲もうよ! 酔っぱらったとこが見てみたいな」と、飲まない理由がない状況であった。
「徐々に毒蛇の牙が近づいてきている」後から考えるとそんな状況だろうか……。
そして、みんなで日本酒やウイスキーなど、徐々にアルコールの強いお酒をオーダーしていった。
もう、私もかなり酔っぱらっており、隙だらけの状態であった。そんなときに、その美人は私に対して、顔がぶつかるかと思うくらい近い距離で「もっとグイグイ来てほしいな」「みんなで遊ぶのと二人で遊ぶのはどっちがいいの?」私はこのとき、既に美人という名の毒蛇に急所を噛まれており、毒されていた。
そう、恋に落ちてしまっていたのだ。その後も、毒蛇は手を緩めることなく、激しいボディタッチは、私と腕を組んで服の匂いを嗅いで「いい匂い」など、私は毒蛇に噛まれたい放題であった。私はその美人に積極的にアプローチすることを決意し、3次会に誘った。しかし、「また今度ね」ということであっさりと、その日は終電で解散になった。
 
男は美人に弱い……蛇に噛まれて毒が回るのは一瞬だった。
 
翌日、二人で会う約束を取り付けるべく、早速、その日にラインで連絡した。そして日程が決まり、当日は朝からとてもワクワクしていた。
しかし、当日に都合が悪くなったということで急にキャンセルの連絡がきた。もちろん、1回で諦めず、再度、約束の日は決まったが、前回と同じように当日に都合が悪くなったと連絡がきたそれはもう、大きく凹んだ。
 
しかし、毒は日に日に強くなっていっていた……。
 
そのまま、二人で会うことは無いまま、2週間が経過し、仕事終わりの平日の夜に4人で集まることになった。当日、その美人は、会った時は何事も無かったかのように、あっけらかんとしていた。しかし、猛毒が回っている私は、「変な気を遣わないように配慮してくれているのだろう」と、勝手に都合のいい解釈をしていた。
その日は、遅い時間にスタートしたということもあり、大きく盛り上がることは無く、解散となった。お会計を済ませた後、その美人は、「いくら払えばいい?」と聞いてきたので、私は2千円だけもらうことにした。
今考えれば、これが、地雷であった。
そう、その美人は、お会計をすることはそもそも論外であったようだ。
そして、私に毒だけを残して、毒蛇は姿を消した。毒の抜き方も教えてくれることも無く……。
 
猛毒が回っている私は、藁にもすがる思いで、いつも一緒にいた、その美人の友人に私の正直な気持ちを伝えて、どうすればいいか話を聞いてみた。
するとその友人は、「実は、私たちは、高級で美味しい食事が出来るお店に連れていってくれて、お金を払ってくれて、恋人っぽいことが出来る相手が欲しかったんだ」と正直に教えてくれた。
そのため、お会計で私がお金を請求してしまったこと。これが原因であったようだ。
さらに、「今までも同じような相談は多々あった」と。
そう、私と同じように毒蛇の猛毒に侵され、また会いたい一心で、その付き人なる友人に連絡がきたようだ。
 
毒蛇の猛毒……それに気付いたお陰で私の中の解毒は大事には至らず、解毒が進んだ。毒を抜くためには、まず、毒に気付くこと、これが今回の教訓であった。
 
毒蛇のような美人……恐らく、見抜ける男性はほとんどいないであろう。
しかし、私は今回の件で懲りることも無く、新たな狩りに出かける準備を整えている。

 
 
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2018-06-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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