メディアグランプリ

絶望から始まるライティング・ゼミ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:牧 美帆(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
あ、終わった。
 
承認を受け、【2018年6月開講】天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》【受講生専用公式グループ】のFacebookページを開いた瞬間、私が感じたのは、一言でいうと絶望だった。 
 
絶望という言葉は、あまり軽々しく使うべきものではないのかもしれない。
しかし、「語彙力がなくても大丈夫」という謳い文句を信じて受講を決めた私には、その言葉しか浮かばなかった。
 
 *
 
小学校2年生のとき、私は作文コンクールで賞を取った。
懇談があった日、母は私にこう告げた。
 
「先生が、この子は文才がある、将来、大物になるかもしれませんねって褒めてたよ」
 
その担任の言葉は30年間、私を励まし、苦しめてきた。
 
中学に入った頃から、小説を書いては家のワープロからガーガーと印刷し、「中学生でデビュー」「高校生でデビュー」に憧れて少女小説の賞に応募したりもしたが、箸にも棒にもかからなかった。
 
平行して邦楽ロックにはまり、インタビュー記事を読むために、「WHAT’s IN?」「PATi・PATi」「B-PASS」「GB」といった雑誌を買い漁っていた。
雑誌をめくりながら、音楽ライターになっていろいろなロックミュージシャンにインタビューできたら素敵だな、とぼんやり考えたものの、どうすれば音楽ライターになれるのか、見当もつかなかった。
 
そのまま短大に進学するも、学生生活もそこそこに、即、就職活動に突入。
2001年、まだまだ就職氷河期。ライターとか以前に、まず正社員になれるかどうかすら怪しい。仕事を選り好みする余裕は全くなかった。
お祈りメール(という言葉は当時はまだ無かったと思う)で心をガリガリと擦り減らした私は、文章を仕事にしたいという気持ちに蓋をし、全く別の仕事に就いた。
その後、経験を重ね、安定した大手企業のグループ会社に正社員として転職。このレールに沿って生きていこうと、心に決めた。
 
もし、今が「昭和」だったなら、そのまま「そこそこ幸せに」生きていけたかもしれない。
 
貝のように固く閉じた、私の心の蓋をこじ開けたのは、インターネットの台頭、そしてSNSの熱狂。
誰もが文章を全世界に発信できるようになり、そこから次々と魅力的なスターが生まれた。
 
やっぱり私も文章を書きたい! という欲を抑えられなくなり、昨年、ベンチャー企業に転職。自社メディアの担当になった。
ミュージシャンではないが、ロックな生き様や価値観を持つ、経営者や会社員にインタビューし、記事化できるという、幸せな仕事だ。
 
しかし、なかなか自分でも、その人が持つロックの魂を引き出せていない、文章にできていないという歯がゆさを、日々感じていた。
 
そんなある日、Facebookを眺めていて目に止まったのが、仕事でつながったライターの方が「いいね」をしていたことで表示された、天狼院書店のライティング・ゼミの広告だった。
そのままサイトにジャンプし、メディア・グランプリに掲載されている記事を1位から順に読んでいく。
面白い。私も書きたい。でもこんなにうまく書ける自信がない。
もし全くサイトに掲載されなかったら、最終評価がCだったら、今度こそ立ち直れないのではないか。
 
尻込みした私が選んだのは、まず2018年3月開講の「取材ライティング・ゼミ」に参加するという選択だった。
仕事に直結しているこちらを先に受講して、課題も毎回提出し、「やっぱりライティング・ゼミも受けたい」となったら、申し込もうと考えた。
こうして3月開講の第1回取材ライティング・ゼミに申し込み、3ヶ月間に渡り刺激を受けた私は、「やはり基礎的なライティング能力を身に着けたい」と感じ、6月開講のライティング・ゼミの門を叩いた。
 
 *
 
そして、冒頭に感じた絶望感。
私を落ち込ませたのは、100人を軽く超えるメンバーの数である。(6月17日時点で156名。)
述べ3,000人が受講、という知識があったたが、正直なところ体感できていなかった。
しかし、目の前の156という数字と、並んだアイコンは、リアルに自分に迫ってくる。
しかも、この講座はかなりの頻度で開催されている。毎回この人数が集まるのだろうか。
10代の頃、休み時間に机に向かって、教科書で隠して早弁、ではなく文章をガリガリ書くような「変わり者」は自分だけではなかったのか?
 
ただ、絶望した一方で、少しだけ安心もした。
これだけたくさんの人がいるのだから、「落ちて当たり前」なんだと。
決してそれを理由に逃げたいわけではないが、少しだけ気が楽になったのも事実だ。
 
私がこのゼミに入って最初に感じたのは、絶望感。
4ヶ月後、この気持ちはどう変わっているだろうか。
絶望のままか、失望、諦めか。
30年前の「文才がある、大物になる」と言ってくれた先生の言葉からの、解放、安堵か。願わくは「希望」であってほしいし、そうなるように4ヶ月間しっかりと学んでいきたい。

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2018-06-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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