人生を変える秘訣は、中指、薬指、小指にある。
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記事:ガイスー(ライティング・ゼミ平日コース)
「お前、人生変えたいんか?」
男3人兄弟の長男から不意に言われ、ドキッとした。手元の雑誌から顔も上げずに答えた。
「い、いや、別にそういうわけじゃないけど」
図星だった。
読んでいたのは「人生を変える特別講義!」との見出しに期待して購入した雑誌だったのだ。
人生を変えたい。
誰しも生きて入れば、一度や二度考えたことがあるだろう。隣の芝生は青く見えるとよく言うが、他人の人生が、時に羨ましく、輝いて見え、自分の人生を無意識の中で比較してしまう。そして生まれる劣等感と、変えたいという想い。
人生を変えたい。
過去に何度思ったことか。
私は人生を変えたかった。
現状にどこか満足できなかった。
でもどこかわからなかった。何を変えたらいいのかもわからなかった。
やりたいことも見つからず、強い動機もなく医学部を受験したが受かるはずもなく、流されるまま薬学部に進んだ。人体には興味があったので大学での勉強や国家試験はそれほど苦にはならなかった。
そして、流されるままに薬剤師として普通に就職した。
それでも現状にどこか満足できなかった。
人生を変えたい。
何度も何度も何度もそう思っては雑誌を買い、本を買っていた。
しかし、変わらなかった。
変わった気がしなかった。
英語が出来て、MBAも持ってて、年収2,000万なんて軽く超えていて、世界を相手にバリバリ仕事をする、本の中の人にどこか憧れを持っていたのかもしれない。
医者になり、世界で必要とされるオペ技術を身につける姿を想像したのかもしれない。
そんな、かっこいいヒーローのような、今の自分とは全くかけ離れた他人の人生が羨ましかった。
現状に満足できなかった私が答えを求めたのは、職場の外だった。自分の人生を変えてくれる何かを求めていた。
コーチング、書道、ビジネススキル、読書会や読書術など、心惹かれるものには時間と予算が許す限り参加した。
しかし、私の人生を劇的に変化させてくれるものは見つからなかった。
「〇〇に出会ってから人生が変わりました!」お客様の声として良く見るコメント。自分もそんなコメントしたかったが
そんな出会いはついになかった。
しかし、ある日、開眼させられた。
それは私自身を変えた。
講師が言う。
「あの人のせいだ、と言って指をさしてごらんなさい。その手の意味がわかるかな?」
え?
「指はどこを指している?」
あの人、ですけど?
「じゃぁ、他の指はそれぞれどこを指しているのかな?」
他の指って、親指、中指、薬指、小指だよね? どこって、え、まさか自分??
「そう、人差し指は相手を、親指は自分でも相手でもない第三者を、他の指は全部自分を指している。その比は1:1:3だ。つまり、あいつのせいだと人を非難した時、同時に自分にも非がある。しかも相手の3倍だ。そして、君が自分の意思で変えることができるのは自分だけだ。これを忘れてはいけない」
私はショックを受けた。
今まで、現況が自分のせいで起きているなんてそんなに意識していなかった。自分ではない何かに原因を求めていた。人、才能、環境、機会。憧れる人たちにはみんなそれらがあったんだろうな。自分にもあればよかったのに。そんな風に感じていた。
しかしそれは間違っていたのだと気付いた。
とはいえ、疑り深い私は、何事も自分のせいだと、まずは試しに考えてみるようにした。
妻が機嫌悪い。何かしたかな? どうすれば直るかな?
同僚がミスをした。何かやってあげれていたらよかったのかな? どうフォローすればよかったかな? どうすれば防げたかな?
不都合な目の前の出来事を、不思議と前向きに捉え、どうすればいいのか考えている自分がいた。
今、自分に起きていることが自分のせいだとわかってから、人のせいにしなくなってから、人生が楽しくなっている。どんなことが起きても自分の責任だと感じ、前向きに取り組めるからだと思う。人のせいにしていた時は、どこか受け身で生きていた感覚があった。生かされていた。しかし今は能動的に生きている。自分の足でしっかり歩んでいる。そんな感覚がある。
あれ以来私の人生が変わったのかは正直なところわからない。
変わったのかもしれないし、変わっていないのかもしれない。
今後大きく変わり、ヒーローのような人生になるのかもわからない。
しかし、今は、人生を変えたいとは思わない。人の人生を羨ましく感じてはいない。
中指、薬指、小指。
この指の意味を知った時から、私の人生は少しずつ変わり始めたのかもしれない。
この日の気づきが、のちに「人生を変えました」と言えるようになるのか楽しみである。
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