たった一つの数式が教えてくれた、たくさんの生きるためのヒント
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:小川泰央(ライティング・ゼミ平日コース)
「あれ?」
「おかしいな。そんなはずは……」
ある日、いつものように朝スーツを着ようとしたら、いつもと違う。
ズボンのウエストが閉まらなくなっていたのだ。
久しぶりに体重を図ってみると、なんと5kgオーバー!
50歳を前に、急激に太ってきたのだ。いわゆる中年太りの波が今さらやってきた。
いつからこんなことになってしまったのだろうか?
振り返ってみると、ここ数ヶ月は残業の連続で夕食も深夜だったことを思い出した。それに一日中デスクワークによる運動不足も重なっているのだから太るのは必然だった。
しかし、私にはライフワークとしてやりたいことがある。ここで体を壊すわけにはいかない。何としてでももとの体重に戻したいのだ。
こうして、一念発起してダイエットに取り組むことにした。
とは言え、今までダイエットらしいことをしたことはない。強いて言えば、「飲み会の連続だったので、しばらく食べる量を控えよう」といった程度のものだった。
そこで、ダイエット本を読んだり、フィットネスクラブ無料体験に行ったりしてみた。当然のことながら行きついた結論は、結局、「食べる量を減らすか、運動する量を増やすか、」しかないのだ。
以前、食べる量を減らした時は、何だか人生の楽しみが一つ減ってしまったような気持ちになっただけに、今回は、日ごろの運動不足の解消もかねて、「運動量を増やす」作戦をとることにした。
具体的には、ジョギングを選んだ。お金もかからないし、いつでもどこでも手軽にできるのがありがたい。これまで、まともにジョギングをしたことがなかったので、まずは、公園1周約300mを毎日歩くことから始めた。
1か月後には1日1kmのペースでジョギングができるようになった。そして、半年後には、1日3kmペース、10か月後には1日5kmペースで走ることができるようになっていた。その結果、1年後には、10kgのダイエットに成功し、スーツのズボンを元通りはくことができるようになったのはもちろん、中年太りに待ったをかけることができたのだ。
しかし考えてみると、この1年間はただ単に走っているだけではなかった。いろいろなことを考えたり、感じたりして過ごしてきた。
例えば、「食べること」一つとっても、量だけでなく、栄養バランスや食事を摂る時間帯、食べる順番などを考えた。さらに、それだけでなく、深夜に食事をしなければいけないというこの働き方そのものについても果たしてこのままでいいのだろうか、と。
また、「運動する」ということについても、ジョギングだけでなく、筋トレや水泳にもチャレンジしてみた。また、朝の公園をジョギングしている中で、まだやわらかい朝日を全身に浴びた心地よさやまだ誰もいない公園のフレッシュな空気を胸いっぱいに吸った時の爽快感など、日ごろ気づかなかった身近な自然の素晴らしさ肌で感じることができた。もっと言えば、自分の終の棲家をどのような住環境で過ごすのが理想的なのかということまで考えたりしたのだった。
これは、家計管理と同じようなものかも知れない。
家計管理のポイントは、収入に見合う支出に収まっているかどうかだ。当然、収入を上回る支出は家計が火の車になり、立ち行かなくなる。長期的に黒字を継続していくことが必要だ。そのためには、安定的に、収入を増やすか、支出を減らすしかない。まさにダイエットと同じ考え方だ。
そして、「収入」一つとっても、「今の職場で働き続けるのか」「転職するのか」「共働きするのか」などの働き方を考えることになる。あるいは、資産の運用などによる、新たな収入源を模索するかもしれない。
また、「支出」に着目すれば、何に対して優先的にお金を使うのかという、お金の使い道に対してあらためて考えるきっかけになることだろう。もしかして、一時的には支出が膨らむが、将来の収入のための投資を決断したりするかもしれない。
いずれにせよ、ダイエットも家計管理も成功させるためには「入-出」のバランスが重要なのだ。そして、そのバランスを考える時には、同時に、「入」に対する、あるいは「出」に対する、その人々の考えや思いが反映されるのだ。
「入-出」と書いてしまえば、たった一つの簡単な数式ではあるが、その数式をあてはめて物事を考える時、そこには、一人一人が人生を生きていくためのたくさんのヒントが隠されているのではないだろうか。今回のダイエット作戦を通じて私は確信している。
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