メディアグランプリ

オススメのアイスを食べたら、また一つ先入観を捨てることができました


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:松尾英理子(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「書くにはエネルギーが必要ですからね。適度に糖分取りながら書いたほうがいいですよ。そうそう、アイスなんかもいいですよね。あ、そうだ。最近、ハーゲンダッツよりも美味しいアイス見つけちゃったんですよね」
 
この日受けたスピードライティングの講義の休憩時間中だった。講師の三浦店主はそう言って、冷凍庫に白い物体をたくさん詰め込んだ写真を見せてくれた。銘柄までは見えなかったのだが、恐らくそれは、セブンーイレブンの「金のワッフルコーン」だった。
 
まるで、デジャブ体験。なぜならその前日、娘が「史上最高に美味しいアイスを見つけたの! 美味しすぎてかなりヤバイ!」と興奮して私にメールしてきたアイスと全く同じだったからだ。ハーゲンダッツよりも美味しいアイス? そんなものあるわけないじゃないの。だいたい、コンビニのアイスでしょ? 娘のメールを見た時はそう思ってなめていた。
 
でも三浦さんは写真を見せた後、こんなことを言っていた。
「僕が買い占めて、スタッフも美味しいって話を聞いて買いまくってるみたいで、池袋のコンビニから、このアイスがなくなっているらしいですよ」
 
まるで、都市伝説みたいな話だ。それに、天狼院は別にセブンーイレブンの回し者ではないはずだから、妙に説得力がある。それなら、食べてみようかな。いや、でもなあ……。まあ、見るだけも見てみようかな。そう思って、帰りに家の近くのセブンーイレブンに寄ってみた。
 
な、ない! 売ってない!
商品の名前が書いたプライスカードはあるけど、商品がない。
やっぱり、人気なんだ……。
 
気になって仕方なくて、次の日、会社の近くのお店をチェックしたが、またもや欠品。池袋じゃないのに、欠品してるなんて。三浦さんの言うこと、ホントかもしれないと思い、帰り道、昨日寄った近所のお店にもう一度寄ってみた。そして、やっと発見! しかも、最後の1個。そしてビックリの値段。コンビニアイスが300円? と思いつつも、宝を探し当てたような気分になって早速食べてみた。
 
一口舐めてみると、いわゆる冷凍庫で売っているアイスクリームではあり得ない、なめらかさとやわらかさ。まるで牧場で飲む絞りたての牛乳のような優しい甘味が舌にじんわりしみこんでいく。口溶けがあまりにいいので、気がつくとふんわりとした甘みだけが口に残り、後を引く。そして、アイスが少なくなり、コーンの部分が口の中のウエイトを多く占めるようになってくる。普通はこのコーン部分が美味しくないことが多く、最後残しちゃったりして不完全燃焼で終わるのだが、このアイスのコーンの部分、これがまたとってもサクッとしていて最後まで幸福感たっぷりのアイスクリームだった。
 
と、こんな風に完璧なグルメレポートをつづることができるくらい美味しかった。ああ、食べてよかった。三浦さん、勧めてくれてありがとう。美味しい糖分入れちゃったから、寝るまでに少し文章、書いてみちゃおうと思います! そんな前向きな気分にもなれた。
 
娘に勧められただけでは、絶対買おうと思わなかった、このアイスクリーム。きっとそれは、私の頭から、どかしようのない先入観のせいだった。
 
1つめの先入観は、「コンビニのアイスクリームが感動的に美味しいなんてはずはない」という思い込み。コンビニで淹れたてのコーヒーが100円台で飲めるようになったときには感動したけど、このアイスクリームは最初から冷凍庫に入っているものだし、作りたてとかできたてではない。それに、このアイス、300円もする。
 
もう1つの先入観、それは、今年が猛暑なこと。この暑さじゃ、普通はアイス、特にクリーム系のアイスは食べたいと思えないはず。それは、私の身体がそう思うのではなく、私が持ってる先入観。私が仕事で長年関わっている飲料やビールの業界は、気温が1度上がる毎に売上が大きく変動する。これと似たような傾向を示すのがアイス業界だ。
 
ただ、クリーム感の強いアイスクリームは別で、今年のような猛暑だと売れない、と言うのが定説だ。アイスクリームは気温が22~23度を超えると売れるようになる。ところが30度を超えると逆に氷菓やかき氷が売れるようになってしまい、確実に売上が鈍る傾向がある。
 
この先入観が頭の中にしっかりインプットされているので、こんな猛暑じゃ、アイスクリームなんて食べる気持ちになれない、そう思い込んでいた。でも、三浦さんの休憩中の1枚の写真と一言のおかげで、「猛暑にアイスクリームを食べる」という新たなチャレンジができた。そんなことでチャレンジ? って思うかもしれないけど、でも、こびりついた私の先入観を変えるのは大変なんだ。
 
こんなこと一つとっても、天狼院は私にとって、今までの人生でたくさん蓄えてきた先入観を見直したり、変えてくれるきっかけをくれる場所。講義だけじゃなくて、店主やスタッフの発する言葉や文章にも、ヒントや気付きがたくさんちりばめられていたりする。天狼院を知ってからまだ10ヶ月も経っていないけれど、これが天狼院にハマってしまっている一番の理由なのかもしれない。
 
 
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2018-08-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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