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私が文書を書くのは、BARで学費を払ったから


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:丸尾 知実(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
飲み代は学費である。
 
この言葉を聞いてしっくりする人は、すでに飲兵衛で、お酒の本当の飲み方を知っている人でしょう。お酒を好きでも、居酒屋に仲間内の人が集まって飲むお酒が好きな人はピンとこないかもしれません。
 
30箇所以上のBARに顔を出して、飲んできたからこそ、若造でもわかったことあります。
 
「BARでの飲み代は学費だ」ってことです。
BARはアルコールが欲しくて行く場所ではなく、勉強に行く場所です。
 
BARで飲んていると、たまに年配の男性とともに、若い男性が連れられて来ている姿を見ます。
お酒を飲むことで、口が軽くなり、日頃聞けない話が聞けたり、忌憚の無いアドバイスが聞けたり、社内ではできない内容を話せる機会になります。
 
身近な大人である上司や先輩の行きつけのお店に連れて行ってもらうことで、お酒を知ることもできます。飲む場所や飲み方を勉強して、大人になって行くのです。
 
私も新人の時に上司に飲みに連れて行ってもらいました。そこでできたお酒コミュニティーは今も大切な仲間です。だからそんなコミュニケーション場所としてのお酒の場所も好きです。
 
ただ、東京にある老舗BARのバーテンさんは、このような飲み方だとBARはもったいないといいます。
 
「BARは一人飲みをしてなんぼ!」だそうです。
 
一人飲みと、上司などの連れがいる場合の飲み方は何が違うかというと、誰と話をしているかという点です。
一人でBARに飲みに行くと、タイミングを見てバーテンさんと話をすることが多くあります。
その話の延長線上で、盛り上がっていたら、隣の人とも一緒に話を始めることもあります。
バーテンさんがさりげなく、人と人をつなげてくれるので、ありがたく隣の人との会話も楽しむことができます。
BARは見知らぬ人が集まる場所です。
見ず知らずの隣に座った人との会話は、今まで見たことのない世界を知るきっかけになります。
Aだから、飲み代は勉強料なのです。
 
ベテランバーテンダーさんからは、その人が勉強してきた話や経験してきた時代の話を聞くことが楽しいです。
 
特に、50年を超えてバーテンをしてるというベテランバーテンダーさんからは、戦後にあったウィスキーブームのことや、街の変遷、長年の経験から得た処世術を聞くことができます。
 
平成の世に生まれた私にとっては近代日本の歴史でも、彼らにとっては、生きてきた経験なのです。NHKのドラマでマッサンはブームになりましたが、それに近いものを彼らはリアルに見ています。
バーテンダーさんは仕事中ずっとお客さんのことをよく見ていますから、仕事柄、色々な人のことを覚えています。
実際に出会ったというサントリー創業者である鳥井信治郎の話や佐治敬三の話は、生々しく、時代背景と一緒に語られる事実は、活字にはない面白さがあります。
平成の世に生まれた私には、感じることができない熱を教えてもらいます。
 
ベテランバーテンダーさんで、その道を極めた人が語る、お酒のお話は他にはない臨場感があって、ついついリクエストしてしまいます。
バーボンウィスキーの歴史なら、バーボンウィスキーを片手に、その話を聞くと、より楽しむことができます。イギリス人がアメリカに渡る大航海時代や、独立戦争、禁酒法など、お酒を語ると自然と歴史の話がでてきます。歴史が嫌いだった私でも、バーで語られるお酒を中心に見た歴史は楽しくて仕方がありません。
中学生や高校生であった頃は、歴史上の人物や年号の暗記が嫌いで、歴史という教科が嫌いで仕方がありませんでした。
それでも、当時のアメリカ人はこのウィスキーを持って、戦争に向かったのかとか、お酒片手に想いをはせると、不思議な感覚になり、楽しく歴史を学ぶことができます。
 
 
先日、隣に大学生の男性が座りました。
私は、いつものようにベテランバーテンダーさんに歴史の話をリクエストしたので、一緒に話を聞くことになりました。
その大学生の男性は、エピソードを1つ聴くごとに、とても興奮気味にリアクションをしています。最後には「大学の授業寄り面白い、為になる」と感激していました。
帰り際には大学の授業もこんな話であったらいいのにと、呟いた言葉が印象的でした。
 
BARで過ごした時間を振り返った時、BARで聞く話は人生を楽しむための授業であると感じました。だから、BARに行くお金は学費だなと思ったのです。
 
よくBARはお金が高いと言われます。
居酒屋で格安99円と言って出されるハイボールが、1000円を超えることも珍しくありません。
BARでお酒が高いのは、お酒の値段に、そのバーテンさんの長年培って得たバーテンとしての技術料が加わり、さらに人生を楽しくするコツを勉強するためのお金が入っています。
さらに高いお酒には、お酒の作り手のこだわりと、お酒への愛、年月を計算して作られた奇跡の味というレア度も加わります。
 
1杯1000円を超える飲み物は決して安いとは思いません。
けれど、それがBARでの1杯であるのならば、飲み物というだけでなく、経験を得るためのお金であるので、決して高い値段ではないと思っています。
 
私はBARに行き始めた少し後に、ブログを書き始めました。
それは、こんなに素晴らしい経験をさせてもらっているのに、独り占めをしているのが、申し訳なくなったからです。
 
色々な人に経験してもらいたいと思っても、BARに一人で行くのはハードルが高いと聞きます。
せめて、私が飲んだ中で、知ることができた貴重な経験は、みなさんに文字を通してでもいいので、知ってもらいたい。
これが私が文章をうまく書けるようになりたいと思ったきっかけです。

 
 
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2018-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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