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「私は転職が多い」そう胸を張って言いたい。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:原三由紀(ライティング・ゼミ平日コース)

私は転職回数が多い。

おそらく、ここまでのキャリアで9回の転職。
履歴書に書こうとすると職歴欄にはおさまらず、ちょっと端折って書かざるを得ないくらいだ。

世間では転職が多いことはネガティブに評価されがち。
一般的には、よくないこと、と思われていることじゃないだろうか。
私自身は自分の職歴を恥じているところはないけれど、世間のそういう声は聞こえてくるので、なんとなく「すみません。職歴多くて」という肩身の狭い気持ちになることもなくはない。

でも私はこの職歴で損をした記憶はないし、例えば面接などでも悪く言われたことはない。ここまで生きてきて、働いてきて、この職歴に引け目を感じたこと、幸せなことにないのだ。

ちなみに職歴が多い、とは言っても、単に気まぐれでジョブホッピングしてきたわけじゃない。難関資格と言われる司法書士の受験を働きながらしていた期間があるため、派遣社員として受験の直前期には仕事を辞める、という期間限定の働き方をしていたこと。
司法書士になった後は、業界的に独立開業をする人が多いので、1つの職場に長く勤める文化が少ない環境だったことも私の転職を増やす理由になっていると思う。

とはいえ、そもそもの私の気質として、同じことを同じ場所で同じ人とずっと続けるということが苦手、というところもあるとは思う。
同じことを繰り返していると、新しい挑戦を始めたくなってうずうずしてきてしまう。
新しい挑戦がないと自分が成長していないような気がしてきてしまう。
慣れるに伴い、自分が井の中の蛙に、傲慢になる気がして怖くなる。

転職が多いくらいなので、新しい環境でスタートする、という免疫はおそらく人よりあると思うし、新しい環境への適応能力もそれによってかなり鍛えられたと思う。
でも、それでも、毎回転職のたびにそれなりに大変で苦労はするもの。

純粋に仕事や環境になれるまでの大変さはあるけれど、既存のコミュニティになじむまでの疎外感や孤独感というのは、大なり小なりどの組織にもある。

そして年齢を重ね経験を積めば積むほど、同僚や上司からの「どれどれ、あなたどれくらいできるわけ?」というちょっといじわるな(笑)、プレッシャーや圧もある。これはむしろ当然かけられるもの、と今は思っている。
だからこそそれを跳ね飛ばすマインドの強さと、そして仕事で証明する、というたくましさも求められる。

転職はどんな場合でもたいてい最初は大変なもの。
これだけ転職してきた私でも、慣れた環境で、慣れた仕事をしているほうが、圧倒的に楽だと断言できる。それでもやっぱり私はあえて大変でも新しい挑戦を選んでしまう。

いつの頃からか、私のポリシーのひとつになっていることが、
「自分を大切にしすぎない」
ということ。
そして、その考えが今の私の人生の選び方に大きな影響を与えている。

私は自分が仕事で大きな成功を手にするとか、有名になるとか、お金持ちになるとかには、正直あんまり興味がない。
プライベートの充実とか、女の幸せとかも正直そんなに望んでないのかも、なんてことも、最近感じ始めたこと。
ポジティブな意味で自分の未来や将来にさほどの夢や希望も持っていない。

ただ、「今を楽しく生きたい」という気持ちはとても強い。
人一倍強い。
私の唯一と言ってもいいほどの願望かもしれない。

仕事もプライベートも、人間関係も生活環境も、楽しくない環境には長くいることができない。「失敗するかもしれない」という恐怖よりも、「楽しくない今を続ける」ことの方が私には苦痛で耐えがたいリスクに感じる。

刹那的なタイプと自覚もしているけれど、私は今を脱出して「失敗するかもしれない=成功するかもしれない」道を選ぶほうがよほど好きなのだ。

その根本にあるのは一般庶民にすぎない私のような人間が一人失敗したところで、たいしたことない。という漠然とした思いがある。
私ごときの失敗など、人生にも世界にもたいした影響なんかない。
そもそも失敗したらもう一回やり直したらいい。
よほどの重要人物ならいざ知らず、世間は私なんかに興味はないし、恥ずかしい思いをしても人のうわさだってたかが知れてる。失敗したところで、私一人が大変な思いするだけ。
自分をそこまで大切にする必然性を正直感じないのだ。

つまらない今を我慢している人、起こるか分からない失敗を気にして行動に移せない人を見るにつけ、私は「えらい自分を大切にしてるなぁ」と感じてしまう。

人生は“自分”という素材を使って一生を通してする壮大な人体実験みたいなものだ。
こういう行動をしたら、こういうことが起こる。
その結果を分析することで私たちにはやっと真理が垣間見えてくる。
実験は、当然ながらたくさんしたほうが多くのことが分かる。
その繰り返しで私たちはたくさんのことを学んでいく。

転職を繰り返し、多くの職場と多くの職種、さまざまな人間関係のなかで働いた経験は、失敗も成功もすべてが100%今の役立っていると断言できる。

システムエンジニアをしていた過去は、今の時代働くうえではびっくりするくらいすべての知識や経験が役立つ。
司法書士をしていた経験は、契約書作成やチェックの場ではもちろん、自社の登記、クライアントさんとの法律関係の整理が必要な場面ではダイレクトに役立っている。
一般事務をしていた経験は、ビジネスの場では必ず発生する細かい作業を効率的にするのに十分すぎるほど役立っている。

派遣社員だったときに大企業にいた経験も、司法書士をして小さな個人事務所にいたときの経験も、両方の組織のリアルを知っていることは私の武器だ。
多くの経験をしてきたこと、多くの環境を知っていることは、私にとって強み以外のなにものでもない。

ちなみに、今の職場で働き始めて丸5年が経った。
私の人生においては実はここが最長。
理由は、同じ職場でありながら、毎日が違う仕事、挑戦、違う1日だから。きわめてハードで刺激的で、いまだに慣れることがない。

たくさんの転職で培った知識と経験は今のためだったんだと思えるし、ここにたどり着いたのはその転職があったからこそだと心から思っている。
だからこそ、「私は転職が多い」胸を張ってそう言いたい。

決して転職を薦めたいわけではない。
人によっては必ずしも転職である必要はない。新しいチャレンジをすること、新しい環境に飛び込むことならすべての人に大いに薦めたい。それがきっと人生の深みや面白さにつながると私は信じてやまない。

もう転職をネガティブに語る時代は終わった。
いろんな選択といろんな挑戦ができるこの時代は、きっと謳歌したもの勝ちだ。

今日も胸を張って言おうじゃないか。
「私は転職が多い」と。
***

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2018-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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