それは、好きを超えて
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【9月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:濱田 綾(ライティング・ゼミ平日コース)
それは、もう「好き」を超えている。
うまく言葉にできないほどの熱い思い。
私は、彼女から目が離せなくなってしまった。
先週の水曜日。私は、スピード・ライティングの講義を受けていた。
右も左も分からないところから始めた、ライティング・ゼミも、もう後半戦。
コンテンツに仕上げるスピードを上げたくて、思い切って追加受講した。
「こんばんは。ライティングゼミにも、来て頂いていますよね」
やわらかな笑顔で、彼女は話しかけてくれた。
意気込んで申し込みした割には、少し緊張していた私は、その笑顔にほっとした。
そのやわらかさにほぐされたのは、私だけではなかったと思う。
彼女は、次々と来られるお客さんに、きめ細やかに話しかけていた。
どんなきっかけで来られたのか。ここまでは迷わなかったか。
たわいもない会話が、相手の顔をやわらかにする。
初めての方も多かったゼミが、和やかな雰囲気で始まったのは、彼女の心遣いが大きかったのではないかと思う。
講義が始まる。さすがだ。
熱量が込められた話に、グイグイ引き寄せられる。
三浦さんの顔や正面のホワイトボードに、視線が集中する。
でも、この日は少し違った。
ある時、ふっと、あのやわらかな雰囲気をまとった彼女が目に入った。
そう、天狼院スタッフの山本さんだ。
山本さんは「あと20分」と書いてある、小さなホワイトボードを持っていた。
おそらく三浦さんに、講義のタイムスケジュールを知らせるためだろう。
周りのお客さんには見えないくらいに、小さくしゃがんで伝えていた。
その光景を見たときから、講義に集中していたのは8割、いや6割くらいだろうか。
残りは、どうしても山本さんを目が追ってしまっていた。
時間が進むにつれて、ホワイトボードの残り時間も書き変わる。
その時間を見て、講義の熱量がさらに増していく。
クライマックスへと盛り上がっていく。
その様子を見て、ふと思う。
ああ、そうか。
三浦さんの講義が、こんなにも熱量が込められていても時間がオーバーしないのは、タイムスケジュールに沿っているのは、この支えがあるからなんだ。
三浦さんが、講義に集中できるように。
より熱量のこもった講義が、みんなに届くように。
その、一瞬一瞬に集中しているようだった。
他にも山本さんは、写真をとってアップロードしたり、パソコンの画面を操作していたり。
それはもう、色々な働きをしていた。
講義の間、一度も座っている姿を見かけなかった。
そして、とても楽しそうだった。
真剣で、でも、にこやかで。
その姿から、熱い思いを感じずにはいられなかった。
このゼミを成功させたいという思いと、三浦さんへの尊敬。
自分の仕事に対する思い。
そして、師匠との信頼関係。仲間との信頼関係。
ひとつの場所を作り上げるということ。
そんな熱量が伝わってくるようだった。
それは、もう「好き」を超えている。
尊敬や喜びや誇り。何だか言葉にすると薄っぺらくなる。
そんな言葉には表せない、熱い思いと信頼関係。
今までの講義では、自分のことに精一杯で気づかなかった。
こんなにも熱い思いと信頼関係で、この場所は成り立っていたんだ。
何かを作り出すには、どれだけの思いがあるんだろう。
何かを成し遂げるには、どれだけの人の思いが重なっているんだろう。
そんなことを考えながら、つい自分に重ねてしまっていた。
私の職場は駆け出しの、まだできたばかりの組織だ。
理想や目標はある。
熱い思いは、たくさんある。
熱すぎて、夢物語みたいに笑われそうなこともある。
だけど、それは私の思いだけになっていないだろうか。
独りよがりになっていないだろうか。
自分の正しさがすべてだと、押し付けていないだろうか。
「信用」と「信頼」は違うものだと聞いたことがある。
何の保証がなくとも、その人自身を思う「信頼関係」はどうやって築かれていくんだろう。
上司との信頼関係、仲間との信頼関係はどうやって強くなっていくんだろう。
上司は何を求めているのか。
仲間は何を求めているのか。
チームとしての力は、どうやったら伸びていくんだろう。
そんな思いを抱えているときに、ふと思い出したゼミの冒頭の言葉。
「このゼミは、お客様からのご要望があって生まれたんです。天狼院書店は、お客様のニーズに応える、求められている情報を提供する。そのことに重きを置いています」
そう、三浦さんも山本さんも、そして他のスタッフの方も。
その思いの先には、必ずお客さんがいる。相手がいる。
一人一人が、その先にいる相手に向けた思いを持って働いている。
同じ方向を向いている。
どれが「自分の仕事」なんて区切ったりせずに。
ただ、その先の相手のことを思い、動くことが、仕事となっていくんだろう。
だからこそ、信頼関係が生まれ、チームとしてまとまり、あの熱を帯びた場所が作り出せるんだろう。
それは単なる、好きを超えて。尊敬を超えて。
言葉で表せる思いを超えて。
ただ、目の前の上司や仲間を思い、動く。
そしてチームの思いの先にいる、相手に向けて動く。
それが、思いをかたちにしていくんだろう。
熱い思いは、一人の力で実現するのは難しいから。
その人が、何を求めているのか。
何を望んでいるのか。
観察し、思いを巡らせる。
そして行動する。その積み重ねだ。
そんな日々が、きっといつか、揺るがない「信頼関係」へと変わっていくんだろう。
そして、揺るがない場所になっていくんだろう。
そう信じたい。
ゼミの終盤でも変わらず、やわらかな彼女の笑顔を見ながら、そう思った。
まだ、熱さが残る夜。
もらったものは、スピードライティングへの種だけではない。
やわらかな彼女とは対照的な、熱い思いの種ももらった。
ここから先、この種をどうしていけるかは、自分次第だ。
ただ熱を帯びたこの場所から、ますます目が離せなくなったのは、間違いない。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/57289
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。