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メディアグランプリ

英語学習者の不自由が、自由にかわる瞬間


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:江盛咲子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
英語というものは、日本の教育システムにかなり取り入れられてきつつあるが、まだアレルギー反応を持つ人は少なくないと思う。何事も楽しさや嬉しさと結びついた体験がそんなアレルギー反応を緩和したり、無くしたりするものだと思う。英語にまつわる私の経験談が、英語や外国語学習に対して少しでもワクワクする一例になるとよいと思う。
 
その日、私は、いつものゲストハウスでパソコン作業をしていた。仕事用の動画を編集していたのだ。時刻は夜8時。外出先から帰ってきた他の宿泊客がリビングに集い始める。
このゲストハウスは立地も良く値段もリーズナブルなので、いつも多くの外国人でにぎわっている。今まで利用してきた際も、ここで開かれるパーティーで皆とお酒を酌み交わしながら、各自が見てきたものやこれから見に行こうとするものについて、語り合うことがあった。そしてこの日も、とあるアメリカ人が声をかけてきた。「素敵なGoproだね!」「どんな仕事をしているの?」「なぜその仕事をしているの?」と、私の仕事について次々と質問をしてくれた。私は、もともとは企業勤めをしていたけれど、脱サラをして自分が好きなことに関する法人を立ち上げたこと、達成したい大きな夢があること、安定はしていないけれど「好き」が自分を後押ししてくれることなどを伝えた。これらを、英語で。彼があまりに聞き上手だったので、私もとても熱を込めてしゃべった。
 
実際のところ、私は、中学生のころから英語が好きだった。洋楽を聴くのが好きで、何を言っているか以上にただ音として好きだったのだと思う。好きこそものの上手なれという言葉通り、今では日常のコミュニケーション程度なら支障がないくらいになった。しかし、この日の経験は私にとっての英語というものを、今まで以上に大切なものへと飛躍的に昇格させることになった。
 
しばらく2人で話していたが、周りの何人かが誘い合いさらに何人かで外に飲みに行こうという流れになった。その飲み会の楽しかったこと! 皆、海外から旅行で訪れていたが、日本人の私以上に日本に詳しい子がおり、ずっと語り続ける。どんな話題が出ても、「それはね……」とうんちくを語り始める。みんなはその内容のみならず、彼のあまりの熱狂的な語り口や博識ぶりに舌を巻き、そして笑っていた。すべてが理解できたわけではない。それに、たまたま出会ったメンバーが愉快な人ばかりだったことも幸いし、この席で私にとって英語というものが、何と不思議なものだろうという気持ちがとても強くなっていっていた。
 
普段の私は、日本語でものを考え、日本語で表現をする。そして、いつも考えすぎてしまう。自分の中にストックされている情報や資料に書かれている日本語の情報をすべて拾いながら思考を巡らせてしまうのだと思う。そういう意味で、英語で考えるときは、とてもシンプルだ。不自由だともいうが、それは例えば篩のようなものだ。知っている単語に限りがあるから、こちらから伝えようと思うとき、話のみそになる部分を何とか言語化することを優先する。また、自らの想いについて語るときも、必然的にストレートな物言いになる。I love~とか、~ is importantとか。日本語だと、「こういう難しこともあるけれど……」とか「こういう側面は否定しきれないけれど……」など、言い訳がましく付け加えてしまうような内容を、英語では話さない(というより、複雑になってしまいすぎて話せない) 。しかしそれが、良いのだ。とても心地いい。
まるで、篩に残るのが大きな粒のように、よく使う言葉やシンプルな内容のみ残ってくる。自分の表現が、そして自分自身が、おおらかになれる。
 
もちろん日本語、あるいは母国語ならではの細かなニュアンスに救われることもあるだろう。微妙な気持ちの移ろいを支えてくれるのは母国語だからこそできる表現だろう。
しかし、日々考えに煮詰まっていた最近の私にとっては、物事をシンプルにしてくれたこの経験がとても大きな意味を持った。
 
細かいことすべてに目を向けられてしまう日本語を操っているときには、皮肉のようだが、情報の重要性という粒の大きさの違いを見落としてしまう。楽しいことをシンプルに楽しむということを忘れてしまいがちだ。そんなことに気づかせてくれた彼らは、旅が好きだと言っていた。旅は、自分の視野を広げてくれるのだと。まさに、一期一会の出会いの中でそんな風に思わせてくれたこの出会いこそ、大きく視野を広げてくれた。これからまた、複雑に頭をひねらすこともあるだろうが、そんなときは、この経験を思い出してシンプルに進んでいきたいと思った。また、英語学習を進める方たちにとっても、十分でない英語力だからこそ出会える気づきがあることをここに共有しておく。

 
 
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2018-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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