「速く書いた方が質の高い文章になる」というのは本当か?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【9月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:小川泰央(ライティング・ゼミ平日コース)
「速く書いた時の方がゆっくり書いた時よりも質の高い文章になる」
先日参加した、天狼院の「スピード・ライティング」という特別講義の冒頭で、店主で講師の三浦さんが放った言葉だ。
「そんなバカな?」
私の第一印象だった。
だって、私はこれまで、「時間をかければかけるほど質の高い文章が書ける」と思ってやってきたからだ。
それはまるでカレーやシチューのように、材料を鍋に入れてとろ火でコトコト三昼夜。すると、鍋の中でそれぞれの素材の味が出て、時間をかけることでお互い混じり合い、相乗効果を発揮しながらうまみに変わっていく。そんなイメージだった。
だからこそ、当然のように、「速さ」と「質」は反比例するものだと思っていた。なのに、それが逆効果だとでも言うのか?
講義冒頭から、私の今まで信じてきたことと真逆のことを言われ、衝撃を受けていた。
と同時に、そこまではっきり言われてしまうと、逆に、期待している自分もいた。
というのも、6月から4か月間の天狼院の「ライティング・ゼミ」に参加し、毎週2,000字の課題を提出しているが、それを書き終えるために、毎週土日の結構な時間を費やしている。もちろん、4か月間のゼミの間はそういうことになるであろうことは覚悟の上だった。
でも、もし本当に、課題に費やす時間が少しでも短くなるのであれば、それに越したことはない。たとえ書くスピードを速くしたとしても、「ライティング・ゼミ」の当初の目標である「2,000字を最後まで読んでもらえる文章を書く」ことができるのならば、それこそ身につけたいものだ。
講義が進むにつれて、「速さが質の向上にどうつながるのか」という理由が1つ1つ解き明かされ、その1つ1つが私の体の中にしみこんでいくような納得感があった。
数ある理由の中でもあえて1つ挙げるとすると、「加速力」の話が印象的だった。
それは、クライマックスに向け、加速をつけて一気に書き上げることによって、頭の中が「ハイ」状態となり、そこで生まれた熱量が文章にのって、それが読者の心に伝わる、というのだ。しかもその「ハイ」状態は、「速く書かないと到達できない」というから面白い。
その話を聞いて、ふと思った。
それは、まさに「ランナーズ・ハイ」状態だ。
私は、健康のために、毎週末ジョギングをしている。
朝6時頃起きて、近くの公園を7~8km程度走る朝ランだ。
マラソンの増田明美さんが以前、テレビで「走り始めの5分間がきついんです。でもその5分間を耐えれば、あとは体が軽くなりますから」と言っていた。
だから、私も最初の5分間は苦しいのは当然だと思いながら、とにかく、増田さんの言葉を励みにして、毎回その苦しい時間帯を乗り越えるようにしている。
するとどうだろう。そこからは、体が軽く感じてくるではないか。しかも、ラップタイムも上がってくる。なのに、疲れない。もしかすると、このまま、どこまでも走りつづけられそうな感覚になる。「ランナーズ・ハイ」状態だ。
だとすると、「苦しいから5分で走るのをやめてしまう」とか、「1日で走る距離を半分にして2日に分けて走る」とどうなるだろう。もちろん、全くジョギングしないよりは健康のために良いに決まっているが、「ハイ」状態に達しないうちにジョギングを終えてしまうのだから、おそらく、走る距離が延びきらず、脂肪燃焼も不完全なままで終わってしまうのではないか。何とももったいない話だ。文章を「ゆっくり書く」というのも、これと同じような話なのかもしれない。
「速く書くメリットは分かった。だとしたら、どうすれば速く書けるようになるんだ!」
いつしか、私は身を乗り出して講義を聴いていた。
そして、講義の中で次々に明かされていく様々な秘策により、「速く書くことなんて簡単に身につかないのでは?」という、私の中にあったメンタルブロックまでもが三浦さんの宣言通り、木っ端みじんにぶっ壊されてしまった。
三浦さんはこんなことも言っていた。
「ライティング・ゼミを受講すれば、ライティングの質のレベルは最初を100としたら倍の200へ上がる。さらに、スピード・ライティングも受講すると2割増の240になる」と。
今回の課題は、さっそく、「スピード・ライティング」を意識して書いてみた。
すると、いつもの半分の時間で書くことができた。
「質」うんぬんは、読者の方にご判断いただくとしても、私にとって、書く時間が半分になったことだけでも大きな成果だった。何しろ、浮いた時間を前から読みたかった本を読むことにあてることができたのだから……
そう考えてみると、「速く書く」ことによって生まれた「書かない時間」で得られたものが、「書いている時間」にも生きてくると言えそうだ。だとすると、「速く書く」ことによって、書き手の熱量や新たな気づきがのった文章になるのだから、「速く書いた方が質の高い文章になる」というのは本当なのだ。
「ライティング・ゼミ」の講義もあと残すところ2回。そしてメディアグランプリも終盤戦だ。これからは、「スピード・ライティング」の秘策を実行しながら、自分がイメージしたものの解像度を落とさずに、「ハイ」状態を味方につけて、熱量をのせて書いていきたい。
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