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ブラを変えたら長年付き合ってたアイツと別れることになった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:江口雅枝(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「もう、終わりにしたい」
 
何度そう思ったことか。
私のところに二度と来ないで欲しいと懇願しても、特にこの5〜6年はストーカーのように付きまとわれて、本当に苦しかった。つらすぎて涙が出てくることもあったし、また現れるのではないかと思うと、恐怖でしかなかった。
 
月に2〜3回の頻度でやって来ていたアイツ。徐々にその間隔が短くなり、毎週のように、それも仕事中に現れることも増え、集中できなくなり、ストレスは溜まる一方。
時には夜遅く帰宅する頃になって現れ、
「やめて! 来ないで!」
と必死に抵抗して、眠ることもできず、心身ともに疲弊していった。
 
アイツの存在さえ、なければ……
意識しないようにと思えば思うほど考えてしまい、早朝にアイツが現れたような被害妄想で目が覚めることもあった。
 
 
それほど何年も苦しめられていたのに、
もう一生付き合っていかなければならないと諦めかけていたのに、
ふとしたきかっけで
 
 
「ブラジャーを変えてみた」ら、
 
 
アイツが、いなくなったのだ!
 
私の元から、去っていった!
 
 
「えっ? ブラ変えただけで?」
 
自分が一番信じられなかった。あんなにしつこく付きまとわれて、何をやってもサヨナラできなかったアイツが。ブラを変えたらすぅ〜っといなくなるなんて! こんな日が来るなんて!
 
 
憎きアイツ
 
私を何年も苦しめたアイツの名は、
 
 
 
「頭痛」
 
 
 
そう、頭痛のプロと呼んで欲しいくらい、頭痛持ちだった私。
 
ここ数年は悪化がひどく、あまりの痛さに気持ち悪くて吐いてしまうこともあった。たいていは午後から夕方にかけて、後頭部からじわじわ痛みが押し寄せてきて、営業車を運転して外回りをしていた時に、頭痛がひどすぎて運転できず、職場の人たちに迎えにきてもらったこともあった。
夜中に家族を叩き起こして、緊急外来を受診したり、脳神経外科でMRI検査をしてもらったこともあった。
それでも、どの病院にいっても「異常なし」の診断。
 
一般的に、肩こりなど筋肉のコリが原因となって起きる「緊張性頭痛」と呼ばれる頭痛のタイプが、どうやら自分に当てはまるらしいと分かってからは、整体院でマッサージを受けたり、ストレッチをしたり、少しでも痛みがやわらぐ方法を探していた。
 
それでも突然やってくる頭痛の恐怖から、どこに行くにも頭痛薬は手放せず、精神安定剤のように持ち歩き、職場にも常備していた。
同じ頭痛薬を飲み続けると効き目が弱くなっていくので、ロキソニン、バファリン、イブクイック頭痛薬と3種類を使い分けるという、頭痛薬中毒のような状態にまでなっていた。
 
頭痛薬の飲み過ぎが、さらに痛みを悪化させることもあると知り、できるだけ薬に頼らないようにしなければと思うものの、これという改善策に出会えないまま我慢する日々だった。
 
 
 
私を苦しめるアイツ、「頭痛」に抵抗する気力もなくなりかけていた時、仕事で知り合った年上の女性から、ブラジャーのフィッティングの話しを聞いた。
 
長年、女性用下着のお店で働いているその女性は、50代とは思えないスタイルと姿勢の良さで、何度か会って話しをするうちに、お店でブラジャーのフィッィティングをしてもらうことになった。
 
正直、ブラジャーのフィッティングというのが苦手で、何年もちゃんと測ってもらったことがなかった。試着室で、白い手袋をはめた販売員さんに、
「失礼いたしまーす」
と言われて、おっぱいをよいしょっ! と寄せて上げて、胸を見られることが恥ずかしかったのだ。
 
しかし、出会ったその女性の凜とした立ち姿が美しくて、この人だったら、いいかなぁと思えて、何年ぶりかのブラジャーフィッティングをすることになった。
 
 
すると、今まで合っていると思っていたサイズが、間違っていたことが判明した。ここ数年で体重も増え、肉付きがよくなっていたため、昔フィッティングした時のサイズでは、小さかったのだ。
 
一番適したサイズの、気に入ったデザインを試着。正しいバストのおさめ方と、肩ひもの理想的な長さ、正面を向いたときの、バランス。全てをフィッティングしてもらって、試着室の鏡を見た。
 
脇にはみ出る贅肉すら「お胸」に変えるプロのフィッティングに感動しつつ、
なによりも驚いたのが
「身体が楽」であることだった。
 
自然に、すっと背筋が伸び、ゆっくりと呼吸ができる感覚。以前から、呼吸が浅いことは自覚していて、ストレスが重なると過呼吸を起こすこともあり、なんだか常に圧迫感を感じていた。
 
ブラジャーが、その原因のひとつだったのだ。もともとひどかった肩こりに加え、合わないサイズのブラジャーがさらに身体を圧迫し、血行を悪化させ、頭痛が起きやすい状態になっていたのだ。
 
 
ブラのフィッティング後、持っていた下着を一掃し、サイズの合ったブラに変えた。そうして過ごすうちに、毎週のように現れていたあの頭痛が、ほとんど起こらなくなっていった。
 
 
あんなに悩んでいた頭痛が、ブラひとつで。
 
 
女性をいつも支えてくれるブラジャーの存在が、とてつもなく大きく思えた。
 
 
たまーに、体調を崩して「アイツ」がちょっと現れることもあるけれど、普段の体メンテナンスを今まで以上に意識するようになって、悪化を防げるようにもなった。
 
 
もし、頭痛で悩んでいる女性がいたら、
 
呼吸が浅くなっているような気がしたら、
 
ブラを見直してみるのも、解決策のひとつになるかもしれない。

 
 
***

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2018-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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