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実家じゃないけど帰る場所


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:白濱優子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「皆さんは、実家に帰ることはありますか?」
私は、実家が2つあります。
 

「どういうこと?」と思う人もいるかと思います。
 

私が生まれたのは、愛知県名古屋市。
東京、大阪に続いて、日本三大都市と言われますが、
それほど都会でもなく、また田舎すぎず、暮らしやすい場所です。
そこ以外にもう一つ実家のような場所があります。
 

それは、新潟県十日町市。
名前を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか。
教科書に載るくらい冬は大雪が降る、豪雪地帯です。
 

私はそこに、2年ほど住んでいました。
 

訪れたキッカケは、離婚したことでした。
憔悴しきっていた私。
離婚だけでなく、東京で暮らすシェアハウスの退去の期日も迫っていて焦っていました。
 

そんなとき、知人から「ギルドハウス十日町」というシェアハウスの存在を教えられました。
そのシェアハウスが、夏休みだけ1ヶ月1万円食費込みで生活できるというキャンペーンをやっているのを知りました。
 

私は、「離婚して東京にいる意味もなくなったし、ちょっと長い旅行に行こう!」といった気持ちで新潟県十日町市に行くことに決めました。
 

ギルドハウス十日町は、美佐島駅という周りには木々と川しかないような駅から20分ほど歩いた場所にありました。
コンビニはもちろん、自動販売機すらありません。
 

ギルドハウスで過ごした1ヶ月はとてもとても楽しかったです。
 

名古屋が実家な私は、田舎暮らしをしたことがなくて、
十日町で過ごす何もかもが新鮮でした。
 

暑いときには、川に入り滝にうたれたり、ちょっと離れた津南という町にひまわり畑を見にいったりもしました。
長岡という場所で上がる大きな花火も見にいきました。
 

あっという間の1ヶ月でした。
 

そして、契約が終わる1ヶ月目に、「これからもここに住みたい」とオーナーに伝えました。
 

そうして私は新潟県十日町市の住民になりました。
 

私がなぜ新潟に移り住んだのか。
「どうしてだと思いますか?」
 

離婚して憔悴しきっていたところに田舎の暖かさを感じたから。
それが一番かもしれません。
 

十日町の人は本当に優しいです。
 

十日町は、大地の芸術祭という4年に一度開催される大きな芸術祭をやっています。
なので、町のいたるところに芸術作品があります。
大地の芸術祭は、日本各地から、また海外からもお客さんが来ます。
そのため、十日町の人は、県外から人がくるのに慣れています。
移住者にもとても寛容です。
 

どのくらい寛容かというと、見ず知らずの私を車に乗せてくれる人が多くいました。
最初に話した通り、ギルドハウスは駅から歩いて20分かかり、すごく坂道なのです。なので、私は度々、駅でヒッチハイクをして帰っていました。
町の人は優しくて、だいたい1台か2台目くらいで、ヒッチハイクは成功します。
同じ人に乗せてもらって、「またあんたかい(笑)」と言われたこともあります。
その暖かい人たちに魅せられて、私は十日町が大好きになりました。
 

今は東京に住んでいますが、何かあるたびに十日町に足を運んでいます。
実は、明日からも2泊3日で十日町に行きます。
 

実は最近会社を辞めてしまい、憔悴していたところでした。
そんな時、十日町に行くことを決めると、みんなが歓迎してくれました。
 

片貝花火が開催されているようで、場所取りをしておいてくれると言ってくれた友人。
実は、ギルドハウスのパーティーで1回だけしか会ったことがない人です。(笑)
本当に新潟の人はあたたかい。
 

また、同じシェアハウスに住んでいた友人は、車で一緒に観光してくれると言ってくれました。
宿泊場所も困りません。
新潟に住んでいた時に仲良くなった人たちが泊めてくれます。
 

私が十日町に行くと、「もっとゆっくりしていけば?」とみんな言ってくれます。
「私の帰る場所なんだなぁ」と思う瞬間です。
 

私は、帰る場所って大人になってから自分で作れるんだということを知りました。
 

今は、いろいろあって東京に住んでいますが、
また何か辛いことがあったら、いつでも十日町に帰ろうと思っています。
 

名古屋は住みやすいし友達もいる、大事な場所ですが
私にとって、帰る場所は第二の実家、新潟県十日町です。
 

今月は、会社を辞めたばかりなのもあって、いろいろなところにいこうと思っています。
十日町、そして名古屋に行きます。
 

「行って何をするのか?」と聞かれますが、だいたいの目的は、人に会うことです。
私は旅をする時は、誰か知り合いがいる場所に行くようにしています。
 

昨日まで、北海道の友達に会いに行っていました。
 

震災で足止めを食らって、思ったより長く北海道で過ごしましたが
そこで、たくさんの方から安否を確認する連絡がきました。
 

十日町の人からも。名古屋の人からも。東京の人からも。
どこも私のかけがえのない友人が暮らす町です。
 

私からみんなに伝えたいことは、「実家は1つじゃなくても良いよ」ということ。
実家のような場所は大人になってからも作れます。
現に、私がそうでした。
 

家族と折り合いが悪くて、実家に帰りづらい人なんかは、特に自分自身で新しい「実家」を見つけてほしいです。
 

帰る場所があることは、とても心強いから。

***

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2018-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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