メディアグランプリ

痺れる! ヒーロー戦隊タンタンメンジャー


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記事:S(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「また、やってしまった……」。軽く息を吐いて店を出る。担々麺を食べた後はいつもこうだ。膨れたお腹をさする姿は、側から見れば情けなくも映るだろう。しかし、私の顔は喜びであふれている。重い身体とは裏腹に心は軽く、やる気に満たされて、家路につくのだ。
 
担々麺は、私にとって正義の味方だ。落ち込んだ気分を上げたいとき、イライラした気持ちを落ち着かせたいとき、とにかくパワーがほしいとき……負のオーラに襲われた私を、5つの味で助けてくれる。特撮ヒーロー風に呼ぶなら「タンタンメンジャー」だ。そんなヒーロー戦隊のメンバーを紹介したい。
 
辣油レッド! 目にも刺激的な真赤なリーダー。ヒリヒリとした辛さと香ばしさで麺を包み、身体に熱を与えてくれる。調味料といえど店によって大きく違いがあり、担々麺の味を左右する力がある。日本でおなじみの汁あり担々麺を考えると、胡麻と主役の座を争うかもしれないが、発祥の地である中国・四川省の担々麺は汁なしで、辣油がメイン。本場の担々麺を特徴づける真赤な存在感は、タンタンメンジャーの不動のリーダーである。
 
山椒ブルー! シュワシュワっと口を痺れさせるサブリーダー。鼻に抜ける爽やかな香りと軽やかな刺激は、ときに辣油の辛さよりも長い時間、口の中に広がる。担々麺に使用される山椒は花椒という四川の山椒で、精神を安定される効果があるという。花椒は、他のメンバーが身体を元気にしてくれる中、心を元気にする特別な力を持っているのだ。日本人向けにアレンジされた担々麺ではあまり目立たないが、担々麺を特徴づける影の主役といっても過言ではない。
 
胡麻グリーン! 満腹中枢をあっという間に刺激する濃厚な味で、日本では辣油レッドと並ぶ人気メンバー。彼は、本場の味を日本人向けにアレンジするため、スープとなってタンタンメンジャーの仲間に加わった。そのため、日本の担々麺は、辣油がメインの汁なしのものよりも、胡麻がメインの汁ありのものが主流となっている。しかし、専門店では汁なし担々麺にもペースト状で加えられている場合があり、担々麺で欠かせない存在となっている。
 
ミートイエロー! 調味料の存在感が大きい担々麺の中で、食感に変化をもたらしてくれる具材の主役。豚のひき肉1種類が、スープや調味料の配合に合わせて姿を変え、加わっている。その姿は、シンプルな塩味のそぼろ、濃い味付けの肉味噌が多いが、ザーサイやナッツ、干しエビがミックスされて単品メニューのような存在感を発揮することも。ときに表に立って、ときに裏にまわって、タンタンメンジャーの味のバランスを整えている。
 
ベジタブルピンク! パンチの効いたタンタンメンジャーのメンバーの中で優しさを発揮する、オアシスのような存在。水菜やカイワレ、刻みネギ、チンゲン菜といった緑の野菜、白髪ネギやタマネギ、もやしといった白の野菜が多く、見た目のバランスも整えてくれる。店によってはパクチーやトマトといったトッピングが用意されて、味の変化を楽しませてくれることも。刺激やカロリーを気にしてしまうときにホッとさせてくれる、タンタンメンジャーの良心だ。
 
5つのメインメンバーの他に、タマゴやサクラエビ、ピーナッツなどが助っ人として登場することもある。そんなバラエティに富んだメンバーがいるヒーロー戦隊は、普段はラーメンの1メニューとして正体を隠している。しかし私は、彼らがヒーローと気付いて、ピンチのときに助けてもらうようになった。実は周りには、自分を助けてくれるヒーローが他にもいるのかもしれない。人生でいくつのヒーローを見つけるかで、何気ない毎日がもっと楽しく豊かになるはずだ。そんなことを思いながら、私は今日も平和な1日を過ごしている。ありがとう、ヒーロー戦隊タンタンメンジャー!

 
 
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2018-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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