人生を変える人脈の作り方
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:田村 大輔(ライティング・ゼミ平日コース)
「そんな人とどうやったら知り合えるの?」
会社の人とお酒を飲んでいると、そんな事を言われるようになった。
別に作ろうと思ったわけではないが、気が付けば少し変わった友達が増えた。
不動産屋さん、保険屋さん、カウンセラー、コンサルタント、弁護士、飲食店経営、アナウンサー、歌手、画家、作曲家、演奏家、ボディトレーナー等々。一言で語りにくい感じのお仕事の人もいる。
「これ困ってます」と相談されたら、大体の事は何とかしてくれそうな人を紹介出来そうな気がする。人に言わせれば、これは人脈というものらしい。
人からそんな風にして羨ましがられる日が来るとは思わなかった。
成功者になりたいと思っていた20代、たくさんの本を読んだ。
そこに出てくるのは人脈の話だ。ビジネスには人脈が大切だ、だから人脈を増やしておくんだ。そんな事がたくさん書いてあった。
じゃあ、その人脈はどうやったら出来るのか?
会社の仕事でたくさんの人に会い、たくさんの名刺交換をした。しかし、その先につながったものはほとんどなかった。
2000枚近くの名刺が手元にあるが、その半数は誰なのかも思い出せない。残りの半分は、どこで、何の時に出会ったかを思い出すことまでは出来る。しかし、その人がどんな顔だったのかを思い出すことは出来ない。
連絡が来ることもなければ、連絡をする事もない。あの有名な会社の人と会ったことがある、その程度の、いわば記念品程度の価値しかないといってもいいだろう。
では、異業種交流会はどうだ?
行ってみてわかった。
僕は人見知りで、話下手なのだ。
他人の気をひくような自己紹介は出来ないし、流行りものを追いかける時間がないから世間話にもついていけない。気の利いたジョークがサラッとでる感じでもない。見知った関係でも盛り上がりにくい雑談を、初めて会った相手と盛り上がれというのは僕にとってハードルの高い話だ。
自己紹介と雑談。結局、求められる能力はこれだ。
そう、異業種交流会とは、言わば同性との合コンなのだ。同性との合コン。なんとトキメキの無い響きだろうか(笑)
同性、異性問わず、「出会いの場」と呼ばれるところに参加してみたが、結局、時間とお金を浪費するだけだった。結果が出ないものを続けるモチベーションも無く、自然にそういったことからは足が遠のいていった。
今、周囲の人が人脈だと呼び始めたそれが出来始めたのは、人脈なんてどうでもいいと思い始めた頃からだ。
変えたものはたった一つ。名刺だ。
プライベートな場で会った人に会社の名刺を配るのをやめた。代わりに自分の事を書いた名刺を配り始めた。自分ではそういうつもりはなかったが、いわゆる2枚目の名刺というやつかもしれない。
僕が会社の名刺を配るのをやめた理由は三つある。
まず、一つ目は会社のメールアドレスに連絡をもらっても困るからだ。
僕の会社はセキュリティが厳しい。先日会った事のお礼のメールを会社宛てにもらったとする。返事をしたいが、セキュリティ上、上司をCCに入れなければメール送信が出来ない。上司をCCに入れての返事なんて出したくないのである。かといって、手作業でメールアドレスを書き写してプライベートのアドレスから送り直すのも同じくらい嫌だ。
二つ目は、会社の仕事の話は普通の人は話していて難しいか、面白くないということ。
そもそも機密管理上、肝心な部分の話が出来ない。だからモヤっとしたことしか言えない。そんな話は、話す側も聞く側も面白くない。結局、盛り上がらないのだ。
三つ目、会社員の名刺は自己紹介になりにくいのだ。これが僕にとっては最も重要だった。
組織の名前は自分の思いを体現するものではない。オーナー社長であれば、何でその会社をやっているのかを話すことは出来るだろう。でも、僕の名刺はそうではなかった。先端テクノロジーの象徴となる凄そうな言葉で飾ることは出来るが、伝えたい思いは空っぽだ。
では、会社員の2枚目の名刺には何を書けばよいのだろうか?
別に副業をやっているわけではないし、どこかに所属したいわけでもない。
色々考えた結果、僕は変人を名乗ることにした。
即興の自己紹介が下手ということもあり、自分の出来る事や興味のある事を書いたのだ。
電気代を安くするための節電相談のれますとか、趣味で突き詰めた格安SIMへの乗り換え方教えられますとか、本好きが皆悩む本棚問題の解決のための電子書籍の活用法教えます等々……
とにかく、その時々に自分が出来る事を色々書いた。
興味のある事には、アドラー心理学を始めとした様々な学びのキーワードを列挙した。色々やりすぎてちょっと固い感じになったので、猫派と餃子ラブである事もアピール(笑)
顔写真の代わりにSNSで使っているアイコン画像を入れ、電話番号の代わりにSNSの連絡先を書いた。
気が付けば、ちょっとした自分カタログの完成だった。
この名刺を配ると、どんな事が起こったと思うだろうか?
なんかこいつ面白そうだと思った人から、もう一度会いたいというお誘いが舞い込むようになったのだ!
悩み事の相談や、楽しいイベントへのお誘いはもちろん、セミナーの講師をやって欲しいという依頼もあった。自分なんかが?と思いながらもやってみたら、案外受けが良く好評だった。
そうして、新しい出会いの場に飛び込んでいき、またそこで名刺を配ると同じように次のお誘いがやってくる。この連鎖が4年も続いている。
普段はフルタイムで仕事をしているにも関わらず、この4年で配った名刺は1300枚を超えた。そしてそれをきっかけにFacebookの友達は年間200人程度のペースで増えている。そのほとんどは直接会い、実際に顔と名前が一致する人ばかりだ。自分の人見知りを考えれば、驚異的な増え方だ。
人見知りには、人見知りのつながり方がある。自分を上手く表現できないなら、表現してあるものを持ち歩けばいい。
人に好かれる努力をするよりも、自分を好いてくれる人にたくさん出会うやり方もあるのだと。僕は人見知りの仲間たちに知って欲しい。
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