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主夫になるには


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ゆうじパパ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「主夫になるにはどうしたらいいですか?」
だれかがそんな質問をされる状況をイメージできるだろうか?
普通に考えると、なかなかない。
 
だが、この質問を実際にされた人が身近にいた。
だから僕も、主夫になるにはどうしたらいいのか、を真剣に考えてみようと思う。
なぜならば、僕自身が主夫になりたいと思っているから。
そして、悩める主夫予備軍の人の力に少しでもなりたいと思っているから。
  

あなたは主夫と聞いて何を思い浮かべますか?
 
僕の予想では、かなりの確率でヒモ的なイメージが浮かび上がってくるのではないかと思う。
実際にネット検索でも、”主夫 ヒモ”が検索候補にすぐ出てくるくらいだし。
20年ほど前であれば、確かにそういったとらえ方が多かったのかもしれない。
あくまで、割合として。
ただ、今はかなり世の中の状況が違う。
女性の社会進出とともに、主夫の数も増えてきている。
だが、主夫の認知度は低い。働く女性の認知度よりもはるかに。
平日の日中仕事に行かずに家にいると、あの人は一体何をしているのだろうか?と奇異な目で見られてしまうかもしれないのが今の男性の宿命だ。
 
バリバリ働く男性、働きながら趣味も楽しむ男性、イクメン……
なぜ男性は外で働いていないといけないのだろうか?
稼いでこないといけないのだろうか?
 
「そういうものだから」
 
この思考停止にはとても便利で、実はなんら中身のない言葉でさっさと議論もなく片付けられてしまっているのが非常に悲しい。
外で働かないという選択をする少数の男性は悪なのだろうか?
外で働かない人、稼がない人の総称としてそのあとに続くのは、
「あの人は、家でダラダラ過ごしているだけだから」
 
たしかに、そのような人ももちろんいる。
だがそうではなく、家庭を支えるという役割を担うために外で働かない、稼がないという選択肢は存在している。
そして、そういった人たちは着実に増えてきている。
選択する自由を受け入れる環境はもっとあってもいいのではないだろうか。
 
ちなみに、今の新卒入社の男性が子供が生まれた際に育児休業をとりたいと思っているかご存知だろうか?
アンケート調査の結果を知って、現在38歳となる僕は少し驚いた。
7割ほどの男性が取得したい、との意向をもっているようだ。
意向と現実との乖離はここではさておき、これだけの割合で希望者がいるということは、主夫に対しての希望者も、確実に存在している。
そう考えた時、どうやったら主夫になれるのか、という疑問はどこにぶつけたらいいのだろうか?
あまりにもぶつける先がなさすぎる気がする。
なにせ、育児休業を取得する際に相談する先ですらなかなか現状ではないのだから。
 
僕は息子が生まれた2年前に育児休業を取得した。
だが、どうやって育児休業を取得したらいいのかという相談先を持ち得ていなかった。
だからただひたすらネットで情報を探し、自分の会社でちゃんと適応されるのか不安を目いっぱい感じながら、半ばやけくそで育児休業の申請をしたことはしっかり覚えている。
ほんと、この時の悪い意味でのドキドキ感は半端じゃなかった。
 
ただ、こんな不安定な状況にもかかわらず、僕は育児をすることに関してはほぼ何も心配していなかった。
何か得体のしれない
「僕はしっかり育児をできる」
という自信だけで息子の生後5か月~1歳までの時期を、外でフルタイムで働く妻を家で支え、家事育児をこなすことができた。
男性がそれをやった、ということで褒められることも多かったが、女性が同じ状況で家事育児をこなしていても、同じように褒められることはまずない。
 
「お母さんだから」
と、得体のしれない考えでそれを行うのが当たり前にされてしまう不公平な状況だ。
家事育児に全力で取り組む女性は皆、とてつもなく大変で素晴らしいのに。
そしてまた、女性にだって育児よりも働く選択の自由を受け入れる環境がもっとあってもいいのではないだろうか。
 
そんな現状を嘆きながら、この状況をちょっと客観的に見た時、僕はハッと気づいた。
 
家事育児に取り組んだ時に強く思っていたこと。
「母乳授乳以外は男性の僕でも、女性とくらべて子育てで出来ないことは一切ない」
 
育児に専念していた時には、誰に教えられるわけでもなくこの考えが僕のベースにあった。
もしかすると学術的にみると、できないことは何か色々あったかもしれない。
けど、僕はそんなことは一切考えず、ただ出来るとだけ信じでいた。
 
僕は育児ができると思い込んでいた。
だから、育児に対して男性だからと思い悩むことは一切なかった。
 
「自分にもできる」
この思い込みのおかげで、元来はネガティブ思考の僕なのだが、育児に対してネガティブな考えは驚くくらい出てこなかった。
人は不安になった時、できない理由を探すのがとにかく得意だ、と今になってとても思う。
育児休業の取得に関して、ダメなんじゃないかというネガティブな思考が次から次へと襲ってきていたように。
 
僕の育児休業取得よりも、主夫になるにはもっとハードルが高い。
でも、共通して言えることはある。
 
「主夫をめざすなら、条件よりもまず、自分は主夫になれると思い込むこと」
 
シンプルすぎるかもしれないが、まず僕はそう伝えたい。
そこから、条件の整備をしていったらいいと思う。
 
そして、どんな実現の仕方になるかはわからないが、
「僕は、主夫になるよ」
ともお伝えしておこうと思う。
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2018-09-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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