わたしが真面目すぎるのか?
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記事:鈴木うなぎ(ライティング・ゼミ木曜コース)
26歳、女。コミュニケーションの捉え方について、同世代とギャップを感じることがよくある。
少し秋を感じ始めた9月頭、1ヶ月前から10数人で予定を調整した会社の同期とのビアガーデンが予定されていた。新卒で入社して4年目にもなると、会う回数がめっきり減る。1年ぶりの集合だった。
ビアガーデン前日の仕事終わり、幹事から同期グループラインに通知が入った。「明日の天気は雨予報のためビアガーデンができません。飲み会は中止にします。お店には連絡しておきます!」突然の連絡に、わたしは「……んっ!?」と思った。すると、次々に返信の通知が入る。「りょーかいです!」「はーい! 何から何までありがとう」「天気は仕方ないし、またの機会だね!」雨が理由で1年ぶりの集合を中止にする幹事。それに対して素直に応じる同期のみんな。この信じられないやりとりに、わたしは驚き、落胆した。だってわたしはビアガーデンがしたいとは思っていなかったから。久しぶりにみんなで集まってたわいもない話をしたかった。きっとみんなもそのはず。それにも関わらず、10人以上いるグループラインで誰もそれを言い出さなかったことが、ただただ気持ち悪かった。そこでわたしは幹事に根回しして、ビアガーデンの代わりに室内での飲み会を提案した。幹事は、「そんな方法があったね。今から予約できるお店を探して、あればもう一回みんなに呼びかけてみるよ」と答えた。わたしはそこにもイライラした。外でできないのであれば室内。それくらい思い浮かぶだろうになぜ提案できなかったのか。そして困った時にみんなに協力を求めず、なぜ1人でお店探しを始めるのか。結局、30分後に予約できるお店が見つかり、幹事からグループラインに「さっき飲み会は中止と言いましたが、室内で飲めるお店が見つかりました。そちらで飲み会を行います」と通知が入った。わたしはひとまず安心して、いかにも知らなかった風を装って、「◯◯くん、ありがとう! 楽しみにしてます」と返した。それが夜の21時頃だっただろうか。みんな起きてるはずのこの時間。わたし以外、誰からの返事もなくラインの既読数だけが悲しく増えていった。わたしのイライラの矛先は、幹事からグループラインのメンバーに変わっていた。このメンバーの反応を想像したら、たしかに幹事がビアガーデンから室内の飲み会に変更する提案ができない気持ちも少し共感できた。
飲み会当日の仕事終わり。返事はなかったけど、結局誰が参加するのだろうと思って飲み屋に向かった。残業で少し遅れたわたしがお店で見たのは、グループラインでの沈黙を忘れたかのように、幹事と同期みんなが楽しく飲んでいる光景だった。拍子抜けした気分だった。返事がなかったので、幹事が1人寂しく飲んでいるのかとでも思っていた。「せっかくお店を見つけてくれたのに、返事しないなんて有り得ないよね」幹事とそんな話でもしようかと思っていた。
沈黙と感じていたのはわたしだけだったのかもしれない。たかが飲み会。わたしが真面目すぎるのか?
真面目すぎるかもしれない。でも想像してみてほしい。
もしもこれが対面でのコミュニケーションだったら、天気予報が雨だから飲み会を中止にしようなんて提案をするだろうか?
もしも幹事が中止の提案をしたとしても、「室内で飲める場所探そうよ!」「いいねいいね」と言い出す人がいるのではないか?
幹事が別の店が飲み会前日に見つかるか不安そうにしていれば、「わたしも探してみる」と協力してくれる人がいるのではないか?
室内が予約できたことを伝えれば、「ありがとう」と自然と言葉がでてくるのではないか?
今回、実際に一連のコミュニケーションで出来上がった同期の信頼関係と、
対面のコミュニケーションを想像して出来上がった同期の信頼関係。
どちらも「楽しい飲み会」になることは同じかもしれない。でもそこに集まった人たちの信頼関係の強さの差は言うまでもないだろう。
わたしはコミュニケーションは、人との関係構築に必要不可欠だと思う。ここに示した通り、コミュニケーションとともにお互いの信頼が積み重なっていくからだ。グループラインが悪いということではない。ただグループラインではコミュニケーションを人任せにすることで、信頼を積み重ねる作業が省略されてしまう傾向があるということを肝に銘じなければならない。コミュニケーションの方法が増えた今の時代だからこそ、その本質を認識すべきだと思う。
たかが飲み会。わたしは真面目すぎるのか?
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