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今度は私の番だ!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小川泰央(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「みなさんの将来の夢は何ですか?」
 
私が小学生の時、担任の先生からそんな質問を投げかけられた授業の1コマを、ふと思い出した。
 
私は、今から4ヶ月前に、天狼院書店の「ライティング・ゼミ」という講座に通い始めた。そのゼミは、講義だけでなく、毎週2000字の文章を書いて提出するというアウトプットの課題もあった。その課題のテーマは各自で自由に選んで良いのだが、最初のうちは、「書きやすいところから書く」ということで、まずは、自分を主体にして書くことを薦められた。
 
面白いことに、自分を主体にして書こうとすると、その題材を求めて、自然と自分の過去を振り返ることになる。今や50歳を超えたおっさんの私が、時空を超えて、子供だった頃の思い出にまでさかのぼるのだ。そんな中でふと思い出したのが、さきほどの、小学生時代の授業の1コマだった。
 
「そういえば、あの時の自分の将来の夢は何だったかな?」
 
「学校の先生!」
記憶がよみがえってきた。そうだ。あの授業で私はそう答えたのだ。
 
私にとって先生は、何でも知っている特別な存在だった。国語でも算数でも音楽でも、質問すると何でも答えてくれた。正直言って、「すごい!」と思った。
 
中学生になると、中学校の先生に対しても「すごい!」という思いが強くなっていった。
何しろ、私が一生懸命チャレンジしても解けなかった問題が、先生の説明を聞くと、「なるほど!」と簡単に解けてしまうのだ。今で言うFacebookの「いいね!」がもらえるとうれしいように、「なるほど!」と思える機会が増えるとうれしかった。「なるほど!」が増えれば増えるほど、勉強が楽しくなったし、自分に自信を持てるようになったからだ。だからこそ、私は、そんな先生たちにあこがれ、将来は、子供たちに「なるほど!」を与えられるような先生になりたいという夢を持つようになったのだ。
 
しかし残念ながら、その後、高校受験や大学受験、就職戦線といった、すぐ目の前の戦いに追われているうちに、いつしかその夢も、心の奥深くに埋もれてしまっていた。
 
ところが、である。
「ライティング・ゼミ」の課題を書くための題材を探していたら、そんな夢を持っていた当時のことを、ふと思い出したのだ。
 
それは、まるで、本を片付けている時に生じる、ふとした瞬間に似ているような気がする。本を処分しようとして、本棚の本を手に取っていくと、その1つ1つに、ふと、その当時の情景が浮かぶような、その感覚だ。
 
もしかすると、「書くこと」も「片付けること」も過去の自分に向き合うことなのかもしれない。つまり、「課題を書くための題材として思い出を選別すること」も、「部屋を片付けるために処分する本を選別すること」も、過去の自分としっかり対話することによって初めて可能になると思うのだ。そして、その対話がしっかりできていれば、過去に後ろ髪をひかれることなく、自信を持って未来へ一歩踏み出すことができるのではないだろうか。
 
そういう意味では、「ライティング・ゼミ」を受講していた4ヶ月間は、常に過去の自分と対話し続けてきたような気がする。そして、その対話があったからこそ、子供の頃の夢について、あらためて今の自分に問うことができたのだ。
 
「先生になる夢はどうした?」
「このままで人生を終わっていいのか?」と。
 
4ヶ月経ってようやく、その答えにたどり着いた。
「このままでいいとは思わない」
「これから夢に向かって一歩踏み出そう」と。
 
その一歩は、必ずしも「学校の先生」という形ではないかも知れない。
ただ、私には、将来ある子供たちに伝えたいことがある。いや、むしろ、伝えていかなければならないことがあるのだ。
しかし、それは、国語や算数などの従来の科目ではない。人生における必修科目だ。
 
みなさんにもこんな経験がないだろうか?
 
「もっと早く知っておきたかった!」ということが……
 
人生は選択の連続だ。「タラれば」を言ってもしようがないことは百も承知だ。ただ、私は、もう少し早く知っていれば、もしかすると、人生の選択も変わったかもしれないと思うような出来事をいくつも経験してきた。でもそれは決して後悔しているという意味ではない。むしろ、そういう出来事を自分が経験してきたからこそ、「未来に生かしたい」、「次の世代に伝えていきたい」という熱い思いが今の私に生まれていると言えるのだ。
 
「書くことはサービスである」
「書くことも話すことも本質は同じである」
 
これは、「ライティング・ゼミ」の講師の三浦さんが、4ヶ月間の講義の中で何度も強調していた言葉だ。
 
だとすれば、「先生」という形ではないかもしれないが、私が抱いているその熱い思いを、書くことや話すことにより、相手が受け取りやすい形で伝えていけばいいではないか。
 
「そうだ、今度は私が伝えていく番だ!」
 
大学卒業以来、約30年間、金融業界に身をおいてきた者として、これからの人生は、これまでの知識や経験で培ってきだものを、「ライティング・ゼミ」で学んできたスキルを生かしながら、分かりやすい文章や言葉で、子供たちに伝えていきたいと思っている。
 
それこそが、私が子供の頃から抱いていた夢の完結編になると信じている。
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2018-10-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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