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我が家の引っ越し顛末記


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ゆうすけ(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
「しーちゃん、リュック持った? あとヘルメットも!」
いつもの朝の会話だ。
この夏、都心から郊外へ引っ越してきて、娘の保育園の送り迎えは父親の仕事になった。
今年の夏はなんとも暑かった。汗だくになりながら、自転車を飛ばして保育園へ駆けつける。「いってらっしゃい! いっぱい遊んできてね~」 
娘を送り届けた後、ひとまずコーヒーを淹れて小休止。ノートパソコンのスイッチを入れる。さてと、仕事にとりかかろう。
これが毎朝の私のお決まりパターンだ。だが、つい半年前には全く想像すらしなかった光景。
そう、些細な動機から「引っ越し」を決断したことで、まるでジェットコースターに乗ったかのようにスピーディーに景色が変わり、新しいライフスタイルが始まった。
 
7月の終わりに渋谷区から横浜の郊外へ移り住んだ。
最初のきっかけは、妻の一言。「あーなんか部屋が狭くなってきてイライラする!」
二人なら余裕のあった2LDKの部屋も、娘が生まれて成長しカラダが大きくなってくると段々と部屋は手狭になっていく。モノも増えていく。必然的に散らかる。
元来、潔癖性の妻にとっては、仕事と育児と家事もこなす毎日に疲れ気味なうえに、片付いていない状態がストレスになっていた。
 
渋谷区の賃貸マンションには6年住んだ。独身時代に二人で住み始めて、結婚して、子供が生まれて3歳になった。その間、私は長年勤めた会社を退職し、独立したりもした。
6年という月日は人生経験を重ねるには十分な時間だ。なにせ小学1年生が6年生になって中学に上がるまでの時間だ。いろんな思い出ができる。近頃は保育園のママ友パパ友もでき、仲良し家族で公園にピクニックに出かけるなど、慣れ親しんだ街で慌ただしくも楽しい日々を過ごしていた。
 
が、妻のそんな一言をきっかけに、環境を変える頃かも? と思いが湧き出す。
「引っ越し」には何か特別に人を引き付ける魔力がある。いったん、想像するとその魅惑的なイベントがどうも頭から離れない。急にワクワクしだすのだ。
 
よし! ちょうど来年更新だし、良い物件あったら思い切って引っ越しちゃおうか。夫婦間で合意されたら話は早い。自称「引っ越し魔」の妻が、賃貸物件のネット検索を始める。この時間がまず楽しい。毎日のように妻から送られてくる物件情報を見て、あーでもない、こーでもない、意見を述べる。気に入ったところをいくつかピックアップし不動産屋さんに電話、週末の内見の予約を入れる。
そんなことを何週続けただろう。なかなか希望に合うところが見つからない。それもそうだろう。何故なら条件が、「近所で今より家賃が安くて広いところ」なのだから。消費者はいつだってわがままだ。でも、どうせ引っ越すなら絶対に今以上にワクワクする何かがないといけない。一つでもネガティブな要素があってはいけないのだ。それだけは譲れない。
 
そうこうしているうちに、これ近所じゃ無理じゃない? という話になる。
すると単純に部屋を変えるレベルから、生活環境を変えるレベルに一気に拡大する。家賃を抑えて広いところに住むには都心から離れなければならない。通勤だって遠くなる。一番の問題は、娘の保育園をどうするかだ。通っていた保育園は「幼保一体型」の施設で、一度入れると小学校に上がるまで面倒をみてくれるところだった。そこから出るとなると、新しい保育園探しから、その先の幼稚園、小学校、と子供の教育問題から将来設計まで考える必要が出てきた。こりゃあ、大ごとになってきたぞ。色々調べなきゃじゃん!?
 
さらに、私は自宅とは別に小さなオフィスを借りていた。が、生活圏を変えるのなら、いっそ事務所を引き払って新居の1室を仕事場にしてしまおうと思い立った。そうだ、引っ越しを機に仕事のスタイルまで変えてしまおう。これは我ながら大きな決断だったが、ほぼネットで仕事が出来るし、打合せなら必要に応じて会議室を借りれば良い。何より毎月の固定費が削減できるのは魅力だった。妻も賛成してくれた。その代わり、保育園の送り迎えはパパの担当ね。よし、ヴィジョンは決まった。都心から離れて3LDKくらいのマンションを借りるのだ。こうして物件探しが再スタートした。
 
こうなると、一段と楽しくなる。ものすごく楽しい。いくつかの街に足を運び、商店街を歩いてみる。近隣に住む友人たちにその街の様子や学校の様子を聞いてみる。ああ、なんて自由なんだろう。
その後は不思議とスムーズに事が運んだ。まるで何かに導かれるように新天地にやってきて2か月あまり。娘も新しい保育園に馴染み、キャッキャとはしゃぎながら毎朝楽しそうに通っている。妻はと言えば、新しくスッキリとした部屋にご満悦。以前の自転車通勤から20分間電車に揺られることになったが、職場から家までの時間が良い気分転換になると通勤電車を自分の時間として楽しんでいる。
 
引っ越しを決めてからここまで5か月あまり。当初はまさかこんな展開になるとは思わなかった。人生は決断の連続だ。小さな事から大きな事まで。引っ越しには自然と「生き方」まで問いかける魔力に満ちている。
これはごく平凡な、とある家庭のエピソードだが、もしあなたが今の生活に何等かの不満を感じ気分転換をしたいのなら、思い切って引っ越しをすることをおススメします。まるでジェットコースターに乗ったかのように、魅力的な景色が広がり始めますよ。
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2018-10-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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