メディアグランプリ

広告マンは、グレイティスト・ショーマンである


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:折笠 玉季(ライティング・ゼミ平日コース)

ルイ・ヴィトン前にある看板に目が留まり、暫くじっと佇んでいた。
美しいモデルさんが持っているルイ・ヴィトンのパピヨンという名のバックにくぎ付けになった。
「これ欲しいな!」
店内に入って商品を見せてもらい、お金を貯めて買うことに決めた。
バックを買いたいが一心に、昼夜バイトをして約3カ月後にあの時見ていた憧れのバックを手に入れた。

「広告はこんなにも人の心を動かすものなんだ! 私も同じように、人の心を動かせるような広告が創りたい!」
大学3回生時のこの経験が、広告マンになったきっかけだった。

大学を卒業してから13年間広告に仕事をしている。
様々な企業のサービスや商品のお仕事をさせて頂く中で、
「広告マンとは何か?」を考えて出した現時点の答えは、
「広告マンは長所を見つける、創る能力が優れている」と言うこと。
長所を見つけ、新しい価値を作って世の中に発信する。
それはうまく行けば、世の中の流行を創り、習慣になり、文化にもなる。

例えば
あるメーカー商品発売した「50枚入りの美容パック」
パックといえば、1枚数百円する高めの商品を週2-3回習慣が提唱されていたが、安価で安い大容量美容パックの提案を機に「毎日美容パックをする習慣」が一気に広がった。

私が実際に企画した案件では「敬老の日」という、年配の方の殆どが「受け入れたくない日」とマイナスに捉えられている要素をプラスに変えるため、「お世話になった方への感謝をする日」と再定義し、プレゼントをもらう側も送る側も「気持ちがいいコミュニケーションができる」ように年齢関係のない歳時へ変化させるための広告を展開した。

他には、バレンタインの「義理」という渡す側からももらう側からも「めんどくさい」と捉えられているコミュニケーションを「逆に贈りたくなるコミュニケーション」にするため、「贈る人がたくさんいる=自分の周りに好きな人がたくさんいると実感できる日」と再定義し、広告を展開した。

このように既存のマイナスと捉えられているサービスや商品、催事の長所を見つけ「プラスの要素に再定義して発信する」場合もあれば、世の中に埋もれいている「あまり特徴がない、或いはマイナスイメージであるサービスや商品の長所」を見つけ、様々な角度から磨きをかけ、切り口を見つけて世の中に発信する事も多々ある。

口が裂けてもお客様の前では言えないが「売れそうにない……」と思うサービスや商品も多々ある。というか、クライアントから「あまり特徴がない」と言われることもあるくらいだ。

しかしそこはプロである以上、商品であれば素材や使っている原料、商品がお客様に与えるメリット、他社にはない長所などを見つけだし、新しい価値を付けて発信する。

グレイティスト・ショーマンを見たとき、まさに「私がやっている事と同じだな!」と思った。
当時世の中では差別されていた、身体的、人種的に不遇な立場にあった人々を集め、「身体的、人種的に不遇は個性」だと定義し、「みんな違うから輝く。誰も見たことのないショーを」とオンリー・ワンの個性を持つ人々として讃えてエンターテイメントとして発信する……
そして19世紀のアメリカで「サーカス」という文化を創った。

物語ではこんなエピソードもあった。
主人公バーナムが作ったショーを観た新聞記者は、「大混乱」の意味で“サーカス”という言葉をタイトルに使う。それを逆手に取り、自分のショーを「バーナムのサーカス」と名付けるバーナム。

まさに発想の転換「プラス要素」にして発信している。
当時は「金儲けをするための見世物小屋」だと相当な批判を受けていたようだが、バーナムは「至高の芸術とは、人を幸せにすること」と言っていたように、見る人だけではなく、

バーナムがいなければ誰も私たちを「人間である」とは認めてくれなかった

と、演者がバーナムに感謝の気持ちを述べていたという程、「観客も演者も幸せにするサーカス」であったという。

そう、書き忘れていた、私が1番大切だと思っている事がある。
「ワクワク感を創る」

お! この企画売れそう!
これやったらお客さんが面白がってくれそうだね!

という、企画段階でクライアントと共有するワクワク感

この商品を使ったら、ツルツルお肌が手に入りそう
このサービスを使ったらモテルかな
この商品を持ったら、モデルさんみたいになるかな

広告発信後、お客さんがサービスや商品の先を想像しながらのワクワク感!
ワクワクをたくさん創りたい。

でも正直に言うと、忙しさに忙殺され1番大切だと思っていても忘れてしまう事が多々ある。
そんな時は、ルイ・ヴィトンのバックを持つことに憧れ、3カ月間ワクワクしながらアルバイトをしていた「初心」に返ってみることにしている。

大学3回生だった私が出会った「ワクワク感」をたくさんの方に届けていきたいと思う。

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2018-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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