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メディアグランプリ

ぶっ倒れそうなくらいダルいのに、私がその書店に通い続けてしまう理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:水乃龍(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「なんでだろう?」
私は不思議気持ちでいっぱいだった。
そして、今のなおその答えは見つかっていない。
 
私が「それ」を知ったのは偶然だった。
以前から気になってはいたものの、なかなか良い機会がなく「それ」に近づくことはなかった。
 
ある夏の日のことである。
「どこか涼しい所に行こう!」
そう決めたのが、はじまりである。
ネットで調べてヒットしたうちの1つが「それ」であった。
 
さっそく地図アプリに登録して、ゆっくりと歩いていく。
するとすぐに「それ」は見つかった。
正確にいうと、看板は見つかったが入口が分からなかった。
「ここのはずなんだけど……」
ちょっと不安になりながら建物の周りを1周した。
すると2階に続く階段を見つけた。
「ここ、上がるのかな……?」
更に不安が大きくなった。
「え……ここ、上がっていいんだよね……?」
その階段はカーブしていて、その先に何があるのか下から確認することができなかった。
手元の地図アプリをジッと見て、先の見えない階段をジッと見て、そこから数秒動くことができなかった。
「違ったらどうしよう、もう帰ろうかな……」
正直、少し諦めかけた。
そこから更に数秒。
「いやいや、せっかくここまで来たんだから!」
なんとか気持ちを持ち直して、思い切って階段を上がってみた。
 
そう、その日は私が初めて天狼院書店を訪れた日である。
 
おそるおそるドアを開けて入ってみると、明るく落ち着いた声が迎えてくれた。
 
ホッとして、そっと中に入ってみた。
 
まず、驚いたのはコタツがあったこと。
男性が2人、パソコンを持って寛いでいた。
「店員さんかな?」
そう思いながら、まずは店内をくるっとまわってみる。
聞こえてきた会話によると、コタツにいる男性はどうやらお客さんのようだ。
少し奥に進むと小さな机がいくつかあって、まわりを囲むように壁沿いに本が並んでいる。
「こんにちは。当店に来られたのは、はじめてですか?」
店員さんがさり気なく話しかけてくれた。
「はい」
そう答えると、お店について教えてくれた。
天狼院書店は、自分で持ち込んだ本か買った本であれば席に持ち込んでよいのだそうだ。
さっそく本を探してみる。
店内を見回してみると、「なりたい自分」「モテるために」「おいしい本」などのコーナーがあった。
珍しいラインナップである。
でも、面白い!
他の書店とはちょっと違う気がする。
そんなことを思いながら、本を選んだ。
席について本を読んでいると、段々と力が抜けて、ゆったりとした気分になってくる。
結局その日はずっとそこにいてしまった。
 
後から知ったが、天狼院書店は「実家のように寛げる本屋」をテーマにしているらしい。
 
それから数日後、また私は天狼院書店に向かっていた。
あのなんともいえない居心地の良さが忘れられなかった。
タイミング良く資格試験が近づいていて、自宅では勉強が進まないため、どこか良い場所を探していたのだ。
まだまだ緊張しながら行ってみると、その日はゼミの開催日だったようだ。
邪魔にならないように、そっと奥に進み、ソファー席に座った。
テキストを開いて勉強していると、やはり余計な力が抜けて集中できていることが分かる。
気づいたらゼミも終わっていて、店員さんが「あーーー、疲れたーー(笑)」と笑いながら、話しかけてくれた。
私も思わず、「お疲れ様でした(笑)」と友人に話しかけるように答えていた。
その日は夕方から閉店近くまで居座ってしまった。
さらに数日たって、また私は天狼院書店にいた。
引き続き、勉強をするためである。
しかし、やはり居心地が良い。
こんなに居心地良く感じていいものだろうか。
いくら客商売といっても本屋にここまで通っていいのだろうか。
なんだかお店の人に悪いなぁ……。
そう思った時、ふと疑問に思ったことがある。
「なんでここまで居心地が良いのだろう……?」
いくら「いつまでもいていい本屋」をテーマにしているといっても、そう簡単に実現できることではない。誰もがそんな空間を目指しながらも、うまくいかないのだ。
何かコツがあるのだろうか……?
店内をジッと見ても、何か特別なことがある訳ではない。
そんなことを考えていると段々混乱してきた。
もう訳が分からない。
そういえばお店にいる時、店員さんが気さくにさり気なく話しかけてくれた。
そういうところだろうか。
居心地が良くなるような話し方とかあるのだろうか。
それとも、ライティング・ゼミに「ABCユニット」があるように、お店作りをするうえで何か方法があるのだろうか。
そんなことをつらつら考えた。
 
しかし、答えはでてこない。
分かるのは相変わらず天狼院書店の居心地が良いことだけだ。
 
きっと私はこれからも天狼院書店に通ってしまうのだろう。
あの居心地の良さは病みつきになるものがある。
もしできるなら、いつかあの居心地の良さがどうやってできるのか分かる日がくるといい。

 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-10-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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