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メディアグランプリ

間接的に伝える焦ったさと、直接的に伝える明快さ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:森田一志(ライティング・ゼミ 木曜コース)
 
「たまには人の気持ちに目をむけてもいいんじゃないの?」
と友達につい最近言われた。やんわりとした口調だったが、どう考えても若干の苛立ちのような響きを感じた。だからこそ、自分の胸に聞いてみた。
私は人の気持ちに目を向けられていないのだろうか?
それなりの思いやりや優しさは人に向けているつもりだし、実際に「優しい」とか「思いやりあるね」って言われたこともたくさんある。
果たしてどんなときに、私は人の気持ちに目を向けられていないのだろうか。
人と人のコミュニケーションの場で、自分には見えていない自分の姿。つまり相手の目にしか見えていない自分の姿を知りたいと思って、彼女に聞いた。
「いつどんなときにそれを感じたのか具体的に教えてほしい」
すると彼女から出た言葉は、間接的に何かをほのめかすような言葉ばかり。説明は無駄に長いし、よく意味のわからない抽象度の高い言葉ばかりで、全く彼女の真意が掴み取らない。私が白黒はっきりさせたい性格だからか、遠回しに言ってくる彼女にかなりの焦ったさを感じた。
「要するにどういうこと?もっと簡潔に言って欲しい」
すると彼女は言った。
「あなたは自分の意志をはっきりと相手に伝えることができるけど、全員が全員それができるわけじゃ無いんだよ? はっきり言ってじゃなくて、こっちからしたら察して欲しいの」
察する?
空気を読めということか。なんとも日本人的な思考。同時に私が最も面倒臭いと感じる文化。
確かに言葉を交わすこともなく相手の気持ちを感じ取り、何を求めているのか察することができれば、コミュニケーションはより円滑に進み、気持ちよく会話ができると思う。
そこには確かな知性と教養を感じるし、何より人の気持ちを慮る品性を感じる。
ただ直接意見をぶつけ合い、気持ちをそのまま言葉に込めて本音を言い合えるからこそ、相手のことを深く理解することができ、結果的に相手が求めているであろうことを経験的に察することができるのでは無いだろうか?
人の気持ちを本当の意味で察するには、自分も相手と同じ境遇を体感したことがあり、相手の置かれた状況を説明されるだけで、感情移入することでき、共感を呼び、言葉にされなくても察することができるのだと思う。
察するためには知識や経験として、察するに足る土台を心の中に築きあげて置かなければ、できない芸当だと思う。
察することと、はっきり言うこととどちらがいいのかは分からない。一つだけはっきりしていることは、彼女は私に「言葉にしなくも気持ちを理解してもらうこと」を求めている。
そしてそれを私に期待し、将来的にはそれが可能だと信じているからこそ、それを私に求めている。
それだけは彼女の相手に何かをほのめかすようか言葉選びと態度で察することができた。
ただ彼女の本質的な「何か」を感じ取るには情報不足。私は彼女の話を聞くことに徹した。
するとそれこそが彼女が求めていたことであり、まるで水を得た魚のように生き生きと彼女は話し始めた。会話の流れに一切の摩擦を生じさせることもない。一緒に話していて楽しい瞬間。
その過程の中で一つだけ腑に落ちたことがあった。
結論は急ぎすぎてはいけない。相手の心のペースに身を委ね、相手の気持ちと言葉に寄り添うことが会話の中では大事なことだと。
自分の土俵に相手を乗せ、自分にとって都合のいいペースで話して相手が気持ちいいわけがない。
会話をするときは、トーンやスピード、テンションを相手に合わせることが、相手の本音を引き出しやすくする。
本音を引き出しやすくするということは、私がいつも人に求めている「明快さ」をこちらから引き出せるということ。
「明快さ」を求めるなら、明快に考えを示しやすい条件を、相手に合わせてこちらが提示する必要があること。それこそが会話における相手に対する「思いやり」や「優しさ」なのではないだろうか。
彼女との会話で新たな視点が生まれた。これが人間関係の醍醐味だと思う。
自分と誰か別の他者と思いや意見を交わすことで、それが経験として自分の中に蓄積される。元々あった自分の意見と、相手を理解することで汲み取った意見が化学反応を起こしより洗練された考えになる感覚。
この感覚が私は大好きだ。だから人と会うことが好きだし、そもそも人が好きだ。出会いの数だけ色んな価値観に触れられそれが自分の中に蓄えられていくことを思うと、楽しみでならない。
察することとはっきり言うことについて意見を交えたこの経験も、必ずどこかで活かせる場面があるのだろう。
 
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2018-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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