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男も女も鄙事に多能な方が変な人になりにくい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:前田尚良(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
 いきなりだが「鄙事多能(ひじたのう)」という言葉をご存知だろうか。
活字が嫌いな人、国語が嫌いな人でこういう四文字熟語は苦手な人もいるかもしれない。
でも少し活字を嗜む人なら聞いたことはあるかもしれない
 これは中国の孔子が言ったとされることが始まりで、孔子は子供のころ貧しく、どんな仕事でもこなさなければならなかったということかららしい。
 なぜこの言葉を唐突に持ってきたか?
実は私も含めて周囲の人達を長年観察していると最近気づくことがあったのだ。
どういうことに気づいたのか?
これを書く前に自分自身はどうなのか?
私の出自はというと、はっきり言って「田舎者プラス貧乏」であった。
どのくらい貧乏かといえば、幼稚園の頃まで電話はなかった。
電話をかける場合近所の家に借りにいってかけていた。
反対に緊急でかかってくる時はその近所の家に電話がかかってきた。
これは携帯電話全盛でかつ隣近所に誰が住んでいるのかわからない都会人には考えられないことかもしれない。
今でも田舎は自宅が留守の場合、雨が降ってくると洗濯物を近所の人が気をつかって取り入れてくれることがある。
そういうベタベタな関係であるので電話を借りることもそんなにおかしいことではない。
それ以外にも、確か小学校の中盤ぐらいまで水道も引いていなかったような気がする。
「え、じゃあ水はどうやって飲んでたの?」
ということになるが井戸水を生活用水として使い、飲料水は電話と同じように近所からバケツに一杯もらっていたのである。
(井戸水を電動ポンプで汲んで蛇口から井戸水が出る)
ここまで書くと貧乏というより遅れているという表現が正しいかもしれない。
 しかしこのような生活環境でありながら私は鄙事に多能ではなかった。
なぜか?
まず理由として性格がおおざっぱでめんどくさがりだったということがひとつ。
そしてもうひとつは一人息子であったので「鄙事」つまり細かい作業や家事は周囲がやってくれたからである。
もし兄弟が4人も5人もいるような家庭であったなら、こうはいかなかったであろう。
親や祖母もたくさんの子供の細かい面倒までさすがに見てはくれないはずだ。
「自分のことは自分でやれ」
というふうになったに違いない。
その場合私の子供時代は「鄙事に多能」であった可能性があるのだ。
この影響は10代後半もしくは社会人になりたての頃、悪影響として出たと思う。
一応ひととおりの教育を学校で受けてはいるのでマニュアル化されたことはできる。が、即興の現場作業になるとどうしていいかわからないのである。
なので私の社会人デビュー時は周囲の足をよく引っ張っていたかもしれない。
そして冒頭で述べた「周囲の人達を観察して思った」とはどういうことか?
これは、よく妻とも話をすることなのだが、男にはどうしようもないヤツが一定の割合でいるのが事実だと思う。
 例えて言えば見栄っ張りの借金男がいる。
自分をよく見せるために高級車を乗り回しプライドはすごく高いが実は借金だらけというパターン。
これが金持ちのボンボンだと親の金をすり潰すように浪費していく。聞いたところでは東京の港区在住の子供は十人に一人は社長の子供らしいがこのパターンになりやすいという。
そしてこのタイプは人間の値打ちは中身ではなく見た目や家柄だと信じている。
 そして酒癖が悪い、ギャンブル好き、浮気症。
これはもう古典的な駄目男のパターンなので説明は省く。
 さらに夢見る勘違い男がいる。
これは見栄っ張りとも重なるかもしれない。芸術家気どりで夢ばかり追っている男なのだが、やはり自分の足元が見えていない。勘違いばかりして配偶者に迷惑をかける男である。
 このように特徴を挙げていけばきりがないかもしれない。
何を言いたいのかといえば、どうしようもない男も女もいるがこの比率はどうしようもない男の方が圧倒的に高いということだ。
 ではどうしてこのような比率となってしまうのか?
ここで「鄙事に多能」かどうかということが大きく関わってくるんじゃないかと最近気づいたのである。
女性はなんだかんだ言って「鄙事に多能」である。
身の回りのことや最低限の細かいことはよくやっている。
どんなにキャリアウーマンでも休みの日は料理をしたりお菓子を作ったり家のかたづけなどをする。
そして男性と圧倒的な違いは出産、子育てをするということだろう。
これは究極の「鄙事」かもしれない。
このような「鄙事」をせざるを得ない状況がどうしようもない女の出現を拒んでいるのではないだろうか。
私も本当に反省させられるが料理のひとつもできない。
食事は上げ膳、据え膳でなにもかも妻まかせはほんとうによくない。
このように細かい「鄙事」ができないとういうことは駄目人間を作り出しているのと同じかもしれない。
どうしようもない駄目男に限って「鄙事」をしない、もしくは人任せではないだろうか。
 「夢ばかり追うのではなく分相応に自分自身を見つめ堅実に努力していこう」
私が叩くキーボードの周囲で家事をしている妻をみながらそう思った。
そしてどうしようもない男には「鄙事」をお勧めする。

 
 
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2018-11-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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