「お・も・て・な・し」は誰にする?
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記事:植松真理子 (ライティング・ゼミ 日曜コース)
先日、久しぶりに東海道新幹線に乗った。
ぼーっと前の方を眺めていると前の車両への出入り口の上にある電光掲示版が視野にはいった。ドットで表現された文字が流れている。その日のニュースや天気、次に着く駅などのお知らせが流れているはずだが、ちっとも意味が頭にはいってこない。
電光掲示板で流れていた文字は、中国語の簡体字……、次に繁体字が流れてきた。文字だということはわかるが日本語ではないから、意味が頭にはいってこなかったのだろう。次は、英語……頑張って読もうとすれば、何となく意味がわかるのでうれしい。次が日本語かな……と思ったが、日本語ではなくハングル文字、韓国語だ。そしてやっと日本語で文字が流れた。
日本語が流れたあとは別の情報が表示されるので、ループ表示ではなく、日本語の表示順は最後ということのようだった。
「お・も・て・な・し」で世界の顧客をお迎えしますと約束した2020年を目前にして、あちこちで外国語表示や外国人向けサービスを普通に見るようになった。
それ自体はOKだ。
しかし、電光掲示板の言語表示で日本語が一番最後というのは、どうなのだろう。自分をへりくだってお客様をたてるということは、おもてなしのあり方の1つだが、日本人全体が身内扱いでサービスが後回しになるというのは、ちょっと行き過ぎなのではないだろうか。
そんな小さなことを気にしすぎといわれればその通りなのかもしれないが、似たような例は他にもある。
日によるのかもしれないが、高田馬場の西武線のエスカレータを降りた場所のホームは、外国人ばかりが多く電車待ちをするスペースになっている。ホームの向かい側が、中国語や英語だけで表示された看板が連なっているせいか、日本人はそこには足を止めず、少し離れたところで電車待ちしている。私もその場所から大分離れた場所まで歩いていって電車待ちをした。
上野の西郷会館のロッテリアでは、テーブルの上に外国語表記のメニューが置かれている。もちろん裏返すと日本語のメニューになるのだが、英語・中国語が書かれた面が表にされておかれているので、なんとなく日本人がそのテーブルに座ってはいけないような雰囲気がある。実際、かなり混雑した店内だったが、テーブル席に座っているのはほとんど外国人だった。
「インバウンド経済」とかいう新語が生まれるほど、日本を訪問する外国人による経済効果は大きいそうだから、外国人をお客様として獲得するためにサービスを充実させるのはある程度当然なのかもしれない。しかし、外国人向けのサービスの充実が、日本人に背中を向けるようなものであっては、私としてはうれしくない。
外国人は購買意欲が高いといわれているが、購買する力なら日本人だって低くないはずだ。購買意欲を刺激されるようなサービスや場所があれば、もっとアクティブになれるのではないかと思う。
例えば、私の年代、50代の女性はとても元気だ。同年代の仲間で集まって食事をする機会に、子育て等、家族のことが一段落した友人たちが再び参加するようになっている。そんな彼女たちが「また、遊んでね」「旅行に行くときは、是非誘ってね」と目を輝かせて言ってくるので、「だったら、何か計画しようか」という話題で盛り上がる。
50代の、いや50代以上の大人女子にあったサービスを、もっと充実させるというのはどうだろうか。
先日、私が久しぶりに東海道新幹線に乗ったのも、「だったら、何か計画しようか」となって実現した日帰りの温泉旅行だ。そこでも外国人観光客は目立っていたが、人数でいえばせいぜい1-2割だろう。外国人よりも圧倒的に数が多かったのは、私達のような大人女子たちだった。
私たちは、よく食べ、景色を見て感激し、キャーキャー騒ぎ、お土産をたくさん買い込んだ。私達が社会人になりたての頃はバブル経景気で根拠なく浮かれていたのだが、その日の帰り道では、「あの頃のようなお金の使い方をしたね」と笑い合った。Y子は、「これから、またこんな風に旅行にいけるかと思うとワクワクする」といっていた。
仕事が生活の中心だった男性の多くは、シニアになり会社を辞めると「終わってしまった」感あるように思う。余った時間=余生をどう楽しもうかというスタンスになっていることが多いと感じるのだが、女性の場合は開放感があり「さぁ、これからだ」感がある。
経済力もまぁまぁある世代でもあり、長寿化と共に今後の日本の中では多数派になることが確実だ。
だから、是非言わせてもらいたい。
50代以上の大人女子向けのサービスはまだまだ手薄ですよ!
目利きは厳しいかもしれませんが、爆買い力も秘めていますよ!
この先30年40年続くマーケットになるかもしれませんよ!
大人女子が、新しいトレンドを作れそうな予感がしてならない。
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