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転職とは学校のクラス替え


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記事:三好康博(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「もう耐えられない」
「この苦痛はなんなのだ?」
私は大学を卒業後、新卒で、某金融会社に就職をした。
私は入社する前から、どんな社会人生活が始まるのだろうと希望に満ちていた。
 
しかし、そんな光り輝く私の希望は、入社して半年後には全くもって失われていた。
 
毎日が嫌で嫌で仕方なかったのだ。
「あぁ、土日が終われば、また地獄の5日間が始まってしまう」
休日ですら、休まることがない。
毎日の残業も手伝ってか心身ともに疲れ果て、
自分でも日々元気が無くなっていくことが分かったのは明らかだった。
働けば働くほど、仕事という名の吸血鬼に血を徐々に抜き取られるような感じだ。
 
「自分は我慢強い方なので大丈夫!」
「みんな苦しいんだ」
「社会とは、そんなに甘くないし、自分が弱いだけだ」と言い聞かせていた。
だが、状況はまったく改善しなかった。
 
そして、誰が言ったのだろう。
“石の上にも三年”
当時、よく聞いた言葉だった。
会社に入って3年は我慢しなさいと言う人が大多数いたのだ。
私は、この言葉にのせられて憂鬱な日々をどんどん増やしていった。
 
何でこんな事になったのだろう?
会社の理念に共感して、入社を希望したはずだった。
しかし、よく考えてみると現場では違うものだったのだ。
我慢の問題ではない。
私は、このままでは自分がおかしくなる。
入社して半年後のこと、私は遂に会社を辞めることに決めたのだ。
 
入社して半年で辞めるなんて、当時、自分でも早過ぎではないかとも思ったし、
何より肩身が狭い思いをした覚えがある。
私が就職したのは、13年前。
今より、「転職」を良くないと思う人も少なからずいたのだ。
「あいつは我慢が足らない」といった見方をされたのだ。
 
後ろ指をさされるかもしれないが、
私は入社してわずか9ヶ月で人生最初の会社を去ることにした。
 
「次の就職先でも同じようなことになったらどうしよう」
「私は、本当にダメな人間になるのでは」
不安が常にまとわりつく。
 
次の就職先を見つけるにあたって、一つだけ決めたことがあった。
「どうせ辞めるなら、自分が好きなことで働ける会社に転職しよう!」
次の会社に求めたことは、それだけだった。
自分の好きなことを仕事にするなら、簡単に辞めることはないだろうという単純な発想だ。
 
私は小学生から大学生になるまでサッカーを続けていて、
サッカーが好きで好きでたまらなかった。
 
これだ!
サッカーに関わる仕事をしたい!
 
転職の本を探しに本屋へ行った時のこと。
とある本を見て、目を疑った!
「サッカーで飯が食えるか?」という本があったのだ。
内容はサッカーに関係する仕事だけが載っているという、
今の私にとっては神の本ともいえる本が存在したのである。
奇跡の出会い。
普段、神様のことを信じないが、この時ばかりは、本当にいるかもしれないと思った。
そして3ヶ月後、無事にサッカー関係の仕事をする会社に転職することができた。
 
転職して、驚いたことがあった。
それは、毎日が楽しくて仕方がないということ。
“ブルーマンデー”という言葉が、なぜ世間に出回っているのかが分からないぐらい仕事が好きになったのだ。
私は本当にストレスフリーになってしまったのだ。
その時、自分の好きなことを仕事にするという考えが吉と出たのだ。
転職なんて、もっと早くすれば良かった。
 
転職について良いイメージを抱かない人もいるだろう。
転職したいけど、躊躇する人も中にはいるだろう。
しかし、やりたいことができない会社や理念を共有できない会社に居ても時間を無駄にするだけだと思う。
 
“石の上にも三年”という諺は、悪用されていたのではないかとさえ思う。
おそらくこの言葉は、仕事自体に慣れるに要する時間のことを指してるだけなのだろう。
3年間続けて慣れたところで、自分がやりたくない仕事をしていても身も蓋もない気がする。
 
もちろん、働くことに対して、人ぞれぞれの価値観があるので慎重には考えるべきだ。
だが、私は転職を難しく考えて欲しくない。
なぜなら転職とは、学校のクラス替えみたいなものなのだから。
 
学生時代にあったクラス替えを思い出して欲しい。
どんな人と一緒になるのだろう?
ドキドキ感とワクワク感。
楽しみと少しの不安。
先生も変われば、周りの生徒も変わる。
楽しかったクラスと楽しくなかったクラスが誰にでも存在するだろう。
転職とは、それぐらいのもので、大したことではないのだ。
 
 
もしかしたら、あなたの決断一つで
“ハッピーウィークデー”がくるかもしれない。
私にもきたのだから。

 
 
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2018-12-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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