2018年の「やっちまった」を100円でチャラにする方法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:飯田峰空(ライティング・ゼミ 木曜コース)
毎年、今年こそは実行しよう、と思っている目標がある。
それは、自分の生活をセルフコントロールすることだ。
野菜多め、塩分控えめのご飯を一日三食よく噛んで食べること。家の中や、自分の心身をさっぱりきれいに保つこと。時間と心に余裕をもって生活すること。こんなことが私の理想像としてあげられる。
さて、実際の私はどうだっただろうか。
朝ごはんを抜いたかと思えば、カロリー過多・栄養なしのジャンクフード三昧な日もあった。泥棒が入ったのかと思うくらい部屋を散らかして何日も放置、なんてこともあった。予定を忘れていてメイクをせずにすっぴんで家を飛び出す日もあれば、はたまたメイクを落とす気力もなく疲れて寝落ちする夜もあった。
時間と心の余裕をもって丁寧にやればいいのに、忙しさを感じると、いろんなことがつい雑になっていく。そのたびに「また今日もやっちまった……」と思って少し反省する。でも、すぐに大事になったり、生活に支障が出るような問題ではないので、またつい繰り返してしまう。そんな生活の小さなしくじりを私は、「やっちまったポイント」と呼んでいる。
そんな1年の「やっちまったポイント」が溜まりに溜まったこの時期、私はスーパーマーケットに走り、あるものを必ず買う。
それは、ゆずだ。
もうすぐ一年で一番夜が長い日、冬至がやってくる。冬至の日には、ゆず湯に入る習慣がある。このゆず湯に入るという行為、たかがゆずと侮ることなかれ! これがかなりオススメなのだ。
この日だけは絶対にシャワーではなく、お湯を沸かして湯船に入る。といっても、時間と手間のかかる準備は必要ない。近くのスーパーでゆずを買うだけ。ゆずを包丁で切って、ガーゼやタオルで包んでもいいのだが、面倒だったら丸のままゆずを湯船に入れればOK。
そして、湯船に入って深呼吸してみよう。
天然のゆずの香りが漂う。爽やかだけど、刺激の少ない柔らかな柑橘の香りが、さっぱりと気持ちがいい。
そして、思う。心身ともに疲れやすい12月に、シャワーで済まさずに湯船に入っている私は、なんてしっかり自分の体を労っているのだろう、と。
つぎに、浮かんだゆずの鮮やかな黄色を見て、ふと思う。日々の忙しさの中でも、季節の移ろいを果物で感じられている私は、なんて細やかな暮らしをできているのだろう、と。
もちろん、その場しのぎで安直なのはわかっている。こんなんでチャラになったと思って調子にのるなよと、と思いながら、つい一人で笑ってしまう。「やっちまった」を重ねながらも一年の終わりまでなんとか走ってきた自分に、 笑ってOKを出しながら、温かく包み込む。私にとって、ゆず湯はそんな自分をねぎらう、欠かせない儀式なのだ。
そして、この温かく包み込んでねぎらう感じ。そこから漂うのは、「母親」の存在なのだ。実家で幼い頃に、ゆず湯を用意してくれたのは母親だ。家族の体や、心の豊かさを想って用意してくれたゆず湯。自分という家族を大事にできた自分と、母親の存在が重なって心も温かい気分になるのだ。
100円で簡単に手に入る、鮮やかな色の丸いもの。そして、手にした人に少しだけ日常を忘れさせてくれる。そして、わくわくなのか、ほっこりなのか、驚きなのか、小さな喜びと遊び心をくれる存在。
ゆずは、大人のガチャガチャだと思う。
あと2週間で2018年が終わる。
きっと皆さんもさまざまな「やっちまった」を抱えていると思う。100円と30分もあればできるゆず湯で、やっちまったをチャラにして新年を迎えてみてはいかがだろうか。
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