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私は三浦さんが羨ましい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《土曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川村 春香(ライティングゼミ・日曜コース)
 
 
私は三浦さんのことが羨ましい。
三浦さんというのは、天狼院書店店主であり作家であり様々な肩書きを持つ「三浦 崇典」さんである。初めてお会いしたのは6月、天狼院書店のイベント「秘めフォト」だった。その時の三浦さんはカメラマンで、私は参加者でいた。参加目的なんてなく、広告が気になって直感で申し込んでしまったのだ。
撮影当日、会場であるスタジオへ最初に到着した私は控え室で他の参加者を待った。するとどうだ、やって来る人、来る人、美しい。年下年上関係なく、細身が多い。胸もある、足も細い。ボディーラインが綺麗。
 
「終わった」
 
心の中で呟いた。見た目も中身も自分と正反対の人ばかりしかいない。自分に自信があって、ポジティブでメイクとか可愛いものとかに詳しそうで何よりも、女子力が高そう。思えば天狼院のスタッフさんもそんな感じだとそこで思った。やってしまった。イベント開始数分後に後悔をした。嗚呼、なんて場違いなところにきたのだろう。直感なんて言い方を変えれば「軽はずみ」でしかない。自惚れもいいところの現状だった。
だってこれから私は、セクシーな写真を撮るのだから。
控え室で食べたお菓子がいつになく味がしなかった。
 
撮影が始まった。周りの人たちがあれよあれよという間に服を脱いでいる。そして撮影が終わるとみんな笑顔に溢れている。他の撮影にも歓声がわく。何じゃこれ。
参加しているのに自分の心境と世界観が追いつかなかった。
逃げたい。ただ帰るにしても空気を乱しそうで、必死の抵抗としてわざと最後の方に順番を回した。控え室にあった姿見の自分が何とも醜い。自分の番がやってきた。目が少し潤んできているのがわかる。足取りが重いまま、白いふわふわのソファーに寝そべった。
 
「帰りたい……」
 
遂に心の声が言葉になってしまった。すると三浦さんは、
 
「そうやって言う子ほどこれ、ハマるから」
 
と笑いながら返してきた。
そこから私はやけくそになった。
もう努力も悪足掻きも出来ないのだから今の自分を晒け出すしかない!
やるしかない!!
シャッターが切れる。
 
「え、ほんとに緊張してる?」
 
また笑いながら三浦さんが言った。
どういうことだ。撮られた写真を確認すると、見たことのない決まりきった顔つきの自分がいた。何じゃこれ。
笑うしかなかった。おい、これではノリノリにやっているように見えるだろ。さっき帰りたいとか抜かしていたのに。そのままシャッターが続けざまに切れた。無意識に私は顔を作っていた。衣装やシチュエーションを変え、何枚も撮る。他の人たちからも歓声が沸く。その度にカメラを見ては「はー」だの「ほー」だのへらへらして語彙力を無くしていた。何がなんだかもう分からなかったのだ。
三浦さんは人を立てるのが上手い。決まった、いいねと、とにかく褒め倒す。きっと他の人たちはこの言葉に背中を押されて、自分を解放していくのだろう。やけくその私はというと、寧ろ何故こうも人にポジティブな言葉を投げかけられるのだろうかと気になっていた。あまり褒められたことのない私からしたら、三浦さんの言葉は正直刺激が強く、信じられない。罵倒や貶しをいつかされる、陰ではどうせ何か言われる、写真を買ったとしても私の写真だけなんか少ない、お金を払っていてもそこまで考えていた。だからこそへらへらしてしまっていた。慣れていない褒めの数々はどうにも耳に痛い。カオスな心境を整理するしかないのだ。だからといって私は人を褒めるのが出来ないというわけでもない。
要するに三浦さんの言葉には常に自信があって、その自信は自分そのものからあふれ出てくるものなのだろうと思った。自分に自信があるから、カメラマンや作家などマルチに活動が出来て、新しいことも積極的に始められるし、人を動かす言葉を投げかけられるのだろう、と。
ものすごく羨ましい。三浦さんは私にないものを持ち合わせていた。なりたい自分に一番近かったのだ。どうにかその魅力を盗むことはできないのだろうか。
 
撮影が終わり、三浦さんとお話しをした。良い機会を与えてくださったこと、次の秘めフォトイベントのこと、他のゼミのこと、言葉数は少ないながらも返してくれた。カオスを切り抜けた私は興奮状態の前のめりで接していたのだと、後から振り返って思った。そういう時程、返ってくる言葉はあまりない。でも三浦さんは、結局のところ最終的には自分の意思ではあるけど、来るからには損はさせないとまた自信満々で話すのだ。こうして私は天狼院ゼミに足を踏み入れることを決意したのである。羨ましい三浦さんの魅力を手に入れるために。
数日後、送られてきた写真の私はやけに自信ありげだった。
なんだ、ちょっとはこんな顔も出来るんじゃないか。
 
 

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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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