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メディアグランプリ

趣味とは、自分だけの最強のビジネス書である


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:金 隆宏(きん・りゅんげん) (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「一生こいつを手放さない!」
中学2年のあの日、ぼくはギターに恋をした。
 
女子達が恋に恋をし、イケてるサッカー部男子がキャーキャー言われているなか、ぼくは独り家でギターを弾いていた。
憧れのあのギタリストみたいに、ギターを弾けるようになりたい!
その衝動だけが、自分にとっての全てだった。
ギターに恋したことにより、その後の人生が人とは少し違う方向に向かってしまったようだが、後悔はない。
とにかく、ギターに恋をしたのだ。
 
テレビを観る時も、音楽を聴く時も、果ては寝る時まで。
とにかくずっとギターに触れていた。弾き過ぎて腱鞘炎にもなった。
当然持っているギターには、全て名前をつけている。
それくらいギターが好きだった。
 
そう、ぼくは気持ちが悪いのだ(笑)
 
それからおよそ20年、ぼくは未だにギターに恋をしている。
ギターは自分にとって、一生の恋人であり、相棒だ。
弾かなくなってしまう時もあるが、それでも自分にとって切り離せない存在なのだ。
 
そんなぼくは仕事について部下やクライアントの社員さんから相談を受けるたび、趣味を持つことを薦めている。
なぜなら趣味を楽しむ中で、仕事や人生に役立つ大事なことが見つかり、それが現実を変えることがあるからだ。
 
ぼくには趣味のギターから教わったことを仕事で実践し、現実が変わった経験がある。
 
 
■ぼくは一度、ゼロに殺された
 
 
ぼくは今から6年前、人生初の営業職の仕事に就いた。
まったくの未経験職種だったこともあり、元来器用なタイプではないので、最初の1年間は契約ゼロ。
ゼロという言葉が、これほどまでに残虐性を帯びているということを、身をもって痛感していた。
「きっと向いていないんだ……」
自分なりに営業やマーケティングに関するビジネス書を読んで勉強したり、上司にアドバイスをもらっても失注に次ぐ失注。
今でこそ大事な経験をしたと思えるが、当時は本当に辛かった。
二十歳を超えた男のくせに、生まれて初めて親に泣き言も言った。
それくらい、精神的に追い詰められていた。
 
そんな当時のある日。
今日こそは! と、ぼくは意気込んで商談に向かった。
そこに登場したのは、幾千も修羅場をくぐったからこそ纏うことの出来る、圧倒的な威圧感を持つ相手先の社長だ。
 
ぼくはその威圧感に、完全に呑まれた。
今思えば丁寧に対応してくださったのだが、“ゼロ”に殺されている当時のぼくに、それに気づくほどの、余裕も自信もなかった。
焦って一辺倒に説明を終えた挙げ句、「……すみません、後日また連絡させていただきます」と、何故か謝り、そそくさとその場を後にした。
恥ずかしながらビビってしまったのだ。
それくらい、呑まれていた。
 
しかし、連絡するとは言ったものの、その後1週間ぼくはその社長にメールも電話もできなかった。怖かったのだ。
社長が怖かったのではない、また失注するのが怖かったのだ。
「失注して傷つくくらいなら、何もしないほうがいい」
 
今思えば「デカイ図体して、なんて情けない奴!」とケリを入れたくなるが、精神的にかなり追い詰められていたんだろう。
 
「おい、このまま逃げるのか?」 
頭の中のもうひとりの自分の問いかけに、答えられずにいた。
 
■なにもせずに悩むくらいなら、下手でも手を動かす
 
そんなある日の晩。
ふと忙しさにかまけて全く触って居なかった、ギターを手にした。
 
ギターに限らず楽器というのは一日でも触らないと、いとも簡単に下手になる。
終いには自分の下手さに嫌になり、触る気にもなれなくなる。
こうなると地獄の始まりで、再び上達するにはかなりの時間がかかる。
実際この時のぼくも、仕事に忙殺され、あれだけ好きだったギターを弾かない日が続いていた。
 
ギターを手に取り、何気なくいつものフレーズを弾いた。
やっぱり上手く弾けない。
それどころか、ただでさえ下手なのに、更に下手になっている……
 
(うわぁ、弾く気なくすくらい下手だなぁ……)
 
と思った次の瞬間、今まで聴いたことが無い美しい音が鳴った。
ぼくが鳴らしたのではなく、ギターそのものが持っている「良い音」が鳴ったのだ。
 
ギター弾きならわかると思うが、ギターにはたまにこういう事がある。
木で出来ている楽器だからなのか、コンディションによって、弾き手の意志とは関係なく、ギターが勝手に良い音を鳴らす時があるのだ。
 
その時、ぼくは気づいた。
「ギターと同じで、何もしなければますます下手になるだけ。 下手でも動き続ければ、いつかは上手くなる! このどうしようもない現実を変えるには、下手でも動くしかない! よし! 明日社長に連絡してみよう!」
 
翌朝、ぼくは社長に電話をかけた。
 
 
■好きだからこそ、大切なことに気づけて、行動に移せる
 
 
現実はそんなに甘くなかった。
そう、あえなく失注した(笑)
 
しかしその後に徐々に契約が取れ始め、最終的には小さい会社ながら、ぼくは営業成績トップになった。
下手でも動く、とにかく動く。
実践することで、下手なりに少しずつ力が付いたのだと思う。
 
上手くいかないからといって、ビビって何もしなければ、変わらない毎日が来るだけ。
ぼくは仕事をする上で、根本的にいちばん大切なことを、ギターから学んだ。
それが今でも、自分の原動力になっている。
 
自分が一番好きなギターから教わったことだったからこそ、素直に、納得して、行動に移せたんだと思う。
一番好きな趣味から大切なことを教わって、現実が変わるなんて、最高にハッピーだ。
 
あなたにも、なにか趣味はあるだろうか?
そんなに熱烈に好きなものはない……と言う人もいるかも知れないが、少しでも興味を持ったことがあったならば、まずはやってみたらどうだろう?
やっている内にいつしか一番好きなものになって、それがキッカケで現実が変わることが、あるかもしれない。
 
趣味の世界には、触れる中で自分だけが気づける、大切な事のヒントが沢山ある。
ぼくにとってギターは、どんなビジネス書よりも大切なことを教えてくれる、一生涯の相棒だ。
 
***

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2018-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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