メディアグランプリ

Apple Musicは音楽の四次元ポケット


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:日山公平(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ええーーっ、こんな音楽まであんのかよ!」
地下鉄で、iPhoneの画面を見ながら、思わず叫びそうになった。
あるサイトを見ていたら、中学時代に好きだったアーティストが現役で活動しているのを見つけ、ふと思い出して曲を検索すると、当時何度も聴いていたアルバムの全曲が出てきたのだ。
 
またある時は、
「このカフェでかかっている音楽が結構いいな。どこかのラテン系の音楽かな?」
曲名をShazam(曲を検索できるサービス)で調べてみたら、その曲だけではなく他の曲とともにアルバムごと出てきたので、思わず全部ダウンロードしてしまった。
 
そのサービスとは何か?
定額で約5000万もの曲が聴き放題サービスのApple Musicである。
正直最初は、月額980円の定額であることに抵抗があった。
サービスを使わない月でも自動的に引き落とされてしまう、そんな状況が嫌だったからだ。
 
ただ、3ヶ月無料という庶民感情をくすぐる特典に引かれてしまい、
「3ヶ月の無料期間が過ぎる前に、解約すれば無料で使いたい放題だな」とずるい考えの元で使い始めた。
 
どころが、見事にAppleの戦略に乗せられてしまい、半年過ぎた今もApple Musicのとりこになってしまっている。
 
もはや、音楽に対する概念が変わってしまった。
音楽は「所有するもの」から、「共有するもの」に変わった。
音楽が「モノ(CD等)として存在する」から「空気のように、そこにある」ものになった。
あらゆるシーンで、いつでも自分の好きな音楽が出てきてくれる四次元ポケットのようなものになったのだ。
 
今まで街を歩いて、聴こえてきた音楽が何となく気になったことはないだろうか?
そんな時、今までは何の曲かわからず通り過ぎてしまい、いつの間にか記憶の片隅から消えて、一生その曲と再会できないケースがほとんどだった。
それが、ShazamとApple Musicの組み合わせで、その場で何の曲かわかって、ダウンロードもすることができるようになった。
 
また、自分の好きなジャンルの音楽があれば、同じジャンル好みの人が編集したプレイ(音楽)リストを見ることができて、自分がそのジャンルで今まで知らなかった曲にめぐり合うと、より自分の好みの幅が広がったりする。
逆もしかりで、SNSの感覚で自分の好きな曲を集めて独自のプレイリストを作成することで、人にその良さを知ってもらうこともできる。
Apple Musicによって音楽の楽しみ方が、ガラッと変わってしまった。
 
またApple Musicは、「人はなぜ音楽を聴くのか?」という問いに答えてくれた。
ある有名な登山家が「人はなぜ山に登るのか?」と聞かれて、
「そこに山があるから」と答えたように、
「そこに音楽があるから」と答えられるのがApple Musicだ。
 
でも、それだけではない。
人が音楽を聴くのはもっと何かの理由がある。
「好きなアーティストの曲に浸りたいため」
「自分の心を高め、奮起させるため」
「傷ついた心を癒すため」等々、その日常のシーンによって、理由は変わってくるだろう。
 
私もその時々の気分やシーンによって、聴く音楽は変わる。
しかし改めて、ふと昔の自分が聴いていた曲を、聴いてみたいと思う時がある。
昔の自分にタイムスリップしたいという欲求だろうか。
それに応えてくれるのもApple musicだ。
 
僕はApple Musicでは、小学校から大学時代に至るまでに聴いていた曲をプレイリストに入れる傾向がある。
それは過去の自分が感じていた、当時抱いた気持ちを思い起こさせるためだ。
そんな気持ちを思い起こさせることで、自分の原点を感じ、今がつらい時でもやってやろうという気にさせてくれる。
あの淡い、どことなく不安でありながら、自分の可能性を無限に信じられて、未来への希望も入り交ざったあの想いを味わうことで……
 
あの頃の自分をふと思い出す。
高校時代に好きだった人になかなか想いを告げられず、内心悶々としていたとき、
柔道部の部活の練習がつらく、逃げ出したかったとき、
クラスの中で同級生となかなか打ち解けられず、昼休みに話す友達もいずに、独りでさみしい想いをしていたとき……
そんなつらく苦しい時に、自分を心から支えてくれたのが音楽だった。
音楽を聴くことで、自分を信じる力を湧かせることができた。
 
しかし、社会人になって、しばらく音楽から離れてしまった時期があった。
そのため、社会人になってからの十数年間は思い出の曲というものが存在していない。
そんな音楽から離れていた自分を、再び音楽に巡り会わせてくれたのがApple Musicだった。
 
日々の生活に追われ、いつの間にか日常に忙殺されるだけの毎日であることに愕然とする瞬間がある。
そんな時に、かつて昔の自分が聴いていた曲を聴くことで、当時の自分の想いや記憶をたぐり寄せ、あの気持ちを思い起こすことで、前に進む勇気を呼び起こしてくれる。
いつでも、どこでも空気のように存在し、好きなときに四次元ポケットの中から、目的に応じてひみつ道具を取り出せるような感覚で音楽に触れられる……それがApple Musicなのだ。
 
人生は出会いで決まるという。
その出会いには音楽も含まれるだろう。
昔聴いていた音楽との再会と共に、新しい音楽との出会いもさせてくれる。
 
この原稿をカフェで書いている今、かかっている音楽が気になったので、
今日も僕はShazamで調べて、Apple Musicでその音楽を自分のプレイリストに加えた。
今後もこんな音楽との思いがけない出会いが待っていると思うとワクワクする。

 
 
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2019-02-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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