メディアグランプリ

「呼吸以外なにもしたくない」と思ったら読みたい、心が晴れる読書リスト


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【3月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《火曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:齋藤おり(ライティング・ゼミ土曜コース)
 
 
新年明けて早くも2ヶ月が経とうとしておりますが、社会人の皆々さまにおかれましては、溢れるやる気と生気に満ちて勤労に励んでおいででしょうか。
 
かくいう私は1月をもって数年に亘り勤めた企業を退職。
無職歴も早2ヶ月目に突入いたしました。
 
現在は持て余した勤労エネルギーを糧に、日々家中の床という床をみがき、これまた家中の家具という家具をふき上げ、仕上げに現時点でのわたしの最高可動域である自宅から数十メートルのスーパーで、いかに効率よくすべての売り場をまわり、必要十分な生活用品の買い物をするかに心を砕く、そんな毎日を送っています。
 
会社員時代には、宅配便の最終配達時間にすら帰宅できないおかげで、手にするまでに2週間もかかっていたAmazonだって受け取り放題で、あまりの快適具合に「この生活に慣れきったら二度と社会復帰できんぞ……ッッ!」と戦々恐々、肝に銘じながらの日々を過ごしております。
 
さて、生き馬の目を抜く勤労戦線を第一線で働かれている皆さまにおいては
 
「もうどうにもこうにもベッドから動きたくなーい!」
「風呂にすら入りたくなーい!」
「今立ち上がって顔洗うくらいなら死にたーい!」
 
なんて思う日もあったりなかったりするのではないでしょうか。
(万が一「毎日だ!」という方いらっしゃいましたら、むしろ今すぐ速やかにお布団に入って眠ることを強くおすすめいたします…。)
 
そこで今回は、「呼吸以外なにもしたくない」ほどやる気がない時に読める、心が晴れやかになる書籍をピックアップしてみました。
では、早速いってみましょう!
 
① 『cook』(坂口恭平=著 晶文社=刊)
2012年に刊行した『独立国家のつくりかた』が話題になり、現在は作家、建築家、音楽家、画家と幅広く活躍されている、坂口恭平さんの最新刊。
「建てない建築家」が作り上げたのは、なんと異例の料理書です。
 
料理初心者で、躁うつ病を抱える著者がはじめた「治療としての料理」。
『米を研ぐ、米を炊く』からはじまる、料理という名の30日間の実験日記がつづられています。
著者自らがiPhoneで撮影したという素朴な料理写真と、ゆるやかな手書き文字で構成されたページをくくれば、なんだか不思議と心がほぐれていくのです。
 
「知るとうれしい、手を動かすと治療になる。
家事は栄養になり健やかさを得る。
金では決して買えない、最高の薬です。」
 
と記されるとおり、卵焼き、パスタ、アジの3枚おろしと日々新たなメニューに挑戦し続ける姿と、料理という「人類が最初にはじめた創造」に喜びを見出していく心の機微をたどれば、自然と心が台所へと向かいます。
 
野菜から土を落とし、鍋に油を注いで、火と向き合う。
原始の創造のよろこびを思い出せる豊かな思想にあふれた一冊に、心が癒されます。
 
② 『仕事文脈 vol.13』(タバブックス=刊)
出版社タバブックスが発行する「すべてのゆかいな仕事人のための」リトルマガジン、仕事文脈シリーズの第13号の特集テーマは『特集:悩み、うざい』。
 
精神科医、春日武彦先生へのインタビュー「悩まないコツを教えてください!」や、キリスト教らしからぬ(?)クスッと笑えるツイートが人気となり、現在フォロワー数が7万を超える上馬キリスト協会が「基本的にゆだねる生き方」を語った記事など掲載。
 
「お悩み大放出」のコーナーでは読者から寄せられたお悩みたちを、誌面で一挙放出。
回答はないにもかかわらず、多種多様な職種、年齢、状況の悩みの中から自分と近しいものを見つければ、「ああ、わたしだけじゃないのね……」と不思議な安堵感が生まれます。
 
うつ病を患った際に、本にじっくりと向き合うことで心が安定したという、筆者が記した『「うつ」と「心」のブックガイド』や、様々な仕事人たちへインタビューした『35歳からのハローワーク』も、新たな可能性が芽吹くのを感じられる楽しい特集です。
仕事でこころが疲れたら、是非手にしてほしい一冊。
 
③ 『手から、手へ』(池井昌樹=著 山本純司=編集 集英社=刊)
帯には、詩人、池井昌樹と写真家、植田正治の家族写真でつづられた「家族のものがたり」とありますが、決して単純なアットホームな家族愛を描いた作品ではありません。
一編の詩がこんなにも力強く、ひとりの人間が生きていくことを勇気づけることがあるのだろうかと思えます。まるで本そのものが祈りを体現しているよう。
 
家族と遠く離れ、もしくは不仲ゆえにひとりで暮らしていて、働いて、すり減って、疲弊してしまっている人におすすめしたい一冊です。
美しい写真と文字組で構成された書籍の佇まいにも、心が洗われます。
 
以上、「呼吸以外なにもしたくない」と思ったら読みたい、心が晴れる読書リストをお届けしました。
疲れたら一に睡眠、二に食事、三四がなくて、五は「魂の栄養になる」良質な書籍とつくづく思う今日この頃。
皆さまもどうぞ素敵な《READING LIFE》をお過ごしくださいませ。
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-02-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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