メディアグランプリ

検証!リバウンドの落とし穴。こんまり流「人生がときめく片づけの魔法」は、もう一度私にかかるのか。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【3月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《火曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:美友(ライティング・ゼミ土曜コース)
 
 
「それ、ときめきますか?」
 
2009年、12月。目の前にいるのは、ふんわりしたスカートに淡い色のジャケットを着た、本当に可愛らしい彼女。まっすぐに私の目をじっと見つめて、私に問いかけた。
 
時は変わって、2019年、2月。東京天狼院のライティングゼミの受講後、残っている何名かと雑談している時、1冊の本が目に止まったのだ。その本は、彼女の処女作だった。
 
彼女と出会ったのは、北参道の勉強カフェいうところのセミナーだった。最後まで残ったのも私だけだったので、最後に色々と雑談をした。個別にコンサルティングをしているとのことだった。その頃、彼女は処女作の執筆中で、あの本はまだ世には出ていなかった。
なんだかよくわからないけど、この人すごいかもって直感を感じたのだ。
 
何より往年の私の悩みを解決してくれそうだった。
そう、私は片づけが本当に苦手だった。
 
彼女とは、片づけコンサルタントの「こんまり」こと、近藤麻理恵さんのことだ。
 
2015年には、TIME誌で「世界で最も影響力のある100人」にも選出された。今年に入ってからは、アメリカのNetflixで彼女の処女作、「人生がときめく片づけの魔法」の本をもとにした、こんまり流の部屋の片付けを実践する動画配信もスタートした。アメリカでもブレイクしている。今や、シリーズ本は累計1000万部を超え、40カ国以上で翻訳され、その名は今や世界に知れ渡っている。
 
キレイでも、スッキリでもない。こんまり流は「ときめき」が全てだ。
 
1つ1つものを触り、ときめくか基準で物を捨て、残すものを決めていく。
しかも片付けで人生が変わってしまう、「リバウンド率ゼロ!」と断言している。
 
懐かしいなとその本を手に取りながら、ふと我に返った。いや、ちょっと待って。今の私、人生ときめいてないし、部屋めっちゃ汚い。
リバウンドしてるじゃん、私!
こんまりメソッド、リバウンドゼロ説は崩れてしまったのだろうか。
 
この時は、まだ私は落とし穴には気がつかなかった。
 
帰宅して汚い部屋の現実を目にして、魔法が切れたシンデレラのような、少し惨めな気持ちになった。
 
片づけリバウンドした私でも、もう一度ときめきを取り戻せるだろうか。
 
最近書店にもで始めた改訂版の本を片手に、10年ぶりに片付け祭りを決行することにした。
 
当時は事前に何回か座学と対話があり、最後に自宅に来てもらい、半日×2回程度かけて、片付けを実践をするという流れだった。最初の数回、片付けをするわけではなかったのだ。
 
まずは、「理想の暮らし、部屋」を次回まで考えてくるように言われた。
 
仕事での疲れを癒してゆったりとした時間を過ごしたい、アジアンリゾートみたいなリラックスできるお部屋にしたかった。
 
実践では、まずは衣服から取りかかる。家中のあるありとあらゆる衣服類全てを畳の上に一旦全て出す作業からはじまった。そして、それはとてつもなく、膨大な作業のようで気が遠くなりそうであった。1つ1つ手に取り、ときめくか?と問いかけ、捨てるか、残すかの判断をしていく。
 
なんと、結果、約5時間近い作業後のゴミ袋は、全部で15袋にも及んでいた。
そうして、いつもだらだと見ていた時間泥棒のTVさえも次の粗大ゴミの日に捨てた。
 
短期間に「祭り」のように、集中して一気に終わらせることで、劇的に意識が変わるということだった。5時間前まで、汚かった部屋が、しゅんとした神社にお参りした時のような、凛とした空気感。自分のとっておきなものに囲まれていると、とてつもなく幸せで満たされた気持ちなった。あんなに捨てたはずなのに。
 
劇的アフターの私の人生はどうなったか。しばらくしてから、学生時代からやりたいと思っていた仕事に転職することになった。疲れた日の夜は、ゆっくりお風呂に入り、キャンドルを灯して家でゆっくりした時間を過ごすことができるようになった。昔好きだなっと思ってた人が京都から上京するということで、家に遊びにくることになり、部屋をほめらた。
 
あの時、確かに「私には人生がときめく魔法」がかかっていた。
 
そんなときめく記憶を取り戻そうと、私はこんまりさんの本をもう一度復習して、2019年の自分の衣服たちを全部取り出して、床に並べはじめた。
 
1つ1つ手にとった直感で決めていく。10年前の体感覚のようなものを取り戻してきた。
あれよあれよと不思議なことに、ゴミ袋3袋の山ができていた。
 
「カチッくるポイントにぴったり物が収まるんです」
 
不思議なことに、残した大切なものを今あるスペースに収まるのである。これは本当に不思議だった。衣服だけで、相当な疲れが出た。
 
そして、リバウンドの落とし穴に気がついた。
 
こんまりさんは、一番最初に言っていたことだった。本の最初にも書いてあった。
「片付けの順番は、絶対守ってくださいね」
 
それをすっかり忘れていたのだ。
 
順番というのは、簡単に言うと、捨てるを最初にし、定位置を決め、元に戻すこと。
 
結局定位置を決めずに適当に重ねたり投げ出しておいてしまっていたのだ。戻す場所も決めずに、それ以前、自分にとっ手必要なものか不要なのかさえわからなくなっていた。
 
そして、私自身の体験を通じてはこれが一番大事な順番だと思うことがもう1つある。
捨てる作業を始める前に、こうなりたい、理想の暮らしを再確認することだ。
 
なぜその暮らしがしたいのかを何回も掘り下げていくと、結局片付けをする理由は、
「自分が幸せになるため」とこんまりさんは言っている。
 
片付けとは、自分にとって人生の中で何が大切かという判断をしていくという行為そのものだった。捨てることは大切なものを残す、つまり大事なことを確認すること。そして、自分がどうしたら幸せになるかいう人生の判断基準を研ぎ澄ませていく行為なのだ。
 
片付けとは、目的ではなく、物を通して、自分自身と向き合い、自分自身を幸せにするための手段の1つなのだ。
 
だから、片付いたあとは、人生の判断もときめくものしかしなくなる。なんとなくこれでいいやと妥協しせず、自分の人生において、大事なものを選び取っていけるというわけだ。
 
妥協ばかりの人生から、大事なものだけを自分が選んでいく幸せな人生の変わってくのだ。
 
まるで魔法のように。
 
まさに、従来の片付け本とこんまりメソッドの違いはここにある。こんまりさんの本には、もちろん片付けの方法や、物を大切にする整理の仕方など具体的な手段も書いてあるが、自分は何を目指すのか、なぜそれが大事なのか、本質に迫る人生の指南書とも言える内容なのだ。
 
リバウンドはしてしまったのだが、一度覚えた「こんまりメソッド」は再現性可能なことも、今回の片付けで実証された。
 
何度も何度も片づけに挫折したことがある人、何だかここ最近毎日もやもやしているなと感じている人には、ぜひこんまりメソッドを試してほしい。千円弱で、一生モノの片付けノウハウ、いや自分が幸せになるためのマインドセットが手に入る投資効果は高い。
 
片付けが終わった後には、人生がときめく魔法にかかることができるかもしれない。
 
この順番さえ間違えなければ。
 
先週末まだ衣服だけだだったが、今週末も片付け祭りを開催していこうと思う。
その先には、今度は、どんな人生のときめきが待っているんだろう?
 
 
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2019-02-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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