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まとめ買いは腐敗へのカウントダウン


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:丸山ゆり(ライティング・ゼミ平日コース)

「あれ? もう今日は金曜日?」
そんな言葉を何度つぶやいたことでしょう。
新しい週が始まったと思っていたら、もう週末を迎えることに。

私たち女性は、毎日本当に忙しいのです。

家事、子育て、さらには仕事も持っていて、時間に追われる生活を送っています。
朝から分刻みのスケジュールで動きます。
朝食の用意、子どものお弁当作り、掃除、洗濯を済ませて、最後にゴミ出しもしてから急いで仕事へ。

そして、一日しっかりと働いた後、やっと帰宅。

でも帰り道では、食材の買い物をして、帰宅してからも息つく間もなく夕飯の用意です。
お腹を空かした子どもたちが待っていますし。

本当に私たち女性の毎日は、クタクタなのです。
一日はあっという間に終わってしまいます。

そんなスケジュールの中で、まとめてできる家事が、食材などの買い物です。

休日などの時間があるときに、1週間分の食材をまとめて購入しておくと、仕事終わりでスーパーに駆け込むこともなくなります。
会社を出て、疲れ切っている時にスーパーやデパ地下での買い物は、さらに疲弊しますから。

家に食材が用意されていると思うと、まっすぐ帰宅してすぐに夕飯づくりに取り掛かれます。
お肉や魚は冷凍をしてあるし、野菜室にもお野菜のストックはたっぷりあります。
特に、まとめ買いをした翌日などは、どんな献立でもOKです。
お野菜やお肉、お魚もたくさん、冷蔵庫の中で待機してくれています。
レパートリーが少ない私でも、メニューが次から次へと浮かんでくるものです。

「豚肉があるから、白菜と一緒に蒸してもさっぱりしていておいしいなぁ」

それとも、

「八宝菜にして、具沢山のおかずにしようかな?」

「良いお肉もあるから、すき焼きもいいな!」

帰宅後は、ちょうどお腹も空いているので、あれやこれやと食べたいものが思いつくものです。

ところが、そんな楽しいメニューを考えている時間はそう長くはないのです。
冷蔵庫をのぞいて、野菜たちの顔を見ると、ハッと気づくのです。
「でも・・・、ホウレンソウやもやしは、すぐにしな~っとするから、こっちから使わないと」

いや、それだけではなくて、

「しいたけやえのきだけなどのきのこ類も、すぐに変色するしなあ」

同時に野菜だけではなくて、お豆腐や油揚げの賞味期限も気になり出します。
「あ~、白菜と豚肉を蒸したり、八宝菜を作ったりするのはまた今度でいいわ。今日は、ホウレンソウのおひたしや、キノコを使った炒め物にしよう」

そうなのです。

自分の家事をラクにしようと思って、時間に余裕があるときにやっておいた食材のまとめ買い。
ところが、一気に冷蔵庫に並んだ生鮮食品を見ていると、気づくのです。

食材は鮮度が命。
その鮮度は、刻一刻と落ちてゆくのです。
新鮮な食べ物も、時間が経つにつれて変化してゆき、おいしい食べごろの時期というのは、本当に短いものなのです。
主婦として、食材を前にして、食べたい物を作りたいと思うものです。
ところが、野菜室の野菜たちの症状を見ていると、
「アカン、助けてあげないと!」
そんなレスキュー本能が作動し始めて、もう私が食べたい物なんて、どこかへと消えてしまうのです。

早く食べる方が、新鮮でおいしいに決まっています。
だったら、「足の速いモノから料理して食べていかないと」という思いに変わってゆくのです。
本来は、食べたい物を作って食べたいのですが、食材の鮮度や賞味期限を基準に夕飯の献立を作らないといけないなんて……。

そうなると、仕事から疲れて帰ってきたのに、食べたい物を食べられず、なんだかがっかりです。
それどころか、野菜やお肉の心配をさらにやらなきゃいけないなんて、ちょっと悲しすぎます。

便利だ、家事が助かると思ってやったことも、実は逆になっていたのですね。
まとめて一度に購入したお野菜などの食材たち。
日に日に鮮度は落ちてゆき、やがては腐敗してしまうこともあります。

葉っぱのお野菜のその下で、しんなりを通りすぎてしまったキュウリを発見したことは一度や二度ではありません。

目先のラクを優先して、まとめ買いをしていたのですが、結局は自分が苦しくなって、困っている状況を引き起こしていたのです。

買い込んだ食材から追い立てられているような、そんな気持ちになってしまうのです。

「これは早く食べないと」
「あれも早く食べないと」

まとめ買いの買い物は、一見、ラクで助かるように思いますが、実は鮮度は落ち、腐敗への道をたどることだったのです。
やっぱり、会社の帰りに、スーパーへ寄ってお買い物をする方が、いいのですね。
食べたい物を、食べたいときに、食べたいだけ購入。
家事としてはラクにはなりませんが、夕飯が楽しい時間になることは間違いないかな。
 
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2019-03-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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