メディアグランプリ

七号食は手術後と同じ


 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:mayu(ライティング・ゼミ土曜コース)

最近、身体に悪いものばかりに目が行く。
身体に良くないとわかっているのに、やめられない。
段々暖かくなってきたし、そろそろ減量しないと、また今年も腕を出せないまま夏が終わってしまう。
そんなことを考えていたら、数年前にチャレンジしたことを思い出した。

「七号食って知っていますか?」
こう聞いてきたのは、職場で隣の席に座っていた20代の女の子。

「玄米ご飯だけを十日間食べて、身体をリセットするんです。痩せるらしくて、やってみようと思って、申し込みしちゃいました!」
彼女はそう教えてくれた。

毎年暖かくなると、ダイエットではなく、減量が口癖の私。
彼女が申し込みをしたサイトを見ると、確かに身体に良さそうで、変化も出そうだ。
私も一緒にやる! と便乗することを決めた。

七号食についての知識が無いため、安全で楽なことを最優先し、初心者用のセットを選択。
七号食のやり方説明本や、梅干し、ごま塩などもついているお得なセットを申し込みした。

席が隣の彼女と毎日玄米ご飯パックのランチタイムがスタートすると、
「二人して丸い形の何かを毎日食べているけれど、あれは何だ?」と周りの人は気になったらしい。
チラチラ見られたり、何を食べているの? と興味津々で声をかけられたりもした。
玄米しか食べない生活に挑戦中だというと、面白がってお菓子を配りに来る人が何人も出てきて、誘惑が多い日もあった。

それでもどうにか欲望に打ち勝ち、七号食をやりきった結果、身体の余計なお肉はが減った。
周りの人にやせたねと言われるくらいの変化だった。
減量成功である。

その数週間後にあった健康診断では、ここ数年で一番体重も軽く、色々なところが細く、何とも嬉しい結果をたたき出した。
ウエストが前年とかなり違い、先生に心配されたくらいだった。

 

そんな身軽になったはずなのに、今はすっかり誘惑に負ける身体に戻ってしまった。

普通の人とは違い腎臓が一つ少ない私にとって、食事は本当に大事で、残り一つの腎臓に負担をかけることは良くない。塩分の摂りすぎには注意するように言われているのに、身体に良いものを食べなきゃと思ってはいるのに、行動が伴わない。
自分の意志ではどうにもできなくなってきている状況に、ちょっと危機感があった。
毎日自己嫌悪になる生活を終わらせたかった。
だから、今回また挑戦してみようと思ったのだ。

暖かくなって薄着になっていく季節も近いし、口癖の減量も始めないといけない時期。
そして何と言っても今年のゴールデンウィークは10連休!
10日間チャレンジがピッタリだ。
数年前は会社の人に見られてあまり良い気分ではなかったので、こんな絶好のタイミングがあるならば、やるしかない! そう思えた。

 

以前七号食を始めた時、少し眠くなった記憶がある。
瞑眩反応(めんけんはんのう)の一つだとネットには書かれている。
肌が土色になったり、フラフラしたり、乾燥することもあるらしい。

この反応が今回もきっと出るだろう。
過去最高に最悪の食生活を数カ月続けてしまっているのだから。
そうなると、長期休暇が訪れたこのタイミングに感謝しかない。

本当に玄米のみの生活。おかずもお味噌汁も一切無し。
正直、七号食を始める前は私もキツそうだなと思っていたのだけれど、いざ始めると、不思議と玄米だけでお腹がいっぱいになった。
通販で購入した玄米がとても美味しいこともあって、案外苦しくなく続けられたと記憶している。

玄米はパサパサしているイメージだったのだけれど、このパックの玄米はもちもちだし、同じ味ばかりで飽きてしまうのだけれど、ごま塩をかけて後半は味を変えて美味しくいただくことができた。

食感が同じでだんだん飽きてくると、セットについていた梅干しを食べて気を紛らわす。

 

こうして七号食生活を続けている内に、いかに普段自分が食べ過ぎていたかに気が付くことになる。
七号食を続けることで、胃が小さくなっているのだと思う。

そして、食べたいと思うものが変わってくる。
もともとスーパーなどのお惣菜は味が濃すぎて受け付けないのだけれど、そんなレベルではなく、味覚が研ぎ澄まされるのかもしれない。本当に美味しい、身体に優しいものしか食べたくなくなるのだ。

何より一番期待しているのは、お菓子断ち。
前回七号食をしている間、お菓子に全く興味が無くなった。
今は毎日お菓子を食べている状態。
これをどうにかしたい。

 

人生初の手術後は、麻酔が切れた数日、痛みでずっと唸って過ごした。
もうこんな痛い思いはしたくない。そう思って退院後は、本当に食べるものに気を付けていた。
自炊もするようになり、身体に優しいものを食していたと思う。
それでも数年すると元通り、いや元通り以上に悪い生活になっている自分がここにいる。

最悪の時を思い出し、二度とそうなりたくない。とずっと意識し続けることが私には難しかった。
それならば、痛みを伴わず、健康体を手に入れる方法、断食よりも優しい七号食を思い立った時にやればいいじゃないか。
手術後のように食に意識を強く向けられる術があるならば、使えばいいじゃないか。そう思ったのだ。

七号食はダイエットではなく、結局のところ、日々の食生活を見直すということに意識を向ける効果が高いのだと思う。こんなに毎日お菓子を食べていた私ですら、10日間頑張れたのだから。

数年で戻ってしまったけれど、最後の砦があることは自分にとっては救いだ。
最後の砦だからこそ、10日間精一杯取り組もうと思う。
平成最後のチャレンジ。最高の結果を出し、新しい時代を軽やかに、心地よく過ごしたいと思う。
 
 
 
 
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2019-04-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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