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メディアグランプリ

子育ては仕事のあとのビールである


 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鹿内智治(ライティングゼミ・日曜コース)

去年のクリスマスの少し前のこと。
5歳になった息子に「サンタさんに、なんてお願いするの?」と聞いた。
そうしたら、「自転車をお願いする!!」と満面の笑顔で答えてくれた。

どうやら同じ幼稚園に通う子たちが自転車を乗り始めていて、自分も乗れるようになりたいというのだ。

「いいねー!サンタさんにしっかりお願いが届くといいねー!じゃあサンタさんにお手紙書こうか!」
そう提案するとさらに笑顔になって、「うん!」と言うと、覚えたばかりのひらがなで大きな画用紙にサンタさん宛に手紙を書いた。

その夜さっそく妻と一緒にネットで子ども用の自転車を探し始めた。
いろんな種類の自転車がある中から、息子の好きな緑色のカッコいい自転車を見つけることができた。

「これで、きっと息子も喜んでくれる!」
妻と一緒になってワクワクしてきた。

クリスマスの前日に自転車屋に行った。
数日前に、自転車屋さんから、先日注文した自転車が届いたという連絡をもらっていたので、受け取りに行った。

店員の人に自転車を組み立ててもらい、ブレーキの利き具合などの最終チェックをしてもらった。自転車屋さんからは
「このタイプの自転車は他のタイプより乗りやすくできているので、すぐに乗れるようになりますよ」
そんなことを言われて、一気に想像が膨らんだ。
乗れるようになったらどこへ一緒に行こうかな~、近くの公園も行きたいし、どこかにピクニックに行きたいし。さらに楽しみになりながら小さな自転車を押して帰った。

そして、クリスマス当日の朝。
「起きてーー!!サンタさんから電話で、駐輪場を見て欲しいって!」
サンタさんから早朝に私のスマホに電話があって駐輪場に来てくれと言ってる、と小芝居を妻と打ったのだ。息子は寝間着のまま、エレベーターに乗り込み、
「え~、サンタさんから?なんだろ、なんだろ」と期待と不安が混じっている様子だった。

駐輪場に着き、いつも乗る電動自転車のとなりに、グレーのカバーがかけられた小さい自転車らしきものを見つけた。
「なんだろうね!こんなのなかったよね!?カバー取ってみて!」

グレーのカバーをガサッとはぎ取ると、そこには彼が欲しがっていた自転車があったのだ。
「やった~!!これほしかったんだよ!サンタさんに届いたんだ、ありがとう!」

子どもの最高の笑顔が見れて、本当に良かったと幸せだと思ったのだ。

でも、ここから悪夢が始まった。

さっそく翌日近くの公園で自転車の練習を始めた。そうしたら、

「もう、やだ~!(ガチャ~ン)」

と自転車を投げ飛ばして、息子が怒ってしまったのだ。
どうやら息子にとって自転車に乗ることが想像以上に難しくて、友達のようにうまく扱えないので、イライラしてしまったようだ。

「(おいおい!2万もしたんだぞ!ちゃんと使えよ!)」

そう思ったものの、上から強く言っても機嫌を損ねるだけなのは分かっていた。
それからというもの、息子をなだめすかし、おだてながら、1回で良いから自転車に乗ろうと誘い文句に公園に連れていき、自転車の練習をさせた。
でも、相変わらずすぐに飽きたりイライラしたりして、公園にある遊具で遊び始めたり、他の子どもと遊びだしたりしてしまう始末。

しかも、同年代の子が自転車に乗れているのを横目で見ると、親としても気になるし、子どももプライドを刺激されていたかもしれない。

そんなことをダラダラやっていたら、いつの間にか寒さはだんだんと和らぎ、いつしか桜が咲くころになってしまった。

クリスマスから3ヶ月後。
まだ乗りこなせていなかった。

月に数回の練習だけとなったけども、ようやく子どももなれてきて、よし勇気を出してみる!というので、自分の足でグッと地面を蹴り上げてその反動で、自転車が動いている間に、ペダルをグッと踏み込み、そして次に逆のペダルもグッと踏み込み、バランスを取りながら、なんとか乗ることができた。

「やったーー!!はは、乗れたよ!!」

と子どもは満面の笑みがこぼれいた。

(は~良かった、なんとかここまでこれた~)

3カ月もかかってどうなるかと思れども、ここまでなんとか頑張って、本当に良かった。なにより子どもが達成感を感じてくれていて良かった。

ここまで親としてイライラしたり、面倒だと思ったりしたこともあったが、そういったことが全て報われた瞬間だった。

一次はどうなる事かと思ったけども、ここまで根気よく頑張ってきて良かった。

子育てはまさに、頑張りをトッピングすると最高においしくなるのだ。

まさに仕事のあとのビールと同じだ。

一生懸命仕事をしたあとに飲むビールはなぜあんなに美味しいのだろうか?
思いっきり汗をかいたあとに飲むビールなぜあんなに格別なのだろうか?

私にとってビールは大好きな飲み物の一つである。

追い立てられながらもなんとかこなした仕事のあと、お客さんとの厳しい商談の話をなんとかつけたあと、無事に金曜まで予定通りに終えた仕事のあとには、ビールがまた格別に美味しくなるのだ。

ビールにはたしかにおつまみは、もしかすると、枝豆やキャベツは合うけれども、努力や頑張った仕事が最高のおつまみだと思うのだ。

達成感のあった仕事のあとには、喉ごしを感じながら、飲んだ一口目を飲んだあとには、「くぅぅぅ~」と思わず言いたくなる。

子育てもまさしく仕事のあとのビールのように頑張りや汗が最高のトッピングになるのだ。
 
 
 
 
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2019-04-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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