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音楽歴24年の私が語る、楽器は大人だからこそ始めるべき3つのワケ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:中野彰太(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「英先教育」という言葉を耳にしたことはありますか?
そう、英才教育とは、物心ついたばかりの幼い時からを一つの事をはじめさせ、その子の持つ能力を伸ばそうとする教育のことです。
最近は、芸術や勉強、スポーツなどの幅広い分野で若い10代のうちに「日本一になった」、「プロデビューした」と耳にする機会が多くなりました。
という私も3歳からヴァイオリンを習い始めた、いわゆる英才教育を受けた1人です。
楽器の歴としては今年で24年になり、いっぱしに初めて楽器に触れるような人たちを指導してきたこともあります。
そんな私が、「大人になってからだと上達しないし……」と新たに楽器を始めることを足踏みしている方にあえて伝えたいと思います、「楽器は大人だからこそ始めるべき」と。
その理由は3つあります。
 
 
理由の1つ目は「楽器は長い期間楽しめるから」です。
今の日本では平均寿命は伸び続け、人生100年時代とまで言われるようになりました。
会社員として働いている方にとっては、定年が70歳まで伸びることも今後あるかもしれません。では70歳で定年したその後の30年間、あなたは何をしますか?
スポーツを始めるのもよいでしょう。ですが、人は年齢を重ねるにつれ、運動能力が落ちることは避けようがないことです。もし今あなたが、「なにもすることがないかも……」と思うようであれば、是非楽器を始めることをオススメします。
もちろん、楽器に運動能力が全く必要ない、ということはありません。
サックスを吹くにも肺活量は必要ですし、ピアノやヴァイオリンにも柔軟性や機敏さは必要です。ですが、スポーツに比べてどうでしょうか。大きな怪我をすることはほぼないですし、全力で走る必要もありませんよね。そういった意味で、あなたにとって楽器は長く楽しめる趣味になってくれるでしょう。
 
クラシック楽器を始めたい方の中には、いずれはオーケストラに挑戦してみたい! という人も多いと思います。そんな方は、アマチュアオーケストラに所属してみてはどうでしょうか。アマチュアオーケストラとは、クラシック楽器を趣味や仕事にしている様々な人たちが集まって、趣味としてオーケストラをやろう! と集まる団体のことです。
私がこれまで3つのアマチュアオーケストラに参加していましたが、そのどれもが年齢や性別、職業まで皆バラバラながら仲良く楽しんでいる雰囲気です。中には、祖母、母、娘の親子3代で所属する人がいる団体もありました。
もちろん、団体によって求めるレベルや雰囲気が様々なのは確かです。
ですが、初心者歓迎、ワイワイ楽しく演奏しよう! という考えの団体も全国各地に多くあるので、これから始める方は是非参加を一つの目標にしてみてください。
 
 
理由の2つ目は「楽器の演奏には様々な経験や知識が必要だから」です。
あなたはヴァイオリニストの五嶋龍(ごとうりゅう)を知っていますか?
彼は、7歳でプロデビューした、いわゆる天才であることはもちろんですが、大学時代はハーバード大学で物理学を専攻し、空手は3段、ギター演奏もこなし、大の鉄道好きです。
これだけのプロフィールを見ると「はあ……すごい人はなんでもできるんだな……」と思ってしまうかもしれません。(私は正直思います)
しかし、ここから学べることは「楽器の演奏には音楽以外の幅広い経験が必要」ということです。
 
これから楽器を始める人にとっては当面の目標は「楽器が弾ける、吹けるようになること」
だと思います。ですが、私は「楽器を弾くこと」と「楽器の演奏すること」は違うことだと考えています。なぜなら楽器を演奏することは「あなたの曲の解釈を楽器を使って表現すること」だからです。のびのびとした自然の曲であれば旅行の経験や、悲しい恋の曲であれば、あなたの失恋の経験、戦いの曲であればスポーツの経験が活かされることもあります。
そういった意味で、大人になってから楽器を始めた人には、既にこれまで人生での様々な経験や知識があります。まずは楽器の練習をしながら、是非そのことを頭の片隅に置いておいてください。
 
 
理由の3つ目は「初心者だからこそ伝えらえる感動があること」です。
通称「楽壇の帝王」と呼ばれるオーストリアの指揮者、カラヤンが残した言葉に
「演奏者が盛り上がって聴衆が冷めているのは三流、聴衆も同じく昂奮して二流、演奏者は冷静で聴衆が昂奮して一流」という言葉があります。
新たに楽器を始める方は、この言葉で言うところの「二流」になっていただきたいと思います。決して「一流=プロ」を目指す必要はないと、私は思います。
それは、なによりも楽器を演奏するのが「楽しい」ということが、アマチュアの強みだからです。
 
私は学生時代、少人数制の楽団の所属し、そこで後輩達の演奏指導をしていましたことがあります。初心者も歓迎の楽団であったことから、生まれて初めて楽器に触れる人も多くいました。初めはもちろん、楽器の持ち方もわからない所からのスタートです。
大丈夫かな……と心配になることもありました。しかし、どうでしょう。半年後には周りに合わせて弾けるようになっているではありませんか!
過去の自分を思い返して見ると、ここまで弾けるようになるまでに2〜3年かかっていたのではないか、という急速な成長ぶりでした。彼・彼女らと過去の私との違いはなんでしょうか? そう、楽器を弾くことが「楽しい」ということです。
これが、毎日イヤだイヤだと泣きながら、叩かれながら(適度に)練習した人間と、
自ら「楽器が弾けるようになりたい!」と練習した人間の違いでした。
また私は、楽器を弾くことを「楽しむ」ことは本人の成長に繋がると同時に、演奏を聴いている人にも感動を与えると思っています。
 
夏の高校野球を思い出してみてください。
刺さるような日差しと、蒸し上げる気温の中、白いユニフォームを汚しながら勝ちに向かって走る少年達。その姿を見ている私達は、彼らとの一体感、そして感動が込み上げます。
では、高校野球とプロ野球との違いはなんでしょうか。
それは、「全力でその瞬間に掛ける姿勢が見えるかどうか」です。
一流が第一に求められるのは「結果」です、一方で二流が求められるのは「姿勢」ではないでしょうか。
なりふり構わず、ひたむきに演奏に向き合う姿は聴く人にも感動を与えることができると私は信じています。
 
 
読書でもスポーツでも、新たな趣味を始めることは毎日の刺激になります。
もし、「楽器をやってみたいけど、できるかどうか不安」と思うようであれば、
心配することはありません。
きっとその楽器はあなたの一生の友人となってくれますよ。
 
 
 
 
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2019-04-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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