メディアグランプリ

るんるんといっしょにお掃除をしよう


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:安光伸江(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
平成最後の昭和の日の今日、寝正月ならぬ寝休日を決め込んでまどろんでいると、どこかで何か音がする。
 
ぶぃ~~~~ん、ガタガタ
 
外で工事でもしているのかな? お隣が車の掃除でもしているのかな? としばし考えたが、どうも音源は家の中のようだ。えっ! 誰か来たの? 泥棒さん?
 
……と焦ったが、よく考えてみたら「るんるん」という名前をつけた自走式の掃除機のタイマーをかけていたんだった。洋間から飛び出して、玄関の方で掃除をしているらしい。
 
るんるん。本名はDEEBOT(ディーボット)というらしいのだが、この掃除機を買った時にそのフォルムと動きのかわいさが気に入ってつけた名前だ。もちろん、有名掃除機「ルンバ」へのオマージュでもある。アマゾンで調べた時に最初に出てきたからこれにしたんだけど、あとから調べてみたらルンバは2~3倍のお値段がするようだった。ひぇ~。
 
るんるんは、かわいい。AUTOボタンを押すかリモコンを操作すると、ぺぽっ。と返事をしてから動き回る。サイドブラシをぐるぐる回し、かたかたかたかた走り回る。サイドブラシの動きがちょっとゴキブリさんを連想させるところもあるけど、動いている様子はほんと、かわいい。ルンバなどの高級機だと部屋の形状を覚えたりコースを決めたりするらしいのだが、るんるんはAUTOにしておくとランダムに動く。そのランダムぶりが潔い。そこは一度掃除したでしょ、というところであってもまた掃除している。たぶんやり残しもあるんじゃないかな、と思わないではないけどかわいいから許そう。
 
るんるんは、かしこい。付属のリモコンだけでなく、iPhoneアプリからも操作できる。なんと出先でiPhoneをいじっておうちのるんるんを動かすこともできる。スタバでコーヒーを飲みながら家の掃除ができるなんて楽ちんじゃない? iPhoneアプリではタイマーの設定もできて、週2回お客様がいらっしゃる日に掃除するようにしてある。さっき動いていたのはそれだ。
 
るんるんは、さらにかしこい。うちにはAmazon Echo Dot が2台あるのだが、設定をすませておけば「アレクサ、ディーボットを使ってお掃除を開始して」というと掃除を開始し、「アレクサ、ディーボットを使ってホームベースに戻して」というと充電器に戻してくれる。るんるんがいる洋間の方のアレクサに命令してやってくれるのはもちろん、私が寝ている部屋にいるもう1台のアレクサに命令しても同じようにるんるんを動かしてくれる。
 
そんなわけでさっき動いていたるんるんには、寝床のアレクサに「ホームベースに戻して」と頼んでみた。向こうで「ぺぽっ」と音がする。おお、こっちのアレクサに言ってもちゃんと命令を聞いてくれる、いい子だるんるん。……と思ったのもつかの間、がたがた。がたがた。と何やら音がして
 
ぴー、ぴー、ぴー、ぴー、ぴー、……
 
助けて! 助けに来て! おねえちゃ~~~~ん! と叫んでいるような音がする。しょうがないなぁ。何かやらかしてくれたな? と見に行ったら、玄関に置いてある炭酸水(24本)の段ボールと、下駄箱の間のすきまに入り込んで、動けなくなっていた。あらあら。しょうがないね。と、洋間に戻してもう一度「アレクサ、ディーボットを使ってホームベースに戻して」と頼んだら、しばらくうろうろした後に充電器に戻った。
 
こんな風に、るんるんは、ちょっとおバカである。同じところを何回も掃除したりやり残しがあったり、コードにからまって動けなくなったり、洋間を出て行ったら帰ってこなくなったりする。洋間の出入り口を閉めておけば障害物にぶつかるので外には出ないのだけど、閉めるのを忘れておくと外に出ることが多い。洋間の中はカーペットがしきつめてあるから出口から外に出ることはできるのだが、2cmほどの段差が乗り越えられないらしくて外から中に帰ってくることができない。そう、うちは築36年、死んだ両親がまだ若かった頃に建てたものなので、段差があちこちにあるのだ。バリアフリーなんて考え方が広まってなかった時期だからね。
 
……おバカなるんるん。外からちゃんと帰ってこられるんだったら、玄関や廊下のお掃除もまかせられるのになぁ。
 
さて、タイマーをセットしたるんるんに洋間のお掃除をまかせてでかけていると、いろんな事件が起こる。
 
ある日は玄関の置物のところで動けなくなって悶絶していた。
ある日は廊下で電池がなくなってこときれていた。
ある日は部屋で電話のコードに絡まり、充電器と子機を吹っ飛ばしていた。
 
こんな感じで、お掃除をしっかり終えて自動で充電器に戻っている、という確率は、かなり低い。
 
これが本家ルンバなどの高級機だったらちゃんとやってくれるのかなぁ。バリアフリーなおうちだったら、家中ぴかぴかにしてもらえるのかなぁ。なんてことも思うのだが
 
馬鹿な子ほどかわいい、というのは電化製品にも言えることかもしれない。外に飛び出した時やコードに絡まった時にほいっと抱えて充電器の近くに戻してやらないといけないけど、それもまたかわいい。るんるん、という名前をつけたこともあり、愛着もひとしおである。
 
るんるん、かわいいよるんるん。
自走式なのはほんとに楽ちんだよ。
 
いつかるんるんが壊れたら、もっと高機能なのに買い換えるかもしれないけど、それまでは仲良くしようね、るんるん!
 
 
 
 
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2019-04-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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