メディアグランプリ

朝、気分よく起きるための1つのアクション


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:河上弥生(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
毎晩、眠りにつく前に不安な気持ちにとらわれる人はどのくらいいるのだろう?
いろんな事情があるだろうけれど。たとえば、
・明日学校へ行きたくない
・今日、職場でミスした後悔がアタマの奥で渦を巻いている
・こどもの進路が心配すぎる
・将来がモヤモヤモヤモヤ暗くおもえる
などなど。
 
私事ながら、わたしはこの数年、体を横にしてから眠りに落ちる前の時間がなにしろ苦痛だった。離婚前後に渡る数年だ。眠る前にお布団に入ったらもう世界が灰色のイメージ。自分の心臓の音が強くきこえる。いくら着込んでも背筋が寒い感じ。あらゆる過去のできごとへの後悔の念が薄い毛布のようにまとわりつき、ついには自分の皮膚のように感じられて。子どものころは、毎晩おふとんに体をすべりこませて眠るのは、あんなにとっても気持ちよかったのに。
 
気持ちよかったなあ。気持ちよかったよね?
なんであんなに気持ちよかったのかな? と考えてみた。
なぜだろう。
 
この事について自分なりの答えを発見したキッカケは、3ヶ月前に自分が40℃近い高熱を出したことだった。いきなりドカン。ほぼ3日ぶっ倒れ。
そのあいだ、数人との業務PC連絡、生存確認の連絡以外は、スマホを見なかった。
熱が下がり何か言葉に触れたい時は、しばらく開いていなかった本を読み返していたりした。
 
熱が下がったころ、「あれっ」と気がついた。
 
朝、気持ちいい。熱が下がってラクになっているだけではなくて。
不安の量が減っている。
 
なぜだろう。
 
今になってかんがえてみれば、それ以前の自分と寝る前の行動が、違っていたからだろうとおもう。
 
それまでの私は、いつも心細いのもあって、毎晩寝る前にお布団で横になりながらスマホでネットのあちこちをめぐっていたのだった。
何カ所かのSNS、ニュースサイト。ブログ。ぐるぐる。ぐるぐる。
それが完全に習慣化していた。
欠落している自分が共感できる記事、欠落している自分を癒してくれる記事、欠落している自分を忘れさせてくれる記事をもとめて、ネットの海をさまよっていた。
 
しかし、世の中にはそんなに都合のよいものはないのだった。欠落のしかたは、本当に、ひとりひとりちがうから。そう簡単に満たされはしない。
 
なかなか飢えは満たされないばかりか、さらに恐ろしいことに、世の中は悲しいニュースで溢れている。欠落感を埋めてくれる何かを求めながらも、つらい情報を読んでしまったりする。あるいは、読むことによって自分がもっともっとみじめに感じられるような、輝かしい人たちのニュースも読んでしまったりする。
 
自分の欠落は埋められず、逆に欠落感を強化されつつ、悲しいニュースに嘆きつつ、毎晩毎晩自分は眠ろうとしていたのだ。
 
高熱ぶっ倒れの間は、それがなかった。
熱に苦しんでそのまま眠り、あるいは、大好きな本のページをめくるだけで、ストンと寝た。そしたら、翌朝、少しだけ、気持ちよかった。寝る前も、怖い感じ、減った。翌朝も、やる気出た。
 
それに気がついて、わたしは寝る前、体を横にしてからスマホに手をのばすのをやめた。
 
高熱ぶっ倒れのおかげで、「寝る前スマホ」から脱却するのに抵抗がなかったからよかったとおもう。あのぶっ倒れがなかったら、今も同じことを繰り返していただろう。
 
「不安感を解消したい寝る前スマホ」を断つことによって、本当に、朝、目覚めたときの気分はみるみるよくなった。
 
夜、不安感なく眠れるひとには関係のない話だとはおもう。(うらやましい)
 
眠る前に不安感あるひとは、寝る直前のスマホでのネットめぐり、やめてみて。とにかく、その習慣を断ってみて欲しい。
そうすると、翌朝、目覚めたときに気分が良くなる。
日中も、なんとなく前より気分が良く過ごせるはずだ。そして夜を迎えたとき、急には不安感は減らないだろうけれど、毎晩の「寝る前スマホ」をやめることで、じわじわと、ラクになるサイクルができてくる。
 
いったん、リセット。とにかく忘れよう。自分の恥ずかしさ、後悔、つらいきもち、悲しいきもち。寝る前に、わざわざ時間をかけてその欠落感を再確認するのはバカバカしい。

寝る前にどうしてもなにか見たいなら、美しい風景、大好きな俳優さんの情報とか、旅したい場所とか、行ってみたいカフェとかラーメン屋さんとか、胸がときめく情報だけにしてみたらどうだろう?
 
自分にとってマイナス要素のない、おだやかで、楽しい情報だけに触れて、眠るのがいい。
 
寝る前に、できるだけ、自分が気持ちのよい状態、笑顔になれる状態になろう。私も、それを心がけたら、毎日がなんだか楽しいものになってきた。たぶん、眠りの質が良くなっているのだとおもう。ものごとの良い面に気づけるようになってきたのだ。悩みについても、以前は嘆くばかりだったが、少しずつ、具体的にどうしたらいいかなー、と動き出せるようになってきた。
 
ちなみに、子どものころ、眠るときに気持ちよかった理由、思い出した。
ワクワクしていたからだ。
まだ見ぬ明日に。
 
 
 
 
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2019-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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