メディアグランプリ

悩みから抜け出せない人へ、「闇日記」を書いてみよう!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:メイ(ライティングゼミGW特講)
 
 
毎日の生活の中で、ストレスを感じない日はないだろう。その中でも、どうしても払拭できない自己嫌悪や、人間関係のトラブル、仕事上の理不尽な出来事など、頭から離れず眠りが浅くなったり、食欲が湧かなくなったり、時としては体調を崩すまで悩んでしまうなど、おそらく誰もが経験したことがあるだろう。
 
ストレス解消法は色々と紹介されているが、日記もそのひとつに挙げられる。ずいぶん前から日記には、デトックス効果があると言われている。デトックスとは、老廃物や毒素を身体の外に排出させるという意味だが、このデトックスは、主に「出す行為」で効果が現れるそうだ。
 
たとえば、あらゆる人間の中でストレスが最も多いのは「赤ちゃん」と言われている。自分で満足に動くこともできず、お腹が空いても、のどが渇いても、背中がかゆくても、自分ではどうすることも出来ない。そこで赤ちゃんは、「泣く」という行為で助けを求め、お世話をしてくれる人に訴えかけるのだが、この時SOS信号と併せて、泣くという「声を出す行為」がストレス解消の役割を果たしているそうだ。
 
ストレス解消には泣くのが一番と、ムリヤリ悲しい映画や小説を読んで泣いてみた人もいるだろう。世の中には「泣き活」なるゼミも登場している程だ。加えて声を「出す」こともデトックス効果があるので、カラオケも同様に需要が高い。サウナで汗を「出す」のも手軽なデトックスにあたる。
 
ただ、日記に至っては、泣いたり歌ったり汗をかいたりという一時的デトックスではなく、加えて「脳をだます」という嬉しいオマケがついてくる。
 
SNSが普及している現在は、日記を書く習慣を持っている人は多いと思うが、デトックスに有効なのは人に見られることを意識した「キラキラ日記」ではなく、絶対誰にも見せられない「闇日記」である。
 
「闇日記」というと、なんとも根暗な、後ろめたい響きであるが、デスノートのように殺したい相手の名前を書くものではない。自分のストレスの元となっているアレやコレについて、口に出せない心にしまい込んだセリフや行動が多々あると思う。それらをどんどん「闇日記」に書き込んでいくだけの行為であるが、これが実に効果が高い。
 
人は忘却の生き物と言われる。全ての出来事を記憶していると、途端に脳がキャパオーバーになるので、重要性のないものは脳が自律的に判断して削除していくのだとか。たとえば、この1時間に起こったことの半分以上は、脳が「いらない」と判断して削除していて、削除された情報は、重要度レベル順の脳の押し入れにしまっておき、必要な時に引き出すシステムになっている。年をとると有名人の名前が思い出せなくなる。記憶力が衰えてきている脳に、有名人の名前のスペースはムダと判断するのか。これはこれで悲しい気もするが、そういうものだそうだ。
 
さて、脳がすぐに引き出せる引き出しに収納するのは、生命の維持に関係することが主だが、何度も繰り返し思考したことや、ショッキングな出来事は、自動的に定着し頭から離れないそうで、ストレスは代表的に定着する刺激のひとつ。忘れようと思えば思うほど、繰り返しの思考により記憶が定着してしまう。
 
これらを奥の引き出しにしまう方法は、「メモをとること」だそうだ。テレビ番組で東大生が「メモをとると忘れるからとらない」とか「覚えたページはやぶって捨てる」という大胆な勉強法を披露していたが、これは一理ある有効な手段だとか。
 
メモをとることで、脳がここに記録があるから定着させておかなくて大丈夫、という判断をするので、重要度の低い引き出しに記憶を収納してしまう。メモを見たときに「ああ、そうだった」とメモ以上の前後、関連を思い出すことができるが、メモを見ないとなかなか引き出しが開かない。
 
「闇日記」もこの特性を利用して、ネガティブな思いをどんどん書き込んでいく。メモに写すことで記憶の定着が和らぎ、日数を重ねるごとに心の負担が減っているのを感じる。文字数は何文字でもいいし、文章が苦手なら箇条書きでもよい。ただし、注意事項として短期間間で読み返してはいけない。読み返すと引き出しが開いてしまうので、1度書いた日記を見返すのは3ヶ月~4ヶ月ほど期間を空けた方が効果的だ。
 
かくいう私も、「闇日記」経験者だ。パスワードをかけたタブレットのメモ帳に、イヤなことがあったときにガンガン書きだして、無題で保存しておいた。タイトルをつけるとメモ帳を開いたときに思い出してしまうので無題保存がよい。問題は時が解決するとも言うが、まさにその通りで、時間が経つと、必ず何かしらは変化している。3ヶ月前の日記を読み返すと、冷静に笑える自分が居たりする。ただ、時間が経つまでの間、どう乗り切るか、耐えるのかが一番の問題であることに間違いない。
 
最後に、注意点をもうひとつ。「闇日記」は、決して誰にも見られてはいけない。人格を疑われるという、とてつもなく大きなダメージが生じる。このダメージはもはや「闇日記」で解消できるレベルではない。厳重取り扱い注意の品として墓場まで持って行くことを、くれぐれもオススメする。
 
 
 
 
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2019-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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