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大人のたしなみ?エイジングのすすめ


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田中 翠子(ライティング・ゼミGW特講コース)
 
あなたは、なにか革製品をお持ちですか?
お持ちだとしたら、それはどのくらい使っていますか? 長く使えば使うほど、新品のころとは違う風情が出てきているのではないでしょうか。
それは、あなたの使い方や生活の色が刻まれた、あなただけの愛用品になっているからだと思います。
 
私は革製品が好きで、ついつい手にとってしまいます。
それはなぜかといえば、「育っていく楽しみ」があるからです。
モノはたいてい、新品のときが最高の状態だと思います。そして、使っているうちに痛んだり、汚れたり、壊れたりして魅力が減っていくものです。
でも革製品は、「経年変化」、または「エイジング」といって、長年使い込んでいくうちに色合いや形がなじみ、魅力が増していくものです。
手に入れたときが最高の状態で、2,3年楽しんだらまた違う新品を手に入れよう! というのもいいのですが、数年から数十年かけて自分だけの魅力的なアイテムに育てていこう! というのも少しワクワクしませんか?
私はいま、手帳とペンケース、時計のベルトを育てています。
 
ただ、エイジングが楽しめる革製品は、長年の使用に耐えられることが前提となっているせいか、作りがしっかりしており、比較的高価なものが多くなっています。
そのお値段に、購入をためらう人もいるかと思います。
また、革製品は高級感があって、手が出しにくいと思う人もいるのではないでしょうか。
私はそうでした。革製のシステム手帳に憧れていて、ずっと欲しいと思っていました。しかし、なんとなく革のシステム手帳を持っているのは、「仕事がデキるエリートビジネスマン」というイメージがあって、まだ中堅どころの自分が使うのは生意気なのではと思っていました。
しかし、あるとき、そんなことを気にしていた私の背中を、母が後押ししてくれました。
「モノが人に仕事をさせるってこともあるらしいから、分不相応とか気にしないで使ってみたら」
「モノが人に仕事をさせる」とは、大工をしていた母の叔父の言葉だそうです。
大工の道具にもやはりピンからキリまであるそうですが、自分の腕に見合うものよりもいい道具を使うと、その仕事の質も上がって、自然と腕も上がるということだそうです。
その言葉を言い訳に、いや追い風に、私は革のシステム手帳を買ってしまいました。いまでは、職場の置き手帳として使って1年半程度が経ち、色合いがかなり変化してきました。最初は白っぽい肌色のような味気ない色でしたが、今は飴色に近い艶のある色になっています。なかなかイメージどおりの色に育ってきて、かなり気に入っています。
手帳を開くのが楽しくなり、スケジュールの確認をすることが多くなったせいか、スケジュール管理のモレが減ったように思います。
 
ただ、ここでひとつ、革製品を持つときに直面するハードルがあります。
それは、お手入れです。きれいにエイジングさせるには、手入れが必要なのです。
もともと革は生き物なので、長持ちさせるには栄養を補給しなければならないそうです。
専用の汚れ落としやオイルクリーム等があり、専用の布で磨きあげます。
自慢ではありませんが、私は自他ともに認める面倒くさがりで、わりとズボラな方です。忙しいと、手入れの時間をとるのがむずかしく、よくサボります。
しかし、個人的な見解ですが、理想的な間隔で手入れができなくても、気にしなければいいと私は思います。
もちろん、ちゃんと手入れをすればその分だけ長持ちするのですが、その人のペースで、できるだけやればいいと思います。その手入れのペースですら、その人の個性としてモノに染みついて、唯一無二の愛用品が育っていくのだと思います。
 
今の社会では、使用期間が短いけれど安価なものや、使い捨てのものが多くて、それが便利さを支えています。
ファッションも流行の移り変わりが速く、今年着たものを来年着たらちょっと時代遅れということもよくあります。
モノの消費速度が速くなっているのは時代の流れですし、その恩恵もたくさん受けているので否定はしません。
しかし、一方で、ひとつのモノを大事に長く使うということも、大切にしたいと思うのです。
愛着を持ってなにかを大事にし続けるということは、成熟した大人にしかできないことではないでしょうか。
ブランド物以外の革製品は地味でかわいくない! という人も、革製品の定番デザインは飽きがこない大人びた落ち着きがあります。かわいい女性が、ワンポイントでシンプルな革小物を使いこなしていたら、「おっ?」と一目置いてしまいます。
 
もし、革製品は好きだけど、まだお持ちではない人がいるならば、ひとつ持ってみてはいかがでしょうか。きっと新しい楽しみが見つかると思います。
また、大学生か社会人になるくらいのお子さんや親戚の子がいるなら、その子にちょっといい革の小物をプレゼントしてみてはどうでしょうか。
これをちゃんと育てられる大人になってね、と若干のプレッシャーをかけながら。
 
 
 
 
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2019-05-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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