メディアグランプリ

独りよがりな「日記」にバイバイ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【6月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:杉田 賢(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
キーボードを叩く音と、小気味よく時間を刻んでいる秒針の音しか聞こえない。私はいま連休を仕上げている。そしてこの仕上げが首尾よく運べば、この休みは何物にも代えがたい日々になる予感がしている。遠出をせずに大半を家で過ごしたが、発見に満ちた長休みだった。その発見を文章に仕立て上げれば、間違いなく最良の日々になると信じている。これまでの9日間、2000字の文章を書き続けてきた。10日目にあたる今日、その軌跡を振り返る。

 
10日間毎日、2000字の文章を書くライティング・ゼミを知るきっかけはfacebookの広告だった。長休みの予定がすっからかんだったし、文章力を向上させたいなぁと漫然と思っていた私はゼミの受講をものの数分で決めた。

 
隔日の講義を受けながら、毎日文章を書いていたわけだが、ひとつ目標を立てていた。自分の文章が投稿されることをゴールに据えていたのだ。よいと判断された文章はウェブメディアで掲載されることになっていた。力試しの意味合いもあった。
さあ第1回。フリーテーマなので私はフルマラソンを取り上げた。沿道からの声援に応えると不思議と力が湧き出てきて何とか完走できた話を書いた。講義内容も活用できていて内心上手くかけたなと思っていた。しかし掲載されず。つづく2回目もその次の3回目も目標叶わず。頂いたフィードバックを加味して第4回目を書いた。この時初めて掲載された。載ったことも嬉しかったが、自分の文章がよくなってゆく心地がして率直に楽しかった。4回目ではクライマックスを強調して、何を読者に伝えたいのか、伝えたいことは読者のメリットに適うのかを考えて投稿したのだ。
5回目とんで6回目。これもうまい具合ではまった。24歳の私の日課は読経なんですというギャップを出しながら、読み手に取ってメリットのある伝えたいことを明確に押し出すことができた。
でもそこからが不調だった。いいなと思って書いた文章が掲載されないことが何度も続いた。もらったフィードバックを活かしているのに掲載は叶わなかった。9日目もそうだった。いよいよ最後の10日目、こうやって2000字の文章を書いていると私の文章には何が足りなかったのか痛いほどによく分かる。

 
掲載されなかった文章を読み返してみた。その文章はどれも「日記」だった。相手が時間を費やしても読みたいと思えるような文章ではなく、あくまでも自分自身に向けた色合いが強かった。書いて自分だけが満足しているような「日記」だった。タイプしている時点では相手の目線に立っているつもりでも、油断すると日記はすぐに顔を出してくる。たとえば1回目はクライマックスの文章量が少なくて盛り上がりに欠けていた。自分では盛り上げているつもりだった。日記やお気に入りの店をテーマに据えたときは、本題に入るまでにいくつも話を盛り込んでしまって、読み手に一番伝えたいことがはっきりと示されていなかった。自分では示したつもりだった。つい昨日の9回目は、伝えたいことが読者にとってメリットのあるものではなかった。自分ではメリットを提示できていると思っていたが、いざ読み返してみるとメリットの伝え方が弱かった。自分がとった行動は書いているのだが、相手が実際に行動に移すときのイメージの共有が足りなかった。
 
煎じ詰めると、私に足りなかったのは読み手への態度だったと思う。こうやって2000字の文章を書きながら、心のどこかで「わかる人にだけ分かればいい」と可愛げの欠片もないことを思っていた。その思いが日記という形で、周囲に向けた文章に現れてくる。徹底して徹底しすぎてもいいくらいに、「時間を使って読んで頂いている」という感覚を頭に焼き付けて書いていこう。

 
仕上げに近づいていく。相手に読んでもらって、共感を得るなり、サービスやモノを使ってもらうことを目的にするなら相手がリソースを費やしてもいいと思える文章を書く必要がある。そうはいってもなかなかこの感覚を常に駆使するのは大変なことだ。なぜならそういう訓練を多くの人たちは受けてこなかったから。文章を書くといってもその大半が読書感想文や日記であり、それらを書く場面では自分の思いを吐露することが重要だとされる。その時には文章の向こうに読む相手がいない。もし文章を通じて共感してもらいたいとか、商品を買ってもらいたいならば文章の向こうの相手を想定しよう。かく言う私の文章も変化のキッカケをこの休みのゼミで掴んだばかりで、まだ心もとないが今まではその練習が足りなかったから苦手なだけなのだ。練習を重ねていくことでどんどんと文章は美味くなっていくと信じている。10日間練習の場所を提供してくれた天狼院の方々への恩返しは、私自身が文章をうまくなることで果たしていこう。

 
 
 
 
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2019-05-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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