「男ウケ」なんて、気にしなくていい。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:トヨフク ナオコ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「髪切ろうかな」と言ったときに、
「いいんじゃない?」と言ってくれる男性が好きだ。
逆に「え~? 切っちゃうの?」と残念そうに言われると、
「うわ、出た」と思ってしまう。
これは私自身の偏見も大いにあることは自覚しているのだけれど、「髪が長い方が女性らしい」と思っている、そしてそういった概念を押し付けてくるような人がとても苦手だからなのだと思う。
女性に生まれてよかった、と心から思う。
大げさでもなんでもなく、私は毎日、あらゆる瞬間で思っている。
朝起きて、鏡に向かってメイクをしている時。
会社に向かういつもの道で、ヒールをコツコツ鳴らしながら歩いている時。
ガラスケースに並んでいる、キラキラしたアクセサリーたちを眺めている時。
お酒でほろ酔いになりながら、リップをキュッと引き直す時。
家に帰って眠気と戦いながら、明日のためにネイルを直している時。
女性として生きることは本当に楽しい。
女性ならではの楽しみというのは本当にたくさんあって、毎日をわくわくさせてくれる。
もしも生まれ変わって性別を選べるとしても、私はきっとまた女性として生きることを選ぶと思う。
けれど私は、私のために「女性」を生きている。
誰かのためではない。自分のためだ。
男性に「女性という価値」を差し出すために、髪をカラーやトリートメントできれいに整えているわけではない。毎日の面倒なスキンケアだって、ネイルだって、全部ぜんぶ自分のためだ。スカートを選ぶ日は、ただただ自分が着たいと思って手に取っている。
すべては「自分自身のご機嫌をとるため」。
そのためだけに私が選んでいることだ。
確かに、そうやって気を付けていることに対して褒められれば悪い気持ちにはならない。
けれどそれが「男性目線を意識している」ことを前提に話されると、途端に興ざめしてしまうのだ。
当然人によって基準は様々なので、男性の思う「女性らしさ」も一括りには言えないけれど、確実に「男ウケが良い」と言われるゾーンは存在する。
ひらっとしたワンピ―ス。
ネイルは長すぎず、明るく淡い色。
アクセサリーは華奢で主張しすぎないもの。
濃すぎないメイク。
もちろん、好き好んでそういったものたちを選んでいるのであればまったく問題はないだろう。
けれど、男性目線で見て女性らしいのか?魅力的であるのか? に重きを置いてしまって、自分の中の「好き」に鈍感になってしまってはいけないと思うのだ。
私自身は女性なので女性目線でそう思うけれど、これとまったく同じことを普段、私は男性に対しても思っている。
そしてこれはなにも、外見に限った話ではない。
女性の好みがちな「男性らしさ」という偶像を無理に作り上げる必要がどこにあるのだろうか。それは一体だれのためなのだろうか。
けれどこんなことを思うのは、私自身が“異性に魅力を感じられないと女性としての価値がない”と強く感じていた時期があったからこそなのだと思う。
だからこそ手っ取り早く「女性らしい」という枠に自ら収まり、女性としての価値を証明しようとしていた。
だって、街を歩けばすれ違う人に「可愛いか否か」を好き勝手にジャッジされるし、「女性らしい」と評価されることが仕事をする上で潤滑油になることもある。
女性でなければ人としての存在価値が認められないのではないか、という強迫観念に押しつぶされてしまいそうなくらい、世の中は毎日異性から「異性」としての視線を注がれ続けるような、そんな出来事の連続なのだ。
男性の場合はどうだろう。
「男なんだからこれくらい出来て当たり前」みたいな、安易な言葉に傷ついたりしているのだろうか。もしくは「男なのに」と趣味嗜好をバッサリ否定されたりすることもあるのだろか。
性別という区分は確かに存在するけれど、私たちは好きな服を着て、好きなものを食べ、好きな本を読んでいい。
「男性であること」「女性であること」は、異性に認められて初めて成り立つものでも、異性へ価値を提供するための手段でもない。
「女性らしさ、男性らしさ」という不特定多数の誰かが勝手に作った枠にとらわれて、「自分らしさ」を押し込めて生きる必要なんてどこにもないのだ。
部屋の片づけをしていると、数年前の写真が出てきた。
今の私だったらきっと選ばないであろうフェミニンなワンピースを着ていたけれど、自分のために選んだ服ではないのがわかった。笑顔もどこかぎこちないような気がした。
最近の写真を見ると、良く笑えている。
私が私のために選んだ服を着て、私のために「私」を生きている。
「男ウケ」なんて気にしなくても、私の人生の価値は変わらない。
ここ最近は天気が良く、ずいぶんと暑かった。しばらく伸ばしている髪の毛が暑苦しく感じる時がある。
ばっさり切ろうか、もう少しこのまま伸ばそうか迷っているけれど、「どうする?」の答えはもうだれかの中にはない。常に自分の中にある。
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